フルオロスルホン酸
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フルオロスルホン酸 | |
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一般情報 | |
IUPAC名 | フルオロスルホン酸 |
別名 | フルオロ硫酸 |
分子式 | FHO3S |
分子量 | 100.07 g/mol |
組成式 | |
式量 | g/mol |
形状 | 無色透明の液体 |
CAS登録番号 | 7789-21-1 |
SMILES | |
性質 | |
密度と相 | 1.7 g/cm3, 液体 |
相対蒸気密度 | 3.4 (空気 = 1) |
水への溶解度 | 反応する |
への溶解度 | g/100 mL ( ℃) |
への溶解度 | g/100 mL ( ℃) |
融点 | −89 ℃ |
沸点 | 163 ℃ |
昇華点 | ℃ |
pKa | −10 |
pKb | |
旋光度 [α]D | |
粘度 | |
屈折率 | |
出典 | ICSC |
フルオロスルホン酸(—さん、fluorosulfonic acid)は化学式 FSO3H で表される化合物で、一般に入手できる酸の中では最も強いものの1つである。フルオロ硫酸(—りゅうさん、fluorosulfric acid)とも呼ばれる。示性式では FSO2OH と表され、硫酸 SO2(OH)2 のヒドロキシ基の1つをフッ素原子に置き換えた、四面体型の構造を持つ分子である。
目次 |
[編集] 性質
粘性の低い無色の液体である。極性の高い有機溶媒(ニトロベンゼン、ジエチルエーテル、酢酸、酢酸エチルなど)に可溶だが、アルカンなど非極性溶媒には溶けない。高い酸性を持ち、ほとんど全ての有機化合物を溶解するが、これには弱いブレンステッド酸さえも含まれる[1]。ゆっくりと加水分解されてフッ化水素と硫酸になる。一方、フルオロスルホン酸と同様に強酸であり、類似の構造を持つ化合物であるトリフルオロメタンスルホン酸 CF3SO3H は水に対して安定である。
[編集] 製造
三酸化硫黄とフッ化水素の反応で合成される。
- SO3 + HF → FSO3H
また、フッ化水素カリウム (KHF2) やフッ化カルシウム (CaF2) を 250 ℃ で発煙硫酸と処理することによっても得られる。不活性ガスを通じてフッ化水素を追い出せばガラス製の装置で蒸留できる[2]。
[編集] 超酸
カルボラン骨格を持つ化合物がより強い酸として知られているが[3]、フルオロスルホン酸は単純なブレンステッド酸の中では最も強いものの1つである。ルイス酸である五フッ化アンチモンとの組み合わせは「マジック酸」と呼ばれる非常に強いプロトン化剤として知られている。
[編集] 用途
アルカンを異性化させたり、アルケンによって炭化水素をアルキル化する[4] 。実験室ではフッ素化剤としても用いられる[2]。
[編集] 安全性
毒性および腐食性が高いとされる。加水分解により毒性の高いフッ化水素を発生させる。硫酸の場合と同様、フルオロスルホン酸に水を加えるのは危険である。
[編集] 参考文献
- ↑ Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis; Wiley: New York, 2001.
- ↑ 2.0 2.1 Cotton, F. A.; Wilkinson, G. (1980). Advanced Inorganic Chemistry: A Comprehensive Text (4th ed). Wiley: New York, p. 246.
- ↑ Juhasz, M.; Hoffmann, S.; Stoyanov, E.; Kim, K.-C.; Reed, C. A. (2004). "The Strongest Isolable Acid". Angew. Chem., Int. Ed. 43: 5352–5355. DOI: 10.1002/anie.200460005
- ↑ Olah, G.; Farooq, O.; Husain, A.; Ding, N.; Trivedi, N.; Olah, J. (1991) "Superacid FSO3H/HF-Catalyzed Butane Isomerisation". Catalysis Lett. 10: 239–248.