ターミネーター (映画)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ターミネーター The Terminator |
|
監督 | ジェームズ・キャメロン |
---|---|
製作総指揮 | ジョン・デイリー デレク・ギブソン |
製作 | ゲイル・アン・ハード |
脚本 | ジェームズ・キャメロン ゲイル・アン・ハード |
出演者 | アーノルド・シュワルツェネッガー リンダ・ハミルトン マイケル・ビーン |
音楽 | ブラッド・フィーデル |
撮影 | アダム・グリーンベルグ |
公開 | 1984年10月26日(アメリカ) 1985年5月25日(日本) |
上映時間 | 108分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
制作費 | 640万ドル |
次作 | ターミネーター2 |
キネ旬DB | |
IMDb | |
(■テンプレート/■ノート) |
ターミネーター(原題 The Terminator)は、1984年のアメリカ映画。
ボディビル出身の俳優アーノルド・シュワルツェネッガーを一躍スターダムに押し上げ、シリーズ化されたSF映画として知られる。オライオン=ワーナー配給。
ジェームズ・キャメロン監督の出世作として知られるが、公開前は低予算のB級映画とみなされ、まったく注目されていなかった事実も特徴的である。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] あらすじ
1984年、アメリカ・ロサンゼルス。サラ・コナーという名の女性たちが次々に殺される猟奇殺人事件が起こっていた。 犯人は、サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)を探して、西暦2029年の未来から『スカイネット』と呼ばれる軍事用コンピューターに送り込まれたT-800という型のアンドロイド、通称「ターミネーター」だった。その構造はと言うと、いくつものの金属を掛け合わせた超合金の骨格の上に、人間と全く同じ生体細胞で覆った人間そっくりの殺人マシーンである。 同じ頃、カイル・リースという男性兵士がサラの護衛という使命を帯びて未来から送り込まれる。サラの命が狙われる理由は、2029年にやがて起こる機械と人間の最終戦争にて、機械軍に対する抵抗軍の指導者にサラの息子、ジョン・コナーが選ばれることになっていたからである。 カイルはT-800からサラを守るうちにお互いに恋心を抱くようになり、カイルとサラは激しい愛を交わし、そこでジョンを授かる。 その後、カイルとT-800は激しい戦闘を繰り広げ、偶然にも、燃料タンクを積んだトラックにカイルは手製の爆弾を放り込み、それが着火し爆破炎上、同時にターミネーターも炎上させる事に成功する。だが、燃えたのは表面の細胞だけであった。超合金の骨格だけになったターミネーターが不気味に起き上がり、二人に襲い掛かる。サラが初めて見るそのターミネーターの真の姿はカイルの語る未来を何よりも恐ろしいほど強く語りかけてくるようだった。二人はとある工場に逃げ込み、T-800との戦いの途中にカイルは死亡。サラは悲嘆に暮れるが、直後に、カイルが死の間際に放り込んだ爆弾で両足を失ったターミネーターが再びサラに襲い掛かる。サラは足に怪我を負いながらも、必死に逃げ込みプレス機を潜り抜けた直後にそのスイッチを作動させ、遂にT-800を押し潰して破壊する事に成功し、間一髪命の危機から逃れられたのであった。 それから数週間が経ち、サラはカイルの残した言葉と未来に訪れる「審判の日」を思い浮かべていた。 それは1997年8月29日に核戦争が始まり、30億もの人命が失われること、そして人間と機械との戦争が始まるとこと、その戦争を彼女の息子ジョンが勝利に導くという事実。そして未来のジョンが己の母親であるサラに宛てたメッセージであった。
「NO FATE(運命ではない)」。この言葉を胸にサラは新たな戦いに挑む事を決意した。
[編集] スタッフ
