シーマ・ガラハウ
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シーマ・ガラハウは、架空の人物で、OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』の登場人物の一人。(CV:真柴摩利)
ジオン公国軍突撃機動軍所属。階級は中佐。性格は非常に好戦的。
一年戦争開戦直前に編成された海兵上陸部隊に、遙任の艦隊司令アサクラ大佐の代理司令官として配属。麾下艦隊は全員が彼女同様コロニー・マハルの出身で、シーマ艦隊の通称を得、一年戦争時は主に破壊工作を行っていた。コロニー落としの際にはコロニーへの毒ガス注入を行ない(上官からは催眠ガスと告げられていた)、それが彼女のトラウマになっていたようである。
公国宇宙軍の汚れ仕事を数多くこなしていた事で同陣営内での評判が悪く、戦後保身を図ったアサクラ大佐がそれらの責任を彼女以下の部下達に押し付けた為、アクシズ行きを拒否される。
帰るべき故郷もソーラ・レイとして失われており、帰属する場所を持たない彼女等は宇宙海賊として生きる事を余儀なくされる。民