ハロゲンランプ
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ハロゲンランプ(Halogen Lamp)は、電球の一種。「ハロゲンバルブ」ともいう。電球内部に封入する窒素やアルゴン等の不活性ガスにハロゲン元素(主にヨウ素、臭素などが用いられる)を微量導入したものを指し、不活性ガスのみを封入する一般の白熱電球よりも明るい。店舗のダウンライトや、自動車等の前照灯(ヘッドライト)、ハンドライトなどに用いられる。用途により、片口金形、ミラー付、両口金形などの種類がある。
[編集] 原理
ハロゲンランプが光る原理は白熱電球と同じで、内部のフィラメントに通電し、これを白熱させた際の発光を利用する。一般の白熱電球より明るくなるのは、フィラメントが白熱する際の温度が高いためである。通常の白熱電球の場合に比べ、後述の理由によりフィラメントの温度を高く設定しても実用的な寿命を得ることができる。白熱電球の場合は、フィラメントの温度が2500℃~2650℃程度であるが、ハロゲンランプでは2700℃以上と高く、その分だけ明るくなる。光の色が白熱球で赤みを帯びているのに対し、ハロゲンランプでは白いのは、フィラメントの温度の差を表している。
[編集] ハロゲンの導入とそのフィラメント寿命延伸効果
フィラメントは、通常のガス入り白熱電球同様タングステンである。高温になり白熱するとタングステンが昇華する。しかし、ハロゲンランプでは、昇華してガラスに析出したタングステンがハロゲンと化合し「ハロゲン化タングステン」を形成する。この物質の蒸気圧は比較的高いので蒸発し再びフィラメント部に戻る。フィラメント近辺で1400℃以上になるとハロゲンとタングステンが分離し、タングステンがフィラメントに戻る。この一連の化学変化を「ハロゲンサイクル」と呼ぶ。この反応によりタングステンの蒸発によるフィラメントの折損が抑制されるため、一般の白熱電球に比べ50%程度明るい電球、あるいは約10倍といわれる長寿命の電球が実現できるようになった。
一般の白熱電球には自己再生能力はなく、昇華したタングステンは黒い粉となって電球内面に付着し、明るさを損なう一因となっている。劣化した白熱電球が黒く見えるのはそのためである。ハロゲンランプの場合、バルブ内面に附着したタングステンのハロゲン化と揮発を促進するため、電球内面が比較的高温(沃化タングステンで170℃以上、臭化タングステンでは250℃以上)になるよう設計されており、これもタングステンのフィラメントからの損失を防ぐとともに、電球内面の黒化を防いでいる。そのため、ハロゲンランプには、耐熱性を有する石英ガラスやセラミック材の口金が使用されている。
ガラスの温度が高く保たれるので、素手で触るとやけどをする。また、冷時においても素手で触ると手の皮脂がガラス面に残り、点灯時の高温で不透明に焼きついて明るさを損なってしまう。必ず、手袋をして扱うべきである。指紋が付いたときはアルコールで拭くなどして脱脂することが望ましい。