- 監督:ジェームズ・キャメロン
- 製作 :ゲイル・アン・ハード
- 製作総指揮:ジョン・デイリー、デレク・ギブソン
- 脚本:ジェームズ・キャメロン、ゲイル・アン・ハード
- 撮影:アダム・グリーンベルグ
- 音楽:ブラッド・フィーデル
- SFX:スタン・ウィンストン、Fantasy 2 Film Effects
- 提供:ヘムデイルフィルムコーポレーション、シネマ84、ユーロフィルムファンド、パシフィックウェスタン
[編集] キャスト
- T-800 …… アーノルド・シュワルツェネッガー(タイトル・ロール)(玄田哲章)テレビ版(大友龍三郎)
- サラ・コナー (Sarah Connor) …… リンダ・ハミルトン(佐々木優子)
- カイル・リース (Kyle Reese) …… マイケル・ビーン(宮本充)
- シルバーマン医師 (Dr.Peter Silberman) …… アール・ボーン
[編集] 日本語吹替
[編集] 続編
[編集] その他
- キャメロン監督は本作の構想について、当初殺人ロボットの話を作ろうと考えたが、現代の技術ではそうしたロボットの実現は不可能であるし、かと言って未来の話ではセットに費用がかかる上に観客にも受け入れがたいと考え、その結果、未来の殺人ロボットが現代にやって来るタイムトラベルのアイデアが浮かんだと語っている。また主役のターミネーターについて、当初は『T2』のT-1000の様な、一見して細身のひ弱そうな人間だが実は強いという感じのキャラクターを構想しており、本作で刑事を演じたランス・ヘンリクセンが候補に挙がっていた(後に『エイリアン2』でアンドロイド・ビショップを演じる)。しかしキャメロンがカイル役候補としてシュワルツェネッガーと会食した際、彼からターミネーターのキャラクターについて有用な意見を得たのをきっかけに、白羽の矢が立つ事になった。
- 公開以前は製作・配給会社から全く評価されておらず、爆発で肉体を焼失したターミネーターが骨格のみで追跡を再開する以降の部分は、危うく製作されずに終わる所であった。というのも、ターミネーターが金属の骨格のみになった以上、シュワルツェネッガーがそれを演じるのは不可能であるため、必然的に製作当時の技術から考えるとターミネーターの模型を用意してパラパラ漫画の様に少しずつ模型を動かしてそれを俳優として扱うことになるが、その手法では人間の様に自然に歩かせるにはフレームレートの関係で一秒間に何度もコマを書き換えなければターミネーターがぎこちない動きになってしまう。もちろんフレームレートをあげればあげるほど作業時間は倍々に増えるし制作費は跳ね上がる。制作費がもはや尽きてしまい、これ以上製作が続けられないという時、突如「トラックに衝突してターミネーターが足を怪我したことにすれば、フレームレートを下げても動きが不自然に見えずむしろ怪我によるものに見えるため、返ってリアルになる」という奇抜なアイデアをキャメロンが思いつきかろうじて完成に至った。
- 劇中でターミネーターが、銃砲店で奪ったAR-18やUZIをフルオートマチックで撃ちまくっているが、銃社会のアメリカといえど、一般の銃砲店でのフルオート機能付きの銃器の売買は禁じられている。これは、奪ったものは元々セミオートマチック機能のみの市販用モデルであったのを、ターミネーター自身がフルオートに改造した物と考えられる。これは実際にアクション映画の銃器担当スタッフがフルオート銃器を調達するのに常用する手段であり(もちろん免許が必要)、あらゆる武器の扱いに通じたターミネーターなら容易な事であろう。(なお小説版には、ターミネーターが市販の改造マニュアルを見ながらフルオート射撃可能な様に改造する場面がある。)
- リースを演じたマイケル・ビーンはオーディションを受けた時は舞台劇のオーディションの影響で南部訛りが強かった。南部訛りは不自然だということで危うく落とされかけたが、エージェントが南部出身者ではないと説明し、危機を脱した。しかし、当初、リース役はシュワーツェネガーであり、ドイツ訛りのある彼が選ばれ、南部訛りは落とされるというオーディションは非常に不可解である。