チューク諸島
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チューク諸島(Chuuk Islands)は西太平洋、カロリン諸島の島。およそ250(正確には248)もの島々からなる世界最大級の堡礁であり、現在ミクロネシア連邦のチューク州に属する。かつてはトラック諸島(Truk Islands)と呼ばれ、スペイン、ドイツの植民地を経て、第一次世界大戦後に大日本帝国の委任統治領となった。 主要な言語はチューク語。
地理的要件から、日本海軍の一大拠点が建設された。太平洋戦争中の1944年2月17日・18日にアメリカ機動部隊の大規模な空襲を受け(トラック島空襲)、実質的に軍事基地としての機能を喪失したが、飛び石作戦を取っていた米軍は上陸せず、終戦まで日本の支配下にあった。ただしマリアナ諸島陥落後は補給を断たれ、駐留部隊は自給自足を強いられた。
現在でも各地に旧日本軍基地の跡が残り、空襲で沈んだ艦船はダイビングスポットになっている。
2006年時点で36人の酋長がおり、毎日オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)所属の元プロ野球選手の故・相沢進(2006年5月死去)が酋長会議の議長を務めていた。
環礁内は航空母艦が全速航行しながら艦上機を発艦させられるほどの広さがあり、散在する島々には日本語の名前が付けられていた。主な島は次の通り(カッコ内は現在の島名)。
- 四季諸島
- 春島(ウエノ島またはモエン島)
- チューク州の中心地。日本統治時代に作られた飛行場が今も使われている。
- 夏島(トノアス島またはデュブロン島)
- 日本統治時代の中心地。飛行場もあった。
- 秋島(フェファン島)
- 冬島(ウマン島)
- 春島(ウエノ島またはモエン島)
- 七曜諸島(ファイチュック諸島)
- 日曜島
- 月曜島(ウドット島)
- 火曜島(ファラベケット島)
- 水曜島(トル島)
- 環礁内で最大の島。
- 木曜島(パタ島)
- 金曜島(ポレ島)
- 土曜島
- 外縁部の堡礁群
- 子島
- 丑島
- 寅島
- 卯島
- 辰島
- 巳島
- 午島
- 未島
- 日本軍の対空砲台があった。
- 申島
- 酉島
- 戌島
- 亥島
- 瀬戸島
- 皿島
- 花島
- 宇治島
- 橘島
- 南島
- 八幡島
- 北島
- その他
- 松島
- 竹島(エテン島)
- 日本軍の飛行場があった。
- 楓島
- 日本軍の飛行場があった。
- 椿島
- 薄島
- 櫻島
- 小櫻島
- 芙蓉島
- 増島
- 前島
- 婚島(ジープ島)
礁湖と外海を結ぶ水道(水路)はそれぞれ次のように呼ばれていた。
- 北水道
- 丑島水道
- エバリッテ水道
- 寅島水道
- 北東水道
- 皿島水道
- 花島水道
- 小田島水道
- 南水道
- 西水道
このうち、大型艦船の航行に適していたのはエバリッテ水道、北東水道、南水道である。