スパイス・ガールズ
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スパイス・ガールズ(Spice Girls)は、1996年デビューしたイギリス出身女性5人で構成されたグループ。ガールパワーをスローガンに、世界中を席巻した女性アイドルグループである。
現在はグループでの活動はないが、再結成の話題も時折出てくる。公式にはグループとしての解散声明を出していない。
しかし、3作目のアルバム・タイトルが肩代わりしているとの評が固まっている。
再結成に関しては、2005年のライブ・8で噂されたが、実現せず。2006年が、デビュー10周年にあたる年のため、再結成が噂されたが、今のところ何ら兆候はないようである。
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[編集] メンバー
- ヴィクトリア・ベッカム (Victoria Beckham、1974年4月17日 - ) - 愛称Posh Spice。
イングランドのサッカー選手,デビッド・ベッカムの妻。旧姓はアダムス(Adams)。wannabeでは、ソロパートが唯一ない。 - エマ・バントン (Emma Bunton、1976年1月21日 - ) - 愛称Baby Spice。
ブロンドの髪が特徴。2002年、女王陛下の記念コンサートにもソロで出演し、シュープリームスの曲を歌った。 - メラニー・クリスホルム (Melanie Chisholm、1974年1月12日 - ) - 愛称Sporty Spice。通称メルC(Mel C)。
メンバー一の歌唱力で、ソロパートを多く持っている。 - メラニー・ブラウン (Melanie Brown、1975年5月29日 - ) - 愛称Scary Spice。通称メルB(Mel B)。
縮れた髪、褐色の肌が特徴。一時は結婚したことでMel Gに改称していたが、離婚後Mel Bに戻している。 - ジェリ・ハリウェル (Geri Halliwell、1972年8月6日 - ) - 愛称Ginger Spice。
1998年に脱退。最年長でリーダーだった。
[編集] 来歴
[編集] 1994年
3月、The Stageという雑誌で「18歳から23歳まででダンスができて歌が唄える女性募集」という記事が発行された。この広告に約100人の女性が応募、そして5人の女性が選ばれた。その5人は、メラニー・クリスホルム、ヴィクトリア・ベッカム、メラニー・ブラウン、ジェリ・ハリウェル、ミシェル・ステファンソン。このときのグループ名は「Touch」。6月に、レコーディング中にメンバーのミシェルがグループから離れるとなり、エマ・バントンが新しくグループに加わった。10月にはツアー活動をはじめ、プロデュース・チーム、Absoluteと出会う。そこで、19 Managementというエンターテイメント会社のサイモン・フラー氏と出会う。
[編集] 1995年
3月にはヴァージンとレコード契約を交わす。5人はイギリスのメイデンヘッドというところで一緒に暮らすようになり、そこではダンスレッスン、またデモ・テープの作製に励んだ。10月に、デビューから付き添っていたマネージャーを解雇。(理由に支配されすぎたということがあった。)また、同じ日にエリオット・ケネディをマネージャーに迎える。また、このマネージャーが新しくグループ名を「Spice」と名づける。しかし、イギリスに同じ名前のバンド名があったことと、メディアが「Spice Girls」と表記するようになったことからグループ名は正式にSpice Girlsになった。ここから1996年の夏まで、アメリカ西海岸でツアー中にスパイス・ガールズはデビュー・アルバムのために曲を書いていた。
[編集] 1996年
1996年7月8日、デビュー曲WannabeをついにUKでリリース。またこの曲のミュージック・ビデオが音楽チャンネルを支配するようになった。1週目はUKチャート3位だったが2週目には1位をマーク。7週間続いた。たちまち世界中で大ヒットとなる。31カ国でチャート1位をマークした。これは女性グループの記録的な売り上げだけではなく、記録的なデビュー曲の売り上げといわれている。UKの歌手がアメリカ市場で人気を得るのは難しいが、この曲はビルボードチャートで1週目で11位をマーク。それまではビートルズの12位という記録が最高だったがそれを塗り替えた。11月に人気急上昇でアルバムSpiceをヨーロッパでリリース。7週間でイギリスだけで100万8000枚を売り上げ、それまで1番だったビートルズの売り上げ記録を抜いた。トータルでは300万枚を売り上げ、15週間アルバム・チャート1位をマークした。10月には2ndシングル、Say You'll Be There、12月には2Become1をリリースした。この2曲は53カ国で1位を記録し、世界中に名声をもたらした。特に2Become1はクリスマス・ソングとして大人気であった。デビュー・アルバム、Spiceからの最後のシングルとして、Mama/Who Do You Think You Areをリリース。これもまた、チャート1位を記録した。
