ジョアン・ジルベルト
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ジョアン・ジルベルト(João Gilberto, 1931年6月10日 - 、本名:João Gilberto Prado Pereira de Oliveira)は、ブラジルの歌手・ミュージシャン。作曲家のアントニオ・カルロス・ジョビンや作詞家のヴィニシウス・ヂ・モライスらとともに、ボサノバというジャンルを創成した功労者(特にジョアンのことを『ボサノバの神』と呼ぶ人もいる)とされている。
なお、アストラッド・ジルベルトはジョアンの元妻であり、アストラッドとの離婚後歌手であるミウーシャと結婚。ベベウ・ジルベルトはミウーシャとの間の娘である。
[編集] ヒストリー
ブラジル北東部バイーア州ジュアゼイロに生まれ、10歳になる迄そこで育つ。1946年にギターを父から貰いバンド活動に夢中になる。その後、中等寄宿制学校に通うが音楽の勉強の為、退学する。1949年にはラジオ番組にキャストとして出演。19歳の時にはリオ・デ・ジャネイロでヴォーカルグループ『ガロットス・ダ・ルア』にリード・ヴォーカルとして参加し、二枚のSPをトダメリカ・レーベルで録音する。
しかし、それも長くは続かず、ガロットス・ダ・ルアを脱退する。1952年にはコパカバーナ・レーベルより初のソロレコード Quando ela sai を録音するが、ヒットせず、寝る場所と食事を求めて友人の家を転々とする日々が続く。マリファナ中毒となったジョアンを友人が見かねて、1955年にはジョアンの姉の住む街、ジアマンチーナへ移動し、姉の家に居候する生活が始まる。バスルームに一日中閉じこもり、ヴィオラン(クラシック・ギター)を弾きながら歌を歌い続け、その中で、サンバのリズムをギターだけで表現する、独特の技法(バチーダ。現在、「ボッサ・ギター」と呼ばれている)を発明する。
その後1957年に再びリオ・デ・ジャネイロへ戻る。アントニオ・カルロス・ジョビンと出会い、ジョビンはジョアンの声とギターに惚れ込む。1958年にはエリゼッチ・カルドーゾのアルバム「カンサォン・ド・アモール・ヂマイス(Canção do amor demais)」の中の2曲にギタリストとして参加する。その年の7月10日にはジョビンとヴィニシウス・ヂ・モライスによる「想いあふれて(Chega de Saudade)」を録音する。これが最初のボサノバ・ソングと呼ばれるもので、発売当初はなかなか話題にならなかったが、次第にリオの若者たちの間で人気となり、ボサノバ・ムーブメントが形成されていった。1959年には初めてのLP、「想いあふれて(Chega de Saudade)」が発売される。
1960年にはアストラッド・ジルベルトと結婚する。1963年にジャズサックス奏者、スタン・ゲッツと共に『ゲッツ/ジルベルト』を発表。1964年には、アストラッドが英語で歌った「イパネマの娘」が、シングルとして発売された。これはジョアンのポルトガル語詩の部分がカットされたものだったが、皮肉なことにビルボードに96週間チャートインという記録を打ち立てるほどの爆発的なヒットとなった。しかし、アストラッドとはほどなく離婚する。
1965年にはグラミー賞受賞。ベスト男性ヴォーカルにノミネートされる。同年にミウーシャ(シコ・ブアルキの実姉)と結婚する。しかし、ボサノバ・ブームの退潮や軍事政権の台頭の影響からか、1969年にはメキシコシティーに移り、そこで2年間住む。1977年には、トミー・リピューマのプロデュースによりアルバム「Amoroso」を制作している。1981年には、カエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジル、マリア・ベターニアとの共作「Brasil(海の奇蹟)」を発表。
高齢にも関わらず、ここ数年も静かにではあるが活動をつづけており、2000年、全編ギター弾き語りのみによる初のアルバム『ジョアン 声とギター(João voz e violão)』を、カエターノ・ヴェローゾのプロデュースで発表。また2003年には70歳台での初来日公演で話題になり、9月12日公演が「Joao Gilberto in Tokyo」としてアルバム化(翌年に発売)。翌2004年、2006年11月にも来日し公演が行われた。
[編集] 代表曲
- 想いあふれて (Chega De Saudade)
- フェリシダーヂ(A Felicidade)
- イパネマの娘 (The Girl From Ipanema)
- デザフィナード (Desafinado)
- 静かな夜 (Corcovado)
- イザウラ (Izaura)
- バイーヤ生まれ (Eu Vim Da Bahia)
- ビン・ボン (Bim Bom)
- 偽りのバイーア娘 (Falsa Baiana)
[編集] ディスコグラフィ
- 想いあふれて (Chega De Saudade) - 1959年 【廃盤】
- 愛と微笑みと花 (O Amor, O Sorriso E A Flor) - 1960年【廃盤】
- ジョアン・ジルベルト (João Gilberto) - 1961年【廃盤】
- 彼女はカリオカ (Ela É Carioca) - 1970年
- 三月の水 (João Gilberto) - 1973年
- イマージュの部屋 (Amoroso) - 1977年
- 海の奇蹟 (Brasil) - 1981年
- ジョアン (João) - 1991年
- ジョアン 声とギター (João Voz e Violão) - 2000年
スタン・ゲッツとともに
- ゲッツ/ジルベルト (Getz/Gilberto) - 1963年
- ゲッツ/ジルベルト#2 (Getz/Gilberto #2) - 1964年
- ゲッツ・ジルベルト・アゲイン (The Best of Two Worlds) - 1976年
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