ハインツ・ホリガー
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ハインツ・ホリガー(Heinz Holliger, 1939年5月21日 - )はスイスのオーボエ奏者・指揮者、現代音楽の作曲家。
[編集] 経歴
ランゲンタール出身。ベルン音楽院とバーゼル音楽院で音楽教育を受ける。シャンドール・ヴェレシュと、ピエール・ブーレーズに作曲を師事。
オーボエや指揮であまりにも有名なせいでその作曲家や指揮者としての注目度は一般的にはあまり多くないが、自身の楽器であるオーボエのための作品はもとより、それ以外にも多くの優れた作品を書いている。
オーボエのソリストとして、1959年にジュネーヴやミュンヘン国際コンクールで首位を獲得。国際的に名声ある演奏家であり、献呈されたオーボエ作品も数多い。
演奏家としてのレパートリーは、バロック音楽から現代音楽にまでわたる。ホリガー木管アンサンブルを主宰し、主にバロック音楽を録音した。1966年より、ドイツのフライブルク音楽高等学校で教鞭を執っていた。また、ヨーロッパ室内管弦楽団を指揮してシェーンベルク作品集の録音も残している。ウルズラ夫人は著名なハープ奏者で、古楽器を用いたバロック音楽から、モダン・ハープによる近現代の音楽まで、広いレパートリーを持つ。
[編集] 作品総論
まずブーレーズからの影響を直で蒙り、「七つの歌」や「魔法の踊り手」のような作品は典型的に60年代の前衛イディオムを取り入れた秀作であった。しかし、彼は前衛イディオムの限界を早期に見極め「弦楽四重奏曲」や「オーボエソロの為の重音練習曲」では奏者の呼吸や非日常的な触感の追求へ向けられ、その頂点としては管弦楽の為の「呼吸の弓/Atembogen」が挙げられ、やがてベケットやヘルダーリンのテクストの音楽化がライフワークとなる。
長い年月をかけて書かれた「スカルダネッリ・ツィクルス」はホリガーの音楽美学の集大成といわれ、最高傑作と称えられ世界中で絶賛された。二種の全曲録音が残されている。また「塔の音楽」ではそれを引きずった保守性への回帰もみられる。
他に大規模な作品としてはチューリッヒの歌劇場で自分で指揮を取ったオペラ「白雪姫」などが挙げられ、ヨーロッパのテレビで何度も放送されている。
現在もいかなる潮流から眼を背け、独自路線の作風を築く態度に変わりはなく、ある意味では武満徹のような静的な世界の探求者である。比較的近年ではアンドラーシュ・シフのために作曲された「パルティータ」が、ホリガー久々のピアノ独奏作品と言うことで話題になった。種々の様式混合とともに、ピアノのキーを半分だけ下げるなどの「虚ろな音色」の使用が個性的に映る。