[編集] 1997年
デビュー・アルバムはヨーロッパで1997年に最も売り上げたアルバムとなった。ヨーロッパで800万枚を売り上げたとして、プラチナ・レコード(×8)に認定された。アメリカでもアルバム・チャート1位をマークし、同国でも1997年最も売り上げたアルバムとして、プラチナ・レコード(×7)に認定された。11月には2ndアルバム、Spiceworldをリリース。同アルバムからのシングル、Spice Up Your Lifeをリリース。アルバムはすぐに世界中で人気となり、2週間で700万枚を売り上げるという最速記録をマークした。ヨーロッパ、カナダ、アメリカではそれぞれ1000万枚を売り上げた。また、それからはToo Much、Stop、Viva Foreverをリリース。このうちStopだけがUKチャート2位にとどまった。また、Too Muchは1997年のクリスマス・ソングとしても人気があった。しかしながら、アメリカで「デビューしてから2枚目のアルバムをリリースするまでの期間が早すぎる」という批判があり、またメンバー自身、「家での生活があまりにもメディアに報じられすぎている」という苦難もあった。また、約20もの企業とスポンサー契約を結んでいたこともプレッシャーであったと後にメンバーは語っている。そして、このあたりから母国イギリスを除く各国のチャートでの衰えをみるようになっていった。それでも1997年、1998年の両方の年で最も売り上げた歌手として認められた。この年の6月には映画、スパイス・ザ・ムービーの製作にとりかかった。内容はスパイス・ガールズが初ライブ前夜にマネージャーと喧嘩をして失踪してしまうというコメディー。エルトン・ジョン、ロジャー・ムーアなど有名人もたくさん出演している。7千万ドルを世界中で売り上げた。しかし、この映画はゴールデン・ラズベリー賞(その年のハリウッド映画のワーストを決める賞)でいくつかの部門でノミネートされた。11月にはマネージャーとサイモン・フラーを解雇。理由に、自由が制限されすぎたというものがあった。(メンバーのジェリとメラニー・ブラウンが特に嫌っていたという説がある。)
[編集] 1998年
この年の早い頃に、スパイス・ガールズは102日に及ぶヨーロッパ・北アメリカツアーをはじめる。(2月24日にアイルランド、ダブリンで始まった。)メンバーのジェリが胃腸炎で最後の2公演、オスロー、ノルウェー公演を休んだ。このころからジェリがメンバーに幻滅し、脱退しようとしているという噂がながれはじめた。このツアーの後もいくつかのパフォーマンスをジェリは休んでいたので脱退は確実視されつつあった。5月31日にジェリの弁護士を通じて脱退が発表された。またジェリは次のようなコメントをのこしている。「残念なことに、私はスパイス・ガールズから脱退したことをお伝えします。私達には違いがあったからです。これからもスパイス・ガールズは成功し続けていくと思います。追伸、また戻ってきます。」ジェリは過度の疲れと自由な時間がないということを告白し、またメラニー・ブラウンとの不仲説がながれた。ジェリの脱退はファンにショックを与え、またこの年の大きなニュースにもなった。それでも残った4人のスパイス・ガールズは残っていた北アメリカのツアーを続けた。ジェリの脱退はグループに混乱をもたらした。予定されていたライブ・アルバムのリリースもキャンセルされたほど。7月20日にシングル、Viva Foreverをリリース。ジェリの脱退後のリリースとなった。同曲のビデオはスパイス・ガールズはアニメとして出演している。理由に、世界ツアーで忙しかったことと、ジェリが脱退して撮影が不可能になってしまったということ。(結局ビデオでは5人のスパイス・ガールズがアニメとして出演した。)また、この曲の次にNever Give Up On The Good Timesもリリース予定だったが、レコーディング、編集の時間がないということと、またしてもジェリの脱退が理由でビデオが作れないという理由でキャンセルされた。クリスマスにはGoodbyeをリリース。この曲はジェリ脱退の前に作詞されており、ジェリへの感謝の意をこめてのリリースとなった。また、スパイス・ガールズ自身3度目の大ヒットクリスマス・ソングにもなった。またカナダでは16週間チャート1位をマークし、1990年代に最も成功を収めた曲となった。
[編集] 2000年
11月にアルバム、Foreverをリリース。いままでとは違い、R&Bの制作陣を迎えたが、ファンの反応はいまいちであった。USではアルバム・チャート39位と振るわず、またUKでは同じ頃にウエストライフがデビューし、そのデビューアルバムに負けてしまった。このアルバムからのリード・シングル、Holler/Let Love Lead The Wayをリリース。これはスパイス・ガールズにとって9度目のUKチャート1位をマークしたが、ビルボードチャート100にはランクインしなかった。(Hollerはダンス・ミュージックチャートで31位をマークした。)また、アルバムのプロモーション活動として、グループを2つに分けて活動するようになった。エマとヴィクトリアがアメリカを、2人のメラニーがヨーロッパを主に活動していた。また、この頃から各メンバーはソロ活動をし始めた。
