テトラコルド
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テトラコルド(ギリシャ語で「4つの弦」の意)は、4つの音による音列のことである。現代では特に音階・旋法の理論で重要な意味を持っている。
リラと呼ばれる古代ギリシャの竪琴に由来する概念である。この楽器には4本の弦が張られ、それぞれの弦は、最低音と最高音が完全四度の音程を為すように調律され、その間に張られた2本の弦は完全四度の音程内の適当な音に調律されていた。このことから、主に完全四度とその間の2つの音を合わせた4つ音のことを示す概念として使用されることが多い。
現代の音楽理論では、「ド-ファの完全四度とソ-ドの完全四度の枠を予め用意した中に、それぞれ適当なテトラコルドを挿入することによって七音音階ができる」という文脈で使用されることが多い。すなわち、「ド○○ファソ○○ド」の○に適当な音を挿入すればよい、といった意味である。たとえば、長音階「ドレミファソラシド」は、テトラコルド「ドレミファ」と「ソラシド」を積み重ねたものである。
この概念の拡張例として、小泉文夫による日本の旋法の理論がある。この理論においては、完全四度の枠内に挿入される音の数は、通常の2音ではなく1音とされる。すなわち、「ド○ファソ○ド」の○に適当な音を挿入すればよい。たとえば、沖縄音階「ドミファソシド」は、擬似テトラコルド「ドミファ」と「ソシド」を積み重ねたものとして理解することができる、などと説明される。