タイセイヨウマダライルカ
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タイセイヨウマダライルカ Atlantic Spotted Dolphin |
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分類 | ||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||
Stenella frontalis | ||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||
Atlantic Spotted Dolphin |
タイセイヨウマダライルカ(大西洋斑海豚、Stenella frontalis)はクジラ目ハクジラ亜目マイルカ科スジイルカ属に属するイルカである。 大西洋の温帯から熱帯にかけて、特に北大西洋のメキシコ湾流が流れる海域に多く棲息する。 成長すると、特徴のある斑(まだら)模様が身体中に現れる。
目次 |
[編集] 分類学
タイセイヨウマダライルカは、1828年、Cuvierによって新種として報告された。 身体の特徴の個体差が大きいため、分類は難しかったが、現在では単一の種とされている。 フロリダの周辺では、他よりも少し大きく、特に斑模様が目立つ種類が良く見られる。 これらがタイセイヨウマダライルカの亜種あるいはタイセイヨウマダライルカとは別の種として分類される可能性もある。
[編集] 身体
タイセイヨウマダライルカの体色は、成長につれて大きく変化する。 タイセイヨウマダライルカの子供は、ほぼ均一な灰色である。 成長すると、腹側には濃い灰色の斑紋、横腹には白い斑紋が現れ、背や背びれは濃い灰色となる。 成熟してくると、斑紋は濃くなり、数も増えて体中を覆うようになる。 完全に成熟すると、白点のあるほぼ真っ黒な模様になる。
成体の体長は2.2mから2.5mである。 ハンドウイルカやマダライルカと見間違いやすい。
スジイルカ属の他の種と同じく、群を成して行動することを好む。 泳ぐのは速く、船の船首波を跳んだり、アクロバット的なジャンプを行うことも良くある。
[編集] 生息数と分布
タイセイヨウマダライルカは大西洋の温帯から熱帯にかけての海域に固有なイルカである。 フロリダからバミューダにかけてのメキシコ湾流の西の端あたりでは良く見られる。 メキシコ湾にも棲息する。 もっと東のアゾレス諸島やカナリア諸島で見られることはあまり頻繁ではない。 北限は、ケープコッド (Cape Cod) とスペインの南西の端を繋ぐ線のあたりである。 南限は良くわかってはいないが、ブラジルのRio Grande do Sulや西アフリカなどに棲息することはわかっている。
同じ海域に、似たような他の種類のイルカが多数棲息しているために、タイセイヨウマダライルカの生息数を正確に調べることは困難である。 全生息数を控えめに言えば約10万頭である。
[編集] 人間との関り
一部のタイセイヨウマダライルカ、特にバハマ周辺に棲息するタイセイヨウマダライルカは人間との接触に慣れ親しんでおり、船によるドルフィンウォッチングだけでなく、ドルフィンスイム(イルカと一緒に泳ぐこと)も一般的に行われている。 人間をあまり恐がらないことを利用して、イルカ研究者は背びれに無線発信機を取り付けて、行動パターンを観察することもある。
タイセイヨウマダライルカがイルカ漁の対象となって捕獲されることも時折ある。 また、刺し網による混獲のために死んでしまう個体もいる。 しかしながら、これらのことが原因となってタイセイヨウマダライルカが絶滅してしまうおそれがあるとは、現時点では考えられていない。
[編集] 参考文献、外部リンク
- M. Carwardine, Whales Dolphins and Porpoises, Dorling Kindersley Handbooks. ISBN 0751327816
- Reeves et al., National Audubon Society Guide to Marine Mammals of the World. ISBN 0375411410
- 海棲哺乳類図鑑 国立科学博物館 動物研究部
- 日本放送協会 「地球! ふしぎ大自然 - 大西洋バハマ諸島 イルカの群れ 知性あふれる素顔」