ドール
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ドールとは
- アジアの森林地帯に生息するイヌ科の動物。本稿ではこれについて記載する。
- アメリカの果実生産会社およびその日本法人。Dole Food Company, Inc.
- 人形を意味する英語 "doll" の音写。
- フランス、ジュラ県の都市。Dole
ドール | ||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Cuon alpinus (Pallas, 1811) | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Dhole |
ドール(Cuon alpinus )とは、ネコ目(食肉目)イヌ科の哺乳動物。別名はアカオオカミ。ドールのみで1属1種であり、生息地域ごとに10亜種ほどに分けられる。
体長1m前後。尾長50cm前後。赤褐色の体毛と長くふさふさとした尾が特徴。
アジアの森林地帯に生息し、分布域はロシア東部、中国、中央アジア、マレーシアやスマトラ島、ジャワ島などの東南アジア、インドなど広い地域に及ぶが、日本列島には生息しない。
常時10頭ほどの群で生活し、他の群れと合同して40頭ほどが集まって生活することもある。サンバーやジャコウジカ、ニルガイなどシカ類やレイヨウ、イノシシを捕食し、多数が集まっているときはヒョウやトラさえも攻撃することがある。
リカオンと同様に、群れの中では最上位の雌のみが繁殖する。
野生種は絶滅が心配されており、ワシントン条約では附属書IIに分類されている。 東京都がズーストック種に指定し、動物園での繁殖に取り組んでいる。
[編集] 名称などについて
ドールの中国語名は「豺(chái、チャイ)」で、「豺」の字は日本語では音読みでは「さい」、訓読みでは「やまいぬ」である。ヤマイヌはニホンオオカミの別名とされるが、ドールとオオカミは同じイヌ科動物ながら別属であり、ニホンオオカミとは関係がない。また、現在日本で出版される中日辞典では、「豺」の訳が「ヤマイヌ」となっているが、正確にはドールである。中国語で「豺」はジャッカルを意味することもある。
また、日本語訳ではやまいぬと訳されているが、ラドヤード・キップリング作の『ジャングルブック』にもドールが登場する。
朝鮮語(韓国語)の「ヌクテ」は一般にオオカミの意とされるが、オオカミだけでなく、オオカミとドールの両方を指す語である。
西遊記の朱紫国の妖仙の賽太歳の前身は、観世音菩薩が乗用する金毛毛孔であった。實吉達郎の『世界の怪動物99の謎』によるとこの毛孔(こう)はドールである可能性が示唆されている。この金毛毛孔は『封神演義』では金光仙という通天教主の高弟として万仙陣の戦いで慈航道人に破れ正体をあらわし観世音菩薩の乗用獣になったという。
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