チャイナドレス
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チャイナドレス(旗袍)は、満州民族の民族服が元に成っている中国風のドレス。現在着られているチャイナドレスは中華民国時代に旧来の旗袍のデコレーションを洋服に適用したもので、いわゆる伝統的な民族衣装とは言いがたい。また、深いスリットやボディラインを強調した一部のデザインは実際の中国または華僑社会の女性の日常服に採用されたことはない。
[編集] 定義
高襟、スリット、装飾用ボタンの3つの特徴を備えたものをチャイナドレスと呼ぶ。
生地は絹、麻、羊毛、化学繊維等多岐にわたる。
図柄は一般的に縁起の良い動物や文字などを図案化したものが用いられる。(例:寿、福、龍、孔雀、鳳凰等)
[編集] 語源
清の時代、満州民族・蒙古民族の武士階級は旗人と呼ばれた。元々彼らが身につける服であった為、「旗人の着る長い上着」から旗袍(チーパオ)と呼ばれるようになった。
[編集] 歴史
清の時代に女性貴族の間では、正装として旗人の帽子(旗頭)、服(旗袍)、靴(旗鞋)を身につけていた。
ちなみに旗頭は六角形の形をした人の頭ほどもある飾り物の帽子、旗鞋は10センチ程のヒールのついたラッパ形の靴である。
一般庶民には結婚用の衣装として同時期に流行しはじめている。 辛亥革命後、半袖やノースリーブといったものや、丈の短いチャイナドレスなども登場し始め、ファッションとして注目を集めるようになった。中華民国時代にはもはや結婚衣裳としてではなく、普段のカジュアルな服装として上着とスカート(あるいはズボン)といったツーピースタイプなども登場した。また、女性の就学率が向上するにつれ、上海の女子学生の制服として採用されたりもするようになった。もともとスリットは騎乗のためであるが、この頃から花柳界の女性が着用して脚線美を強調するものになり、過度なスリットも現れた。