バルタ市
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
バルタ市(バルタし、 Municipio Baruta)は、ベネズエラのミランダ州の市である。カラカス都市圏の一部でその南部に位置する。2001年の人口は26万0853人。
目次 |
[編集] 地理
ミランダ州の北部、カラカスの南部にある。北のチャカオ市やスクレ市との境がグアイレ川で、川沿いにカラカス盆地の南端がかかる。平地のラスメルセデスやチュアオには、国の機関や大企業の拠点が置かれ、リベルタドル市やチャカオ市には及ばないが首都機能の一部を担う。市議会はこの地域にある。
しかしバルタの本来の中心は、南のマンサナレス川沿いにあった。この「バルタ」地区に市役所が置かれている。バルタの東にあるラトリニダーに小さな盆地がある。その他の地域は起伏を繰り返す山地、丘陵地で、北部と中部が住宅地である。それより南では未だ宅地化が進まず、山が草木に覆われている。南部から細長く東に突き出る南東部は、スアピテ川の流域である。
- 川: グアイレ川、バルタ沢、ラグアイリタ沢、マンサナレス川 (ベネズエラ・ミランダ州)、ラボジェラ沢、スアピテ川。
[編集] 隣接する市
[編集] 構成する区
3区からなり、ヌエストラセニョラデルロサリオデバルタ区が市庁所在地である。
- エルカフェタル (El Cafetal)
- ラスミナスデバルタ区 (Las Minas de Baruta)
- ヌエストラセニョラデルロサリオデバルタ区 (Nuestra Señora del Rosario de Baruta)
[編集] 歴史
市の名は、植民地時代のカシケの一人バルタの名からとられた。1620年にアロンソ・アンドレア・デ・レデスマ (Alonso Andrea de Ledezma) がこの地にエンコミエンダを割り当てられたのが、バルタの村の始まりであった。1772年にバルタからエルアティジョが分離した。1823年の人口は2218人で、農村地帯であった。20世紀後半にカラカスの人口膨張によって開発が急速に進み、住宅地が造成され、市街地化した。
[編集] 政治
バルタ市長は、2000年から野党の正義第一のエンリケ・カプリレス・ラドンスキ (Henrique Capriles Radonski) が務めている。カプリレスは現職のまま2004年5月に逮捕された。2002年4月のクーデター未遂のときに、群衆を煽動してキューバ大使館を襲撃させたという容疑がかけられた。カプリレスは無実を主張したが、9月に公判がはじまるまで拘留されていた。裁判中のカプリレスは2004年10月に大差で再選した。
[編集] 交通
[編集] 公共交通機関
鉄道、地下鉄は通っていない。カラカスの地下鉄駅からは、メトロバスがバルタ行きとエルアティジョ行きのバスを運行している。カラカスの他の場所同様、民間のバスも多い。
[編集] 自動車道
- カラカスバルタ自動車道 (Autopista Caracas Baruta): バルタ、トリニダーから北に伸び、チャカオ市に連絡する。
- エルアティジョ自動車道 (Autopista El Hatillo): 西に伸びてエルアティジョ市に連絡する。