ドラゴンアームズ バハムートハウリング
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ドラゴンアームズ バハムートハウリングは、F.E.A.Rが制作した日本のロボットテーブルトークRPG(TRPG) 。2001年に書籍版で発売された。デザイナーは久保田悠羅/山本剛。
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[編集] 概要
古代文明によって造られたバハムート遺跡内にある水晶体「エーテルチャンバー」の発動により「雷力」と呼ばれるエネルギーを手に入れて高度な機械文明が発展したアルビオン大陸。しかし竜暦2000年に謎の機械生命体「MIST」の襲来により人類は大陸の9割と人口の大半を失った。 そしてMISTの大群がバハムート遺跡に迫ったその時、遺跡は全長3.5キロメートルの巨大飛行戦艦としてよみがえる。 PCたちは人類の最後の希望である戦艦バハムートの乗員の1人としてMISTと戦う事になる。
[編集] システム
以下の記述は基本的な説明に限定しています。実際にプレイするためには正規のルールブック等が必要です。
システムはクラス制を用いている。
[編集] 行為判定
行為判定は対応する能力値の個数までの6面ダイスを振り、目標値以下の目が出た数によって判定される。
[編集] キャラクター作成
キャラクターは以下の手順により作成される。
- クラス・出身の決定 - まずPCは以下のクラスより1つを選び、更に出身より1つを選ぶ。これにより能力値、感情、特徴、特技及び装備が決定される。なお、出身によってクラスが制限される。
- キャラクターパックの選択 - 次にキャラクターパックを一覧から3つ選択する。これによりキャラクターの特殊な才能や過去の経歴が決定され、選んだパックによって更に能力値、特徴、特技が追加される。
- ボーナスポイントの消費 - 与えられたボーナスポイントを3点消費する。1ポイントにつき、以下の効果が得られる。ただし同じ対象を複数選択できない。
- 任意の能力値の1点上昇
- 任意の特徴を1つ取得
- 任意の特徴のレベルを1レベル上昇
- 任意の特技を1つ取得
- 性格の変更 - 出身にり決定された性格値を1つ変動する事ができる。
- 副能力値の決定 - ここまでで決定された能力値を基にHP(体力値)、IP(最大行動力)、RP(回復行動力)を算出する。
- ODEの取得 - ODE(オーバードライブエフェクト)と呼ばれる特殊能力を一覧より3つ選択する。ODEは戦闘以外のシーンで行われる感情行動に伴って蓄積される「エーテリック」と呼ばれる値を消費することによって発動する。
- パーソナルデータの設定 - キャラクター名、性別、年齢等を決定する。
[編集] ドラゴンアームズ及びエアアサルトの取得
キャラクターは取得した特徴によりドラゴンアームズもしくはエアアサルトを取得する。これらは一覧から選択するか、もしくは作成データから装備を選択して機体を作成することになる。作成の手順は以下のとおりとなる。
- シュナイダーフレームもしくは機体の選択 - ドラゴンアームズの場合は骨格となるシュナイダーフレーム、エアアサルトの場合は機種を一覧から選択する。ただし、シュナイダーフレームは開発国が設定されており、出身が国家である場合は出身国からしか選択できない。
- エクステンションの選択 - 追加パーツであるエクステンションを選択する。ドラゴンアームズの場合は頭部・胴部・右腕部・左腕部・脚部・全身毎のそれぞれの一覧から、エアアサルトの場合はエアアサルト用から選択する。ただしエクステンションにはレベル・開発国・使用キャパシティが設定されており、出身・特徴によって選択可能なエクステンドが左右される。また、シュナイダーフレーム及びエアアサルトには最大キャパシティ値及び各部位毎の装備可能個数が設定されているため、装備エクステンションの部位別個数と全エクステンションのキャパシティ値の合計は設定値を超えることが出来ない。
[編集] 世界設定
[編集] クラス
- 天剣士(ハイランダー)
- 大騎士(アークナイト)
- 機甲士(ガンブレイド)
- 魔導士(ソーサラー)
- 幻操士(オペレーター)
- 魔導騎士(ウォーロック)
- 魔創士(ミューズ)
- 聖騎剣士(シュヴァリエ)
[編集] 出身
- エクスタリア王国
- ヴァイツグラード帝国
- ローマディア法国
- アルトクラン王国
- カレドア連邦
- A.R.K
- 傭兵団ナーガロンド
- オーバード騎士団
[編集] 『エルジェネシス』との関係
このゲームは、もともとはF.E.A.Rが制作した『エルジェネシス』シリーズのサプリメントとして企画されたものである。 (『エルジェネシス』シリーズのあとがきには、「次はロボットもののサプリを予定している」などという記述もある)
それが諸事情により単独タイトルとして発売されることになったのだが、デザイナーサイドでは裏設定レベルで『エルジェネシス』の世界との繋がりは意識しているらしく、ゲーマーズ・フィールド誌のサポート記事では、ドラゴンアームズの世界がエルジェネシスの世界の遠未来である可能性が示唆されたこともある。 ただしこれらはあくまで「裏設定」であり、実際に二つのゲームの繋がりをユーザーが意識できる部分は少ない。
なお、判定システムについては『エルジェネシス』をそのまま継承しており、二つのゲームの関連性を伺い知ることができる。
このように、裏設定としてゲーム同士がつながっている「製作側のお遊び」の例としては、他にもシャドウランとアースドーンの関係などが知られている。
[編集] 作品一覧
- 基本ルール
- 『ドラゴンアームズ バハムートハウリング』 ISBN 4-7577-0582-4
- サプリメント
- 『ナイトウィングス』 ISBN 4-907792-43-3
- 小説
- 『ドラゴンアームズ 光翼の黒騎士』(ファミ通文庫 山本剛著) ISBN 4-7577-0574-3