ツイン・ピークス
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『ツイン・ピークス』(Twin Peaks) は1990年 - 1991年にかけてアメリカ合衆国で放映されたテレビドラマシリーズ(序章+本編29話)である。
デイヴィッド・リンチが製作総指揮と監督、出演もしている。脚本はマーク・フロスト。ダイアン・キートンやスティーヴン・ギレンホール(ジェイクとマギーの父親)も一部監督を務めている。テレビドラマとしては異例のゴールデングローブ賞を3部門受賞、エミー賞では30部門にノミネートされ、6部門で受賞。
1991年冬に、パイロット版以前の事件を描いた映画『ツイン・ピークス〜ローラ・パーマー最期の7日間』が公開された。
目次 |
[編集] キャスト
- デイル・クーパー FBI特別捜査官…カイル・マクラクラン
- ジョスリン・“ジョシー”・パッカード…ジョアン・チェン
- ローラ・パーマー…シェリル・リー
- オードリー・ホーン…シェリリン・フェン
- キャサリン・マーテル…パイパー・ローリー
- ドナ・ヘイワード…ララ・フリン・ボイル
- シェリー・ジョンソン…メッチェン・アミック
- ハリー・S・トルーマン…マイケル・オントキーン
- ベンジャミン・ホーン…リチャード・ベイマー
デイヴィッド・ドゥカヴニー、ビリー・ゼイン、ヘザー・グラハムなども出演していた。
[編集] あらすじ
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
アメリカ北西部の田舎町ツイン・ピークス。犯罪とはおよそ無縁なこの町で、学園祭の女王で町一番の人気者だった17歳の少女ローラ・パーマーの遺体が、ビニールに包まれ湖畔で発見される。同じ頃、州境を越えた線路の上で、別の少女ロネット・ポラスキーが極度の緊張状態で歩いているところを保護される。州をまたがる犯罪のおそれがあるためFBIが介入、特別捜査官デイル・クーパーが町を訪れる。クーパーはローラの爪の下に「R」とタイプされた紙片が入れられているのを発見し、一年前に近くの町ディア・メドウで少女の命を奪った殺人者と同一犯であり、紙片は犯人の「名刺」がわりだと悟る。
その後の調査でクーパーは、ローラの性格と交友関係は見かけどおりではなく、町の住人たちが抱いている健全なイメージとはかけ離れていたという確信を急速に強めていく。一方、彼女を取り巻くツイン・ピークスの住人たちも、事件をきっかけに裏の顔を覗かせはじめる……。
[編集] 補足
日本、アメリカ共に大ブームを呼んだが(パイロット版の視聴率が21.7%、占拠率が33%)、物語後半には登場人物が増えすぎ、リンチ自身も出演するなど、計算されていた前半部分よりも物語は精彩を欠いていく。そのため視聴率は低迷、製作側がリンチ監督に突然製作打ち切りを通告。これに腹を立てたリンチ監督が続きを作れないような終わり方をしたという最終回には、賛否両論がある(リンチ作品全般に見られる、不可解な物語の終了)。その後リンチは再びフロストとともに放送業界の裏側を描いた『オン・ジ・エアー (On The Air)』というTVドラマを制作するも、不人気からワンシーズンで打ち切りとなった。
撮影中リンチは臨機応変あるいは場当たり的な配役や演出を取り入れている。
- 当初シェリル・リーは死体役としてオーディションを受けたが、リンチに演技力を認められマデリーン役として再出演することになった。また、写真立てに入った学園祭時のローラの写真はシェリルの私物で、実際の大学祭用写真がそのままドラマに使われた。
- 作中で重要な存在であるキラー・ボブ役のフランク・シリングは撮影当初は大道具のスタッフとして参加していた。オープニングで見られる「ツイン・ピークス」の看板を道路脇に打ち立てたのも彼である。リンチの目に留まり、出演することになった。フランクは1995年心臓発作のため、46歳で死去。
- 当時俳優志望だったハリー・ゴアスはリムジンの運転手をしていたが、たまたま乗り込んだリンチがアンディ役に抜擢した。
- そのほか、照明の調子が悪いことをそのままフリッカー現象として使用したり、鹿の首飾りを壁からはずして机に置いたりと、リンチは場当たり的な演出も多く入れている。
当時、カイル・マクラクランはララ・フリン・ボイルと交際していたようで、デート風景が度々目撃されていた。
1991年にツイン・ピークス公式カレンダーが発売予定になったのだが、1990年12月に発売された成人雑誌PLAYBOYで、オードリー役のシェリリン・フェンがヌードを披露したため、お蔵入りとなった。
日本ブームにはWOWOWでの放送が大きく影響を与え、当時チェリーパイが流行したり、ロケ地のワシントン州スノカルミー (Snoqualmie) 周辺を回るツアーなども実施された。
現在、パイロット版とファースト・シーズン(エピソード1から7)が、5.1chサラウンドで収録された4枚組のDVD-BOXとして、『ツイン・ピークス〜ローラ・パーマー最期の7日間』が単独でDVD化されている。DVD-BOXはローラ事件完結までの物語を描き切れていていないが、その後(セカンド・シーズン以降、エピソード8から29)のDVD化の予定は立っていない。
ツイン・ピークスの前編にあたる新作『With a Thousand Angels』という映画はリンチから許可を得られず制作には至らなかったが、フロストはクーパー捜査官をカイル・マクラクランのままで、続編を制作しようという計画もある。