チャイルドシート
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チャイルドシート(Child seat)とは、幼児を自動車に乗車させる際、安全を確保するため身体を座席に固定する装置。法規上は幼児用補助装置と呼ぶ。2000年4月1日に改正された道路交通法(第71条の3第4項)により、運転者が6歳未満の幼児を自動車に乗車させる場合に使用が義務付けられている。違反の場合は行政処分の基礎点数が1点付加される。
衝突時の安全確保だけではなく、幼児や学童の場合は車内で暴れるなどして運転の妨げになることがあるので、安全運転のためにも装着が必要である。
チャイルドシートの普及により、それより前から存在していて、名称が統一されていない自転車に取り付ける子供用の座席も、チャイルドシートとも呼ぶようになった。アメリカ合衆国などでは、チャイルド・セーフティシート(Child safety seat)という。
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[編集] 種類
対象者の体格に合わせて次のような種類がある。(実際の製品は、必ずしもこの種類に添って作られているわけではない。)2005年現在、乳児用と幼児用を兼用するタイプが増加しつつある。
- 乳児用: 主に首が座っていない乳児(10kg未満、0~12ヶ月程度)に用いられるもの。ベビーシートと言い換えることも多い。横向きまたは後向きの姿勢で使用。前向きのシートは、衝突時の衝撃により首に極度の負担がかかるため、禁物である。また、後ろ向きで助手席側に装着する場合、交通事故時のエアバッグの展開により頭部に負担をかける恐れがあることから、説明書を良く読みエアバッグのスイッチを切るか、後部座席に移すなどの措置が必要である。
座席の形状と装着する空間の関係上、横向きは平面のベッド型、後向きは斜め45度の抱っこ型となる。横向きか後向きの一方を推奨するチャイルドシート会社が他方の欠点を指摘しあっている。つまり、後向きシートでは追突事故の際に乳児の頭が強く揺さぶられ且つ頭の重量で気道を圧迫するとの主張がある一方で、前面衝突ではその衝撃を背中全体で受け止めることが出来、且つ抱っこしているのと同じ姿勢であり最も気道を圧迫しないという主張がある。横向きシートは、腹式呼吸を妨げずまた頭の重みによる気道の圧迫がないとする主張があるが、後ろ向きシートとの比較研究の結果差が生じなかったという報告もある。
※米国では原則後向きにすることが義務づけられており、横向き(ベッド型)のシートは未熟児や低体重児などで呼吸障害を起こす可能性がある場合のみ特殊用途として認められている。これは、後向きの方が安全であるという見地からであるが、チャイルドシートの本義は衝突時の子供の安全確保であり、当然の措置といえる。(子供の安全ネットワーク・ジャパンを参照。)
- 幼児用: 首が座った幼児(9~18kg、100cm以下)用のもの。底部は高く、頭部までを支える大型の背もたれと、両サイドを支えるサイドサポートがある。前向きに着席させて使用。
- 学童用: 学童(15~36kg、135cm以下)用のもの。底部は低く、背もたれは小さい。座高を高くして、学童が自動車備え付けの3点式シートベルトを使用するのを容易にする。6歳以上であれば使用義務は無いが、安全確保のために用いられる。
この他に、自動車の座席に組み込まれた製品などもある。
[編集] 選び方のヒント
- 体格に合わせて適切な種類を選択する。
- 自動車のシートの形状に合うものを選択する。メーカーから適合表が用意されている。取り付けが容易であることが望ましい。
- 価格と安全性能は比例しない。価格が安くても運輸大臣(国土交通大臣)による技術基準を満たしていれば、一定の安全性は確保されている。
- 自治体や各種団体による補助金、無料貸出、リサイクルなどの制度が設けられている。
- チャイルドシート専用の保険がある。
- チャイルドシートにはISO-FIXという国際標準化機構が定めた固定方式の基準がある。これは誤使用を防止し、車両との適合性を向上させるものである。チャイルドシート側のコネクタ(金具)と車両にあるバーを噛み合わせる事により、固定させる。
[編集] 使用義務の免除
次の場合は道路交通法の使用義務が免除される。
- 乗車人数より座席の数が少なく、チャイルドシートを固定できない場合。
- 負傷、障害、著しい肥満など、身体の状態により適切に使用できない場合。
- 授乳などチャイルドシートを使用できない日常生活上の世話を行う場合。
- タクシーなどの旅客運送、幼児送迎用バスなど。
- ケガや病気などで、緊急に搬送する必要がある場合。