ジューダス・プリースト
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ジューダス・プリースト (Judas Priest) は、1969年にイギリスのバーミンガムで結成されたヘヴィメタルバンド。現在のヘヴィメタルのサウンド、イメージ及びファッションを作り上げた、このジャンルの立役者、第一人者として知られる。 1980年発表の「BRITISH STEEL」において自ら「メタル・ゴッド」を宣言し、以後それが通称となる。
日本では比較的早くから人気を確立し、1979年には来日公演を収録したライブアルバム「UNLEASHED IN THE EAST」が発表された。
アルバムごとに音楽性が変わるタイプのバンドであるが、底辺を流れる叙情性、威厳といったものは不変であり、1980年代を通して常にヘヴィメタルシーンの中核を担っていた。一方でバンドとレコード会社は「息子が自殺したのはバンドの曲に含まれるサブリミナルメッセージが原因だ」と自殺した少年2人の両親から裁判を起こされるなど(結果は被告の無罪判決)、苦悩もあった。
1990年の「PAINKILLER」発表後に、ヴォーカルのロブ・ハルフォードのソロ・プロジェクトを巡ってバンド内でトラブルとなり、ロブは脱退。その後ヴォーカリスト不在が数年続いたが、1996年にロブ・ハルフォードの後任としてティム・"リッパー"・オーウェンズが加入し、1997年に「JUGULATOR」、2001年に「DEMOLITION」をリリースした。
2003年にロブ・ハルフォードが復帰し、ティム・オーウェンズは脱退した。2005年2月には待望の「ANGEL OF RETRIBUTION」が発売され、アメリカ、日本、ドイツをはじめとする欧州各国でチャートインするなど健在ぶりを示した。 2005年5月には日本武道館を始め全国7箇所にわたる来日公演を行い、好評を博した。その模様を収録したDVD「RISING IN THE EAST」が2005年12月に発売された。
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[編集] メンバー
- ボーカル:アル・アトキンス ~ ロブ・ハルフォード ~ ティム・"リッパー"・オーウェンズ ~ ロブ・ハルフォード
- ギター:ケン・ケネス・ダウニング(K. K. ダウニング)(w:K. K. Downing)
- ギター:グレン・ティプトン(w:Glenn Tipton)
- ベース:イアン・ヒル
- ドラム:ジョン・フィンチ ~ アラン・ムーア ~ サイモン・フィリップス ~ レス・ビンクス ~ デイヴ・ホーランド ~ スコット・トラヴィス
[編集] 音楽的特徴
ヴォーカルのロブ・ハルフォードの高音域でのシャウトと、グレン・ティプトンとK. K. ダウニングのツインリードギターが特徴。初期の頃はハードロック要素も強かったがアルバムを発表するにつれてヘヴィになっていく。1982年発表の「SCREAMING FOR VENGEANCE(復讐の叫び)」、1984年発表の「DEFENDERS OF THE FAITH(背徳の掟)」、1990年発表の「PAINKILLER(ペインキラー)」など、多くのアルバムを残している。
[編集] パフォーマンス
1970年代中期にはヒラヒラした衣装や、カウボーイハットを着用したりしてステージに上がっていた彼らだが、1979年の「Killing Machine」(国によっては「Hell Bent For Leather」という名で発表された)を境に、レザー&スタッドを基調とした男らしいファッションに転向した。
ステージではギターとベースの3人がフォーメーションを組み、リズムに合わせて上半身ごと楽器を振り回したり、またアンコールではロブがハーレーダビッドソンのバイクに跨って登場するなど、独特のパフォーマンスを繰り広げ、やがてそれは一つの様式美とされるようになった。
このようなプリーストのファッションやパフォーマンスは多くのバンドに影響を与え、特にレザーファッションはヘヴィメタルという音楽そのものの象徴となった。これらの衣装は、アメリカ・ツアー中にSMショップに売られているのを見て着想をえたという。
[編集] ディスコグラフィー
- 1974年 ROCKA ROLLA / ロッカ・ローラ (1st Album)
- 1976年 SAD WINGS OF DESTINY / 運命の翼 (2nd Album)
- 1977年 SIN AFTER SIN / 背信の門 (3rd Album)
- 1978年 STAINED CLASS / ステンド・クラス (4th ALbum)
- 1978年 KILLING MACHINE / 殺人機械 (5th Album)
- 1979年 UNLEASHED IN THE EAST / イン・ジ・イースト (Live Album)
- 1980年 BRITISH STEEL / ブリティッシュ・スティール (6th Album)
- 1981年 POINT OF ENTRY / 黄金のスペクトル (7th Album)
- 1982年 SCREAMING FOR VENGEANCE / 復讐の叫び (8th Album)
- 1984年 DEFENDERS OF THE FAITH / 背徳の掟 (9th Album)
- 1986年 TURBO / ターボ (10th Album)
- 1987年 PRIEST...LIVE! / プリースト...ライヴ! (Live Album)
- 1988年 RAM IT DOWN / ラム・イット・ダウン (11th Album)
- 1990年 PAINKILLER / ペインキラー (12th Album)
- 1993年 METAL WORKS '73-'93 / メタル・ワークス'73-'93 (Best Album)
- 1997年 JUGULATOR / ジャギュレイター (13th Album)
- 1998年 LIVE MELTDOWN / ライヴ・メルトダウン (Live Album)
- 2001年 DEMOLITION / デモリッション (14th Album)
- 2003年 LIVE IN LONDON / ライヴ・イン・ロンドン (Live Album)
- 2004年 METALOGY / メタロジー (BOX)
- 2005年 ANGEL OF RETRIBUTION / エンジェル・オブ・レトリビューション (15th Album)
- 2006年 THE ESSENTIAL JUDAS PRIEST / エッセンシャル・ジューダス・プリースト (Best Album)
[編集] 代表曲
- The Hellion/Electric Eye
- Metal Gods
- Breaking the Law
- Painkiller
- Victim of Changes
- Exciter
- Hell Bent for Leather
- Living After Midnight
- You've Got Another Thing Coming
- The Ripper
- Freewheel Burning
[編集] 公式ホームページ
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