ホンダ・S2000
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S2000とは、本田技研工業で生産・販売されているオープン2シータースポーツカー(自動車)であリ、同社が販売する唯一のFR車である。
1995年の東京モーターショーで「ホンダ・SSM」として参考出展されて話題となり、その後、同社のNSX開発陣の手によって市販化が進められ1999年にデビュー。
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[編集] 歴史
[編集] 初代(1999年-)
- 1999年4月15日 本田技研工業設立50周年記念として、S600/S800の血統を引くオープンスポーツカーとして発売された。
- 2000年7月14日 VGS(可変ギアレシオステアリング)を装備した「S2000 typeV」が追加された。
- 2001年10月 初のマイナーチェンジでリアスクリーンをガラスに変更。
- 2003年10月17日 2年ぶりのマイナーチェンジ。外観上はヘッドライトの意匠が変わり、テールライトにLEDタイプが採用される。性能面では17インチホイールの採用に伴い、ボディ剛性の強化、サスペンションセッティングの見直しを行い、安定性を増した。また、ミッションにカーボンシンクロナイザーを採用し、シフトフィーリングが大幅に改善されている。
- 2005年11月24日 日本仕様がマイナーモデルチェンジで排気量が2.2Lとなる。また、型式もAP1→AP2に変更された。従来の北米仕様とは異なりドライブ・バイ・ワイヤが採用された。エンジンは最高出力は250→242馬力に、回転数は9000→8000回転へと落とされたが低中速のトルクが向上した。また、2006年モデルの北米仕様もこれに沿った改良が施された。ギア比もローレシオ化された。
[編集] メカニズム
- 駆動方式は、ホンダとしては29年ぶりとなるフロントエンジンの後輪駆動。6速MTを採用。エンジンルームに縦置きにされたF20C型2000cc直列4気筒自然吸気、DOHC・VTECエンジン(ホンダには珍しい正回転)は、リッターあたり125psを発生させる。このエンジンは全日本ツーリングカー選手権に参加していたレース用のアコードのエンジンをデチューンして市販化したものといわれており、タイミングベルトの代替としてチェーンを使用している点が特徴的である。
- 2004年からの北米仕様向けモデルは、エンジンを「F20C2」に変更。従来の「F20C」エンジンをもとにボアの口径はそのままにして、ストロークを84.0mmから90.7mmに変更して排気量200ccアップの2200cc化がなされている。これは多分に北米市場からの「乗りやすさ」を求めた要望によるもので、「F20C」とは性格が違い、低回転時におけるトルク増加を引き出す換わりに、高回転時に出力するピークパワーが削られている。日本における2005年11月のマイナーチェンジ時に、エンジンを「F22C」と一本化した。この事は、オーナーやファンの間で物議を醸している。
- このF22Cはレブリミット8000回転となっているが、市販車としての耐久性を重視したためであり、実際には封印されているだけである。チューニングショップに依頼し、封印を解除するのはユーザーの自由ではあるが、その場合エンジンの寿命が短くなる事は覚悟しておかなければならない。
[編集] エンジン
- 名称: F20C
- 種類: 直列4気筒DOHC・VTEC 87.0×84.0
- 排気量: 1997cc
- 最高出力: 184kw(250ps)/8300rpm
- 最大トルク: 218N.m(22.2kgm)/7500rpm
マイナーチェンジ後
- 名称: F22C
- 種類: 直列4気筒DOHC・VTEC 87.0×90.7
- 排気量: 2156cc
- 最高出力: 178kw(242ps)/7800rpm
- 最大トルク: 221N.m(22.5kgm)/6500~7500rpm
[編集] 生産
- かつて、NSXの専用生産工場として建設された同社栃木製作所高根沢工場で1999年の登場時より生産されていたが、2004年4月にホンダの完成車一貫生産構想に基づき、高根沢工場での生産を中止し、現在は同社鈴鹿製作所の少量車種専用ライン、TDラインへ生産を移管している。
- 同社で生産される他の車と比べて発注から納車までの期間がかかる。2005年現在、生産枠の空き状況の変動により、二ヶ月から三ヶ月半待ちと言われている。
[編集] 外部リンク
- S2000 公式サイト(本田技研工業)
- Sシリーズの歴史(本田技研工業)
- こだわりを受け継いだ 鈴鹿製作所 TDライン(本田技研工業)