ジムカーナ
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ジムカーナ(Gymkhana)は、モータースポーツや馬術における競技の一つ。モータースポーツにおけるジムカーナは米国ではAutocrossと呼ばれる。
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[編集] モータースポーツにおけるジムカーナ
自動車を用いて舗装路面で行われるスラローム競技の一種であり、タイムトライアルで争われる。一般的に大会会場ごとに異なるコースレイアウト(45秒~1分30秒程度の走行タイムを想定したもの)が設定され、大会当日に参加者に公表される。競技開始前に慣熟歩行(コース内に徒歩で立ち入り、路面状態やレイアウトを目視で確認すること)の機会が与えられた後、競技が開始される。1台ずつ出走し、各競技者は2回まで走行できる。2回のうち短い走行タイムをその競技者の記録とし、より短いタイムを記録した競技者を上位として順位が決定される。非舗装路で行われる場合はダートトライアルと呼ばれる。2輪でも同様の競技が存在する。
[編集] 競技特性
会場となる場所は、レース用のサーキットコースに規制パイロン(コーン)を置いてスラローム競技用のコースとする場合や、ショートサーキットやカートコースをほぼそのままで使う場合、ジムカーナ専用コースを使う場合、スキー場の駐車場などにパイロンでコースを設定する特設(非常設)会場などさまざまである。上位イベントのシリーズでは複数の会場を転戦することになり、競技者はさまざまなコースの特性に合わせた運転技術と車両セッティングを要求される。いずれの会場においても、サイドターンなどで小回りな旋回を求められる低速セクションや、中速でのコーナリングや切り返し、高速からのハードブレーキング、そしてそれらをスムースにつないでタイムロスを防ぐ走行ラインの取り方など、ひとつのコースであらゆる走行技術や戦略を必要とするレイアウトが設定される。
[編集] 参加車両
車両は改造範囲・排気量・駆動方式・タイヤの種類(Sタイヤとレギュラータイヤの区別)などでクラス分けされている。公道を走行できる地方運輸局のナンバー付き車両のクラスが主流で、入門レベルのイベントの場合、車種によってはほとんど無改造でも十分に勝負になる場合がある。このため、サンデースポーツとしてアマチュアドライバーが最も始めやすいモータースポーツの一つである。また、市販車両を競技専用に改造した(公道を走行できない)車両のクラスや、競技専用に設計された車両のクラスもある。
[編集] 参加条件
参加するための装備としては、一般的にはヘルメット(2輪用でも可)・レーシンググローブ(指が出るドライビンググローブや軍手などは不可)・長袖長ズボンの着用が最低限必要であるが、イベントの格式によってはレーシングスーツやレーシングシューズの着用を要求されることがあり、主催者への確認が必要である。また、公式戦と呼ばれるイベントはほとんどが年間のシリーズ戦になっており、FIA傘下の日本自動車連盟(JAF)が公認する競技である。よって参加するためには原則としてJAF競技運転者許可証(国内Bライセンス以上)の発給を受ける必要がある。ただし下位のシリーズではライセンスの不要なクラスが別途設けられていることもある。また、JAF公認イベント以外にもさまざまな入門レベルのイベントがあり、ライセンスがなくても参加できる。
[編集] イベントの格式
最上位のシリーズはJAF全日本ジムカーナ選手権であり、その下位に各地区の地方選手権が存在する。各地区内の公式戦はJAFに所属する各地区のJMRCという団体が管理しており、例として最も地区内の人口が多い関東地区では、上位から順に「JAF全日本選手権」-「JAF地方選手権(JMRCチャンピオンシリーズ併設)」-「JMRC関東ミドルシリーズ」-「JMRC各都県シリーズ」というヒエラルキー構造が形成されている。その他にもライセンス不要の多様な入門レベルのイベントが存在し、シリーズ戦になっているものもある。
[編集] 発祥と発展
発祥は米軍が基地内で行っていたものと言われている。Gymkhanaは直訳すると「競技会」であり、競技としてのジムカーナは英語でAutocrossとなる。発展性については、ジムカーナは日本で独自に発展した競技であり、現在のところ世界選手権が開催される予定はない。
[編集] 外部リンク
- JAFモータースポーツ公式サイト
- JMRC北海道公式サイト
- JMRC東北公式サイト
- JMRC関東公式サイト
- JMRC中部公式サイト
- JMRC近畿公式サイト
- JMRC中国公式サイト
- JMRC四国公式サイト
- JMRC九州公式サイト
- ジムカーナの競技結果(有志によるサイト)
[編集] 馬術におけるジムカーナ
指定された経路(障害飛越競技も含む)の走行時間を競う初心者向け競技。障害は高さが60~80センチのキャバレッティーが中心になる。障害が低い分、ミスが生じにくく、タイム競争になることが多い。結果として、コースのショートカットが如何に上手くできるかなど、馬を御する技術が問われる。
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