ハギ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ハギ | ||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
紅萩 |
||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||
|
||||||||||||||
種 | ||||||||||||||
|
ハギ(はぎ、萩、英:Bush clover, Japanese clover)とは、マメ科ハギ属の植物、落葉低木の総称。秋の七草の一つ。分布は種類にもよるが、日本のほぼ全域。古くから日本人に親しまれ、万葉集で最もよく詠まれる花でもある。別名:芽子・生芽(ハギ)。
目次 |
[編集] 特徴
数種あるが、いずれも比較的よく似た外見である。
背の低い落葉低木ではあるが、木本とは言い難い面もある。茎は木質化して固くなるが、年々太くなって伸びるようなことはなく、根本から新しい芽が毎年出る。直立せず、先端はややしだれる。
葉は3出複葉、秋に枝の先端から多数の花枝を出し、赤紫の花の房をつける。果実は種子を1つだけ含み、楕円形で扁平。
荒れ地に生えるパイオニア植物で、放牧地や山火事跡などに一面に生えることがある。
[編集] ハギの種類
代表的なものをあげる。
- ヤマハギ(学名 Lespedeza bicolor)
- キハギ(学名 L. buergeri)
- シラハギ(学名 L. japonica)
- ツクシハギ(学名 L. homoloba)
- マルバハギ(学名 L. cyrtobotrya)
- ミヤギノハギ(学名 L. thunbergii)
このほか、マメ科植物で、ハギの名を持ったものにはメドハギ・ヤブハギ・ヌスビトハギ・ネコハギなど多くのものがある。他に、ヒメハギはマメ科ではなく、ヒメハギ科に属するが、花の外見がややマメ科に似る。
[編集] 緑化資材
ハギは、マメ科植物特有の根粒菌との共生のおかげで、痩せた土地でも良く育つ特性がある。この特徴を買われ、古くから道路斜面、治山、砂防など現場で緑化資材として活用されている。現在では、ヤマハギ、メドハギの種子が、斜面緑化のための吹付資材として用いられている。
[編集] 民俗・文芸・音楽
- 民俗
- 月見:中秋の名月に萩・薄を月見団子と共に月に供える風習がある。萩も薄も、昔の日本では山野に自生する身近な植物であった。
- 文芸
- 音楽
- 『萩の露』(地歌・箏曲) 幾山検校作曲。幕末に京都で活躍した盲人音楽家幾山検校の代表曲。恋に破れ涙に暮れる自分を露の萩にたとえ、秋の風物を詠み込んだ「手事もの」曲。気品に満ちた名曲中の名曲として有名。
- 『萩桔梗』(端唄)
[編集] 都道府県の花に指定されている自治体
- 宮城県(ミヤギノハギ)