ファウスト (バンド)
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ファウスト (Faust) は、1971年に結成されたドイツの実験的ロックバンドである。
4枚のアルバムを発表して解散し、1990年代に復活。ドイツよりイギリスで高く評価されているバンドで、現代のノイズミュージックやインダストリアルミュージックの源流とみなされている。ファウストとは、ドイツ語で拳骨の意味。
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[編集] 歴史
ファウストの仕掛け人は元音楽ジャーナリストのウーヴェ・ネテルベックである。かれはファウストのプロデューサー兼マネージャーとして辣腕を発揮し、ポリドールとの契約において破格の条件を勝ち取った。そして6人のミュージシャンとともに北ドイツのヴュメの廃校にこもり、セッションを重ねた。1971年秋にファーストアルバム『ファウスト Faust』を発表。透明のプラスチックジャケットに拳骨のレントゲン写真をプリントし、透明のディスクを収めるという凝ったデザインを施したアルバムだったが、販売枚数はドイツ国内で1000枚に達しなかった。半年後に黒ずくめのジャケットの2nd『ソー・ファー So Far』を出したが、これも不振だった。
かれらに目をつけたのはイギリスの新興レーベルのヴァージン・レコードで、1973年に契約を結び、未発表曲の寄せ集めアルバム『テープス Tapes』をシングル盤と同じ値段で発売した。これが予想外にヒットし、イギリスのLPチャートのトップ10に入った。アメリカの実験映画作家、トニー・コンラッドとの共作アルバムを制作したのち、4th『IV』(1973年)を発表。このアルバムの商業的不成功により、ヴァージンとの契約を打ち切られ、解散に至る。
1990年代に入ってからの再活動は、ハンス・ヨアヒム・イルムラー(オルガン)、ヴェルナー・ディーアマイアー(ドラムス)、ジャン・エルヴェ・プロン(ベース)によって行われている。
[編集] ディスコグラフィー
- 1971年 Faust
- 1972年 So Far
- 1973年 The Faust Tapes
- 1973年 Outside The Dream Syndicate (Tony Conradとの共作)
- 1973年 Faust IV
- 1986年 Return of a Legend: Munic and Elsewhere
- 1989年 The Last LP
- 1990年 The Faust Concerts 1
- 1992年 The Faust Concerts 2
- 1994年 Rien
- 1996年 71 Minutes
- 1996年 BBC Sessions
- 1997年 You know faUSt
- 1997年 Faust Wakes Nosferatu
- 1997年 Live in Edinburgh
- 1997年 Hurricane [VHS-Video]
- 1998年 Faust in Japan [VHS-Video]
- 1999年 Ravvivando
- 2000年 The Wümme Years:1970–1973
- 2000年 The Land of Ukko and Rauni [live]
- 2002年 Patchwork 1971–2002
- 2004年 Impressions (Faust/Zappi Diermaier) [DVD]
- 2005年 Metz Box [3xCD + 1xDVD]
- 2005年 Authentic Life [DVD]
[編集] 関連項目
[編集] 参考図書
明石政紀 『ドイツのロック音楽』 水声社、1997年 ISBN 489176349