ビオランテ
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ビオランテ (Biollante) は、日本の特撮映画『ゴジラvsビオランテ』に登場する架空の生物(怪獣)の名称。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
生物学者の白神源壱郎博士(高橋幸治)が北欧の神話の植物の聖霊の名前から命名したとされる(ただし、「北欧の神話に出てくる」であり、北欧神話にはビオランテという名はない)。バイオテクノロジーを表すBIOと、植物の英語PLANTを合わせた造語。
愛娘をG細胞(ゴジラ細胞)をめぐるテロ行為により失った白神博士は、娘の細胞だけでも生き永らえさせようと考え、薔薇に娘の細胞を融合させ育成を試みようとした…が、実験は失敗。薔薇(娘)は瀕死状態となってしまう。そこで博士は、自己再生能力の遺伝子を持ったG細胞を更に薔薇(娘)と融合させることによって、永遠の命を持つ植物を作り上げようと考えた。そして、ビオランテは誕生した。
当初はごく普通の薔薇と同じ姿だったが、次第にG細胞の影響が現れ始め、段々と巨大化し、怪獣化していく。その後、白神博士の研究所で抗核エネルギーバクテリアの資料を盗み出そうとしていた2人のアメリカ企業のバイオメジャー(架空)のエージェントとサラジア共和国(架空)のエージェントとの銃撃戦中にテロリストの1人を触手などで締付けて殺害し、その後、壁を突き破りどこかへ飛び出した。後に巨大化した姿で芦ノ湖に姿を現す。自らの分身に導かれるよう現れたゴジラと触手を駆使して戦うも、ゴジラの熱線により炎上し、一旦は黄金の粒子となって空に消滅する。
その後、ゴジラから受けた熱線のエネルギーにより、薔薇を巨大化したような植物型だった形態(この形態は「花獣形態」と呼ばれる)からワニのような巨大な頭部を持つより怪獣らしい姿になった形態(こちらは「植獣形態」と呼ばれる)に進化し、より凶暴化し若狭湾近くに現れ、再びゴジラと戦う。花獣形態の時より、触手や体重も増え、ゴジラ以上の巨体とそれを支える触手による攻撃を生かしてゴジラを追い詰めるが、口の中に熱線を放たれて致命傷を負い、最後は自らの意思で黄金の粒子となり、宇宙に消えた。同時にゴジラも自衛隊によって打ち込まれていた抗核エネルギーバクテリアの効果が現れて力を失い、海へと帰っていった。そのためこの勝負は『キングコング対ゴジラ』以来の「引き分け」となった。その後、ゴジラは一切の活動を停止しており、結局そのまま、後の『ゴジラvsキングギドラ』において未来人の計画によって消滅させられてしまう。
川北紘一特技監督によると、当初はビオランテの最期をアニメで描写し、ゴジラを飲み込んだあと、空へ消えていく設定であった(しかし、スタッフのほぼ全員がそのアニメを見てア然としているのを見て非常にガッカリしたため、設定を上記のように変更したと語っている)。
デザインは小林晋一郎、西川伸司による。ハリウッドのコメディー映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』(1986年)に出てくる植物「オードリー2」を意識したと思われ、形状が似ている。
植獣形態の基本デザインを担当した西川によると、デザインコンセプトのひとつとして「動物のパーツを植物的に構成する」ことがあったという。
- 植物型(花獣形態)
- 体長:85メートル
- 体重:6万~10万トン
- 怪獣型(植獣形態)
- 体長:120メートル
- 体重:20万トン
[編集] 関連項目
- ゴジラvsスペースゴジラ - 宇宙に消えたビオランテの細胞からスペースゴジラが誕生したとされている。そのため口元がどことなくビオランテの口元に酷似している。
- ウルトラマンネクサス - スペースビーストのラフレイアがビオランテと同じ武器を持っている。