ジュリアス・ストーン
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ジュリアス・ストーン(Julius Stone, 1907年7月7日 - 1985年)はオーストラリアの法哲学者・国際法学者である。
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[編集] 略歴
イギリス(リーズ)出身、ハーバード・ロー・スクール(HLS)でロスコー・パウンド(Roscoe Pound)に師事。Harvard Law SchoolでAssistant Professorを務めた後、リーズ大学、Auckland Collegeを経て、シドニー大学教授(Challis Professor of Jurisprudence and International Law。このChairは一つのDepartmentを組織する強大なChairであったが、ストーンの死後、JurisprudenceとInternational Lawに分割された)に就任。退官後はニューサウスウェールズ大学教授。
なお、シドニー大学とは、退官後疎遠であったが、死後、シドニー大学内に、Julius Stone Institute of Jurisprudence(外部リンクに、HPアドレスを記載)が設置された。
[編集] 業績
法哲学・国際法学の両分野にまたがり、数多くの業績を残した(詳細は、参考文献に掲げた文献目録を参照)。
- 法哲学
The Province and Function of Law(1947)は、標準的テキストブックとして広く流布した(後に改訂増補され、Legal System and Lawyers' Reasonings(1964),Human Law and Human Justice(1965),Social Dimentions of Law and Justice(1966)の三部作として出版された)。
また、研究初期から一貫して検討してきたCategory of illusiony referenceは、Pecedent and Law:The Dynamics of Common Law Growth (1985)にまとめられている。 - 国際法学
Legal Controls of Ineternational Conflicts(1954),Visions of World Order(1984)が主著であるが、Hot Lineを提唱したQuest for Survivalもまた重要である。 - 他の学者との関係では、Legal System and Lawyers' Reasoningsに対するケルゼン(Hans Kelsen)の反論(Professor Stone and Pure Theory of Law,(1965)17 Stanford Law Review)は、ケルゼン自身の考えを知る上でも重要である。
[編集] 翻訳
- 平野敏彦訳「正義は平等に非ず」(カメンカ/イア-スーン・テイ編『正義論』所収)
[編集] 参考文献
[編集] 記念論文集
- Blackshield(ed),Legal Change(Butterworth,1983)(著作目録を含む)
- a Julius Stone Memorial Issue,(1986)University of New South Wales Law Journal
[編集] 伝記
- Barbara Drexler Hathaway,Julius Stone:a Bio-Bibliography (Tarlton Law Library,1980)(著作目録を含む)
- Leonie Star,Julius Stone:An Intellectual Life(Oxford UP,1992)(伝記)
- Ilmar Tammelo,法論理学の原理と方法(慶應通信)(TammeloはStoneの同僚。巻末に、Stoneの仕事ぶりが記載されている)
[編集] 文献紹介等
- 碧海純一,Julius Stone(伊藤正己編『法学者 人と作品』所収)
- 碧海純一,法哲学論集
- 碧海純一,法哲学概論(巻末文献解題)
- 早川武夫,著書紹介 Legal System and Lawyers' Reasonings (1966-1)アメリカ法
- 稲垣良典,著書紹介 Human Law and Human Justice (1966-1)アメリカ法
- 松平光央,著書紹介 Social Dimentions of Law and Justice (1967-2)アメリカ法
- 松平光央,ストーン著「20世紀後半における方と社会科学」(1966)40法律論叢(明治大学)
[編集] 外部リンク
カテゴリ: 法学者 | オーストラリアの学者 | 1907年生 | 1985年没