デュランダル (兵器)
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BLU-107 デュランダルは、フランスのマトラ社(現在のEADS傘下のMBDA社)が開発した滑走路破壊用特殊爆弾。フランス以外にもイスラエル、アメリカなど世界各国で採用された。名前の由来は、『ローランの歌』の主人公ローランの持つ剣『デュランダル』から命名された。
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[編集] 概要
デュランダルは低高度からの投下を前提に設計されており、投下するとパラシュートを開く。標的の滑走路や誘導路に対して垂直の姿勢をとった段階でパラシュートを切り離し、固体ロケットモーターに点火して勢いをつけ、滑走路に突入する。この特殊爆弾は滑走路下の地中に突き刺さった時点で爆発する。その結果として大きく修復困難なクレーターを滑走路に造り、固定翼機の離着陸を不可能にし、航空基地の機能を麻痺させ、同基地に配備されていた航空部隊を無力化する(クレーターの大きさは滑走路の状態によるが、深さ5m×直径16mに達する)。
[編集] 実戦投入
- 第三次中東戦争(六日戦争)
- 1967年6月5日の先制攻撃の際に、イスラエル空軍の第一次攻撃隊がエジプト、シリア、ヨルダン、イラクの空軍基地に対する奇襲で使用して滑走路を破壊し、アラブ諸国の空軍の戦闘機(MiG-17フレスコ、MiG-19ファーマー、MiG-21フィッシュベッド、Su-7フィッター、ホーカー・ハンター)や爆撃機(Il-28ビーグル、Tu-16バジャ-)の半数近くを、離陸不可能になったところを機銃掃射や第二次以降の攻撃隊の無誘導爆弾やナパーム弾で破壊し、自軍の制空権を確固たるものとした。
[編集] 要目
- 全長:2.5m
- 直径:223㎜
- 全重量:204㎏
- 弾頭:150㎏の高性能爆薬