ダイドー級軽巡洋艦
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ダイドー級軽巡洋艦( - きゅう けいじゅんようかん、Dido class Light Cruisers)とはイギリス海軍が建造した軽巡洋艦の艦級。第二次世界大戦中、アメリカ海軍のアトランタに先立って防空巡洋艦として世界で最初に建造された。
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[編集] 概要
1930年代から急速に発達した航空機が艦船の脅威となることを予見したイギリス海軍は、旧式のC型軽巡洋艦の武装を4インチ高角砲に変更することで防空艦に改装させ、各国海軍の興味を引いた。イギリス海軍はこれに続いて、対艦対空の双方に対応できる強力な両用砲を装備した条約型の軽巡洋艦の新造を計画した。
1937年から建造が始まり、1940年、3ヶ月後に竣工するキングジョージV世級戦艦の副砲と同じ50口径5.25インチ(133mm)両用砲を装備したダイドーが竣工した。1942年までに11隻が建造されたが、5.25インチ両用砲が4基であったり5基であったりと建造された時期や後の改装で艦によって装備は異なる。
ダイドー級は主に地中海艦隊に配属された。このうち、マルタ島攻防戦の過程でボナヴェンチャーがイタリア海軍潜水艦に、ハーマイオニーがドイツ海軍潜水艦に撃沈された。生産の遅れや連射能力など5.25インチ両用砲に対する酷評もあるが、空襲の脅威にさらされる艦隊において重要な防空艦として地中海以外にも様々な海域に派遣された。後に防空能力を改善するため、主砲を撤去して機銃を増設するなど改装に受けた姉妹艦もある。
大戦が終結するまで、ボナヴェンチャーとハーマイオニー以外にもカリブディス、ナイアド、スキュラが沈没した。戦後も運用が続けられ、全艦が退役したのは1960年代であった。
[編集] 性能諸元
諸元
- 基準排水量:5,700~5,900トン
- 満載排水量:6,900~7,600トン
- 全長:512フィート(156 m)
- 全幅:50フィート 6インチ(15.4 m)
- 吃水:14フィート(4.3 m)
- 乗員:480名
性能
- 機関:アドミラリティ3円筒ボイラー4基、パーソンズ・ギアード・タービン4基、4軸推進
- 出力:62,000 shp(46 MW)
- 速度:最大 32.25ノット
- 燃料;最大 1,100トン
- 航続距離
- 30ノット時:2,414 km(1,500マイル)
- 16ノット時:6,824km(4,240マイル)
武装
- 設計時
- 5.25インチ(133 mm)連装砲 5基10門
- 2ポンド(40 mm)4連装ポムポム砲 2基
- 0.5インチ(12.7 mm)ヴィッカーズ4連装機関銃 2基
- 21インチ(533 mm)3連装魚雷発射管 2基
[編集] 同型艦
- 第1グループ(The first group)
- ボナヴェンチャー(HMS Bonaventure)
- ダイドー(HMS Dido)
- フェーベ(HMS Phoebe)
- 第2グループ(The second group)
- ナイアド(HMS Naiad)
- ハーマイオニー(HMS Hermione)
- エウリャルス(HMS Euryalus)
- クレオパトラ(HMS Cleopatra)
- シリアス(HMS Sirius)
- アルゴノート(HMS Argonaut)
- 第3グループ(The third group)
- カリブディス(HMS Charybdis)
- スキュラ(HMS Scylla)
- 準同型ベローナ級軽巡洋艦(改ダイドー型)
- ベローナ(HMS Bellona)
- スパルタン(HMS Spartan)
- ロイヤリスト(HMS Royalist)
- ブラック・プリンス(HMS Black Prince)
- ダイアデム(HMS Diadem)
[編集] 関連項目
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