プラモ狂四郎
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『プラモ狂四郎』(-きょうしろう)は、コミックボンボン1982年2月号から1986年11月号に連載されたやまと虹一とクラフト団による漫画作品。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 概要
プラモデル(特にロボットアニメ製品)が好きな少年・プラモ狂四郎こと京田四郎は、プラモデルを本物さながらに戦わせることができる「プラモシミュレーションマシン」でライバルたちとプラモデルを仮想空間で戦わせ、次第にモデラーとして成長していく。 続編に『新・プラモ狂四郎』や『超戦士ガンダム野郎』などがある。
[編集] プラモシミュレーション
本作品は、そのほとんどが「プラモシミュレーション」と呼ばれる、実際のプラモデル同士を仮想空間で戦わせる内容となっている。シミュレーション・マシンは本作品の中心となる装置で、四郎たちが行きつけの模型店「クラフト・マン」の2階に設置されている。正面に巨大なモニターを備え、手前にプラモデルをセットする半球状のカプセルとプレイヤーシートが複数設置されている。 シミュレーションの手順は、まずシミュレーション内で戦う者(便宜上プレイヤーと呼ぶ)が戦わせるプラモデルをカプセル内にセットし、そのプラモデルのスケールや種類などの基本的なキット情報や改造ポイントなどをマシンに入力する(この作業はほとんどの場合、シミュレーションマシンの所有者が行う)。プレイヤーはシートに座り、特殊なヘルメットを装着し「シミュレーション、ゴー!」などの合図とともに、仮想空間内でプラモデルによる戦いが開始される。 戦いの様子は、プレイヤーには直接脳内イメージで、ギャラリーにはモニターを介してそれぞれ見ることができる。 シミュレーションの世界でプラモデルに破損などのダメージを受けると、実際のプラモデルもレーザーやマジックハンドなどで傷ついたり破壊される。そのため作品中では実際に我々が応用できるテクニックとシミュレーションで勝つための(あまり実用性のない)テクニックが混在している。
自分の作ったプラモデルを実際に戦わせるという物語や、その勝敗にプラモデルの特徴が影響するというプラモデル考証の精密さ(第一話では1/144シャアザクの足首が曲がらないというパーツ構成の為、ガンダムの蹴りに対応できず転んでバラバラになってしまうという話となっている)、当時のガンプラブームと相まってコミックボンボンの看板作品となった。話に出てくるプラモデルの改造の方法がコミックボンボンに詳細に掲載されたことから少年モデラーの拡大に貢献した他、本作で登場したパーフェクトガンダムが実際にプラモデルで発売されたり、武者ガンダムが独自展開を行うなど、本作の人気はガンダムシリーズにも影響をおよぼしている。
[編集] 主な戦い
- プラモ帝国エンペラーの山根とのはじめての戦い。グフのヒートロッドがハンダ線に糸ハンダを巻いてプラモで作るより強力な武器としてガンダムを苦しめた。
- ガンダム対ジオング
- 当時関節稼動範囲等問題の多かった1/100ガンダムの改造作に、大阪から来た天満太郎の作った1/100ドムの足付き改造1/144ジオングが対戦するという内容。この反響をうけてMSVパーフェクトジオングがバンダイから発売されるに至る。
- スケールモデラー景山登場の回。スケールモデルとアニメモデルの因縁の戦いが注目された。狂四郎が負けてしまうエピソード。プラモデルにおけるアニメモデルの位置づけを触れた内容で、「アニメモデルだって立派なプラモデルだ」という四郎の台詞に影響を受けたモデラーたちがガンダム等のプラモデルにこぞって実在の兵器のような塗装や改造を施すようになった。また、ガンダムのMSVシリーズの人気に寄与したとも言われる。
- パーフェクトガンダム対パーフェクトジオング
- アメリカナンバーワンモデラー、サッキー竹田が登場。パーフェクトガンダムが初登場。話と平行してコミックボンボンで制作方法が掲載された。当初パーフェクトガンダムは完全改造品で、後に増加装備を脱着出来ない点を実在の人物である小田雅弘に指摘されるという回が掲載され、フルアーマーガンダム登場の橋渡しを務めた。(プラモデル化される際、パーフェクトガンダムも増加装備が着脱できるようにデザインし直された)。
- アニメモデラー対シミュレーションゲーマー
- シミュレーションゲーマー蔵井明市郎らが狂四郎に挑戦してくる。さまざまな作戦で、狂四郎を苦戦させ、一度負けかけるがシミュレーションマシンの故障で命拾いする。そのとき現れた謎の老人に手渡された「ジェットモグラ」と健やキー坊の参戦により、狂四郎チームの快勝に終わる。この回がボンボンに掲載された直後「ジェットモグラ」のプラモがあっという間に売り切れたと言われる。