トリアージ
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トリアージ(Triage)は、災害医療における多数の傷病者を重症度と緊急性によって分別する方法。
語源はフランス語の「triage(選択)」から来ている。
「トリアージ」は災害医療等において大事故、大規模災害など多数の傷病者が発生した際においての救命の順序を決めるために従って標準化されて分類されている。
「トリアージ」は一般的に直接救命に関与しない医師が行うとされており、可能な限り何回も繰り返して行うことが奨励されている。
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[編集] 判定基準
大まかに以下の要件で判定される。
- 総傷病者数
- 医療機関の許容量
- 搬送能力
- 重症度・予後
- 現場での応急処置
- 治療に要するまでの時間
[編集] 判定分類
判定結果は4色のカードで表示して一般的に傷病者の右手首に取り付ける。
- 黒(Black Tag)カテゴリー0
- 死亡、もしくは現状では救命不可能とされるもの。
- 赤(Red Tag)カテゴリーI
- 生命に関わる重篤な状態で、救命の可能性があるもの。
- 黄(Yellow Tag)カテゴリーII
- 生命に関わる重篤な状態ではないが、搬送が必要なもの。
- 緑(Green Tag)カテゴリーIII
- 救急での搬送の必要がない軽症なもの。
搬送や救命処置の優先順位はI→II→III→0となる。
[編集] START法
救助者に対し傷病者の数が特に多い場合に対し、判定基準を出来るだけ客観的かつ簡素にした物がSTART法(Simple triage and rapid treatment)である。具体的には以下のようになる。
- 歩けるか?
小規模の災害なら赤になる例でもSTART法では黒になってしまう事が多くなるが、これは(現場に混乱を来してしまうほどの)大規模災害のために考え出されたものである。また、この方式は腹膜刺激症状やクラッシュ症候群などの病態を無視しており、追って詳細な状態観察とトリアージが継続される事を前提としている。
[編集] 議論
傷病者多数の場合は、できる限り多くの人命を救助するため、救命の見込みがない傷病者を切り捨てざるを得ないという側面がある。また、苦痛を訴える体力のない重傷者より軽傷者の方が訴え自体は激しいため、重傷度の迅速な判定が重要となる。
[編集] 関連
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