ジョウビタキ
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ジョウビタキ | ||||||||||||||||
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ジョウビタキ(オス) |
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ジョウビタキ(メス) |
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分類 | ||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||
Phoenicurus auroreus (Pallas, 1776) | ||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||
ジョウビタキ | ||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||
Daurian Redstart |
ジョウビタキ(尉鶲、常鶲、学名:Phoenicurus auroreus )は、スズメ目・ツグミ科(ヒタキ科)に分類される小鳥。日本では冬によく見られる渡り鳥である。
目次 |
[編集] 分布
チベットから中国東北部、沿海州、バイカル湖周辺で繁殖し、非繁殖期は日本、中国南部、インドシナ半島北部で越冬する。よって日本では冬鳥としてよく見られる。
[編集] 概要
体長は13cmほどで、スズメよりわずかに小さい。オスは頭上が白く、目の周りが黒いのが特徴である。メスは頭が淡褐色でオスとは簡単に見分けられる。胸から腹、尾にかけてはオスメスとも橙色をしている。翼は黒褐色だが中ほどに白くて細長い斑点があり、ここで近縁種と区別することができる。分類説によって、ヒタキ科もしくはツグミ科に分類される。ヒタキ類のように樹上から飛び立ち羽虫を空中捕獲で捕食する他、ツグミ類のように地上に降りることも多い。
冬の日本では人里や都市部の公園などでもよく見られ、身近な冬鳥の一つである。非繁殖期は縄張りを作って同種を排斥する習性があり、異性個体や鏡に映った自分の姿にも攻撃を加えるほどである。しかし人間に対する警戒心はわりと薄く、3m-4mくらいの所に降り立つこともある。昆虫やクモなどを捕食するが、冬には木の実もよく食べ、ヒサカキなど実をつけた木によく止まっている。
地鳴きは自転車のブレーキ音を短くしたような声で、「ヒッ」や「キッ」と聞こえる甲高い声と軽い打撃音のような「カッ」という声を組み合わせた特徴的なものである。「ヒッ」の声はかなり遠くまで届く。早朝にも鳴くことが多く、2度「キッ、キッ」、続いて打撃音の「カッ、カッ」がくる。
[編集] 近縁種
- オスは頭部の白い部分が狭く、顔から首、胸、背中まで黒っぽい。メスには特徴的な模様がなく、一様に淡い褐色をしている。中央アジアから南アジアにかけてとヨーロッパに分布する。日本では迷鳥としてたまに記録される。
- シロビタイジョウビタキ Phoenicurus phoenicurus (Linnaeus, 1758)
- オスは頭から背中、翼まで灰白色をしている。メスもやはり背中が白っぽい。繁殖域は中央アジアからヨーロッパまでで、冬はアフリカ熱帯域で越冬する。日本では迷鳥として記録されるが、観察記録はクロジョウビタキより少ない。