プレクスター
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プレクスター株式会社(Plextor Co., Ltd.)は、東京都台東区にある、CD-R/RW、DVD-ROM、DVD±R/RWドライブなどのコンピュータ周辺機器を発売している会社である。キャッチコピーとしてCD-R/RW時代は「King Of Quality」、DVD±R/RW時代は「The Driving Force,PLEXTOR」というものが存在していたが、あまり使用されていない。
価格や対応規格の多さが目を引きがちな光学ドライブ業界だが、若干割高ではあるものの独自の製品を生み出すメーカーとして特に光学ドライブに詳しいユーザーの間で有名であり、同社製品の固定ファンも多い。製造はシナノケンシが行っているものが多いが、シナノケンシの名が宣伝されることは少なく、主に「PLEXTOR純正」と呼称される。(他社よりOEM供給を受ける場合もある) ディスクメーカーである太陽誘電との友好関係は有名であり、太陽誘電製メディアにPLEXTOR製ドライブで書き込むと、記録品質が良好となる場合が多い。
読み取り性能の高いCD-ROMドライブの製造で有名であったが、CD-Rドライブ時代の後期からプレクスターの快進撃が始まった。特に 98年末に発売されたCD-Rドライブ PX-R820T は傑作と名高く、長らくプロ達の間で最高峰の名機の内の一つとして使用されていた。ソニーやヤマハなどライバル各社が光学ドライブの製造から撤退した後も、長く性能が高く音質がよいCDドライブを作りつづけたメーカーであり、(音質がよいという点での)CDドライブ史、は同社が「最終」と銘打って発売した PLEXWRITER Premium をもって終結したとする見方さえある。その後 Premium2 の発売を発表したが、その歴史を塗り替えるほどの完成度であるかどうかは未知数である。
しかし、CD-Rドライブにこだわった事からDVDドライブへの参入が遅れ、ほぼ最後発となった。PLEXTORブランド初のDVD書き込み可能なドライブ PX-504A は、NEC によるOEM供給を受けたものであり、自社製のものはPX-708Aが初である。だが、その後PlexToolsProfessional によってディスクの品質検査が可能である点や、CD-Rドライブ時代から培った技術力の高さにより人気を集め、パイオニアやNECと並び称される存在となった。
同社はファームウェアの更新に熱心である。発売後も長期に渡ってファームウェアを作りこむという点では、プレクスター純正ドライブは長く使える。
Blu-ray DiskドライブについてはOEM供給製品ではあるが2006年7月に発表した。
[編集] 沿革
- 1972年 シナノケンシ株式会社(当時の信濃絹糸紡績株式会社)が、長野県上田市の花岡紡績株式会社を買収。本社を東京に移転し、長野でテープデッキなどの製造を開始。
- 1985年 花岡紡績を「テクセル株式会社」と改称。TEXELブランドでの商品展開を始める。
- 1986年 カードオフセット印刷機器を発売。
- 1988年 長時間通話録音機、CD-Iオーディオ、エンコーディングシステム、CD-BGMを発売。
- 1990年 CD-ROMドライブの発売を開始。米国法人(TEXEL America)を設立。
- 1992年 印刷機器事業部を設立。
- 1993年 ブリュッセルに欧州市場の拠点として、Plextor S.A.を設立。
- 1994年 社名を「プレクスター株式会社」に改称。 TEXEL America も Plextor Corporation に改称。
- 1998年 視覚障害者向けのデジタル録音図書読書機の販売を開始。
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