ピット (考古学)
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ピット(pit)とは、考古学用語若しくは発掘現場で、小さな穴や細い穴状の遺構を呼称する場合の総称である。一般的には、建物の柱穴などで想起される樹木の幹程度の大きさの穴を指すが、性格のわからない穴、直径1m程度の小さな土坑(どこう)もピットのカテゴリーに含んで呼ぶ場合がある。柱穴など用途が判明した場合は、そのピットのことを「柱穴」と呼んだり性格の判明した名称で呼ぶが、性格がはっきりしない穴はピットと包括的に呼称される。
なお、英語では、竪穴式住居のことをpit-dwellig,pithouseと呼ぶことから本来はかなりの規模までの穴を指す語であるが、日本では、直径1mを超える大きな穴は、土坑と包括的に総称する。ピットと土坑は、大きさに関して漠然と区別しており、井戸跡のような直径数mに及ぶ穴は、性格の判然としない場合に「土坑」と呼び、ピットとは呼ばれないのが普通である。
[編集] ピットと呼ばれる遺構
- 竪穴住居跡の柱穴
- 竪穴住居跡の内部に見られる柱穴以外の小さな穴
- 掘立柱建物跡の柱穴
- 直径1m程度の小さな土坑
- 柵列などを構成する小さな穴
- 建造物の一部と推察される小さな穴
- 性格の判明しない小さな穴
- 現場監督を行なっている調査員、調査担当者が作業員に指示する場合の用語。用途が判明しているが小さな穴のことを指す場合。
e.g.「そのピットを半分掘って(半裁して)ください。」「ピットの断面図を作ってください。」など。