[編集] 2001年
ついにスパイス・ガールズは活動休止を発表。ソロ活動に専念しはじめる。この発表以来、幾度となくメディアは再結成の噂があると報じるが実現されていない。
[編集] 音楽シーンへの衝撃
1990年代の初め、オアシス、ブラーなどのバンドがチャートを支配しており、UKはポップ・ミュージックを必要としはじめた。そしてイギリスの雑誌、The Stageは若い女性をターゲットにオーディションを開催。そして選ばれたこの5人は「個性的で、ファンのみんながメンバーの誰かにあてはまる」ようなグループを目指した。Wannabeのリリース後、5人はイギリスの有名な音楽番組、Top Of The Popsに出演するようになる。また同局の雑誌では各メンバーにニックネームがつけられた。ヴィクトリアにはポッシュ(上品な)・スパイス、メラニーCにはスポーティー・スパイス、メラニーBにはスケアリー(恐ろしい)・スパイス、エマにはベイビー・スパイス、脱退したジェリにはジンジャー・スパイス。
[編集] 記録と達成
- 2000年2月にスパイス・ガールズはトータルでアルバムを約3500万枚、シングルを約1800万枚を売り上げた。(これには3枚目のアルバム、Foreverの売り上げは含まれていない。)
- 3枚のUKクリスマス・ナンバー1シングル。(2Become1が1996年に、Too Muchが1997年に、Goodbyeが1998年に。)
- Wannabeの売り上げは女性グループ史上最大である。
- デビューから6曲連続でUKチャート1位を記録した女性グループはスパイス・ガールズだけ。
- デビューアルバムのSpiceはUKで生涯アルバム売り上げランキング13位に認定。
- グループとしての来日経験はプロモーション活動による一回だけで、コンサート・ツアーなどは実現していない。
- メラニーCのみファースト・アルバムを出した直後に緊急来日し、恵比寿ガーデンホールで一夜限りのライブを披露している。
[編集] 発売CD
[編集] アルバム
- Spice (1996年・UKチャート初登場1位獲得)
- Spiceworld (1997年・UKチャート初登場1位獲得)
- Forever (2000年・UKチャート2位)
[編集] シングル
- Wannabe (1996年・UKチャート1位獲得)
- Say You'll Be There (1996年・UKチャート初登場1位獲得)
- 2Become1 (1996年・UKチャート初登場1位獲得)
- Mama/Who Do You Think You Are (1997年・UKチャート初登場1位獲得)
- Spice Up Your Life (1997年・UKチャート初登場1位獲得)
- Too Much (1997年・UKチャート初登場1位獲得)
- Stop (1998年・UKチャート2位獲得)
- Viva Forever (1998年・UKチャート初登場1位獲得)
- Goodbye (1998年・UKチャート初登場1位獲得)
- Holler/Let Love Lead The Way (2000年・UKチャート初登場1位獲得)
[編集] ソロ活動
断りなきものはアルバムの題名
- ヴィクトリア・ベッカム
- Victoria Beckham (2001年・UKチャート最高10位)
- 翼をひろげて飛ぶために(2000年・著書)
- エマ・バントン
- Girl Like Me (2001年・UKチャート最高4位)
- Free Me (2004年・UKチャート最高7位)
- メラニーC
- Northern Star (1999年・UKチャート最高4位)
今は亡きTLCのレフトアイをゲストに迎えていた。 - Reason (2003年・UKチャート最高5位)
- Beautiful Intentions (2005年・UKチャート最高24位)
- Northern Star (1999年・UKチャート最高4位)
- メラニーB
- Hot (2000年・UKチャート最高28位)
- L.A. State Of Mind (2005年)
- ジェリ・ハリウェル
- Schizophonic (1999年・UKチャート最高4位)
- Scream If You Wanna Go Faster (2001年・UKチャート最高5位)
- Passion (2005年・UKチャート最高41位)
[編集] 外部リンク
- Emma Bunton Official(英語)
- Melanie C(英語)
- The Official GERI HALLIWELL Website(英語)
- SPICE GIRLS DISCOGRAPHY(英語)
- Emma-Bunton.Org(スペイン語)
- Fanpage Melanie-C.net.ms(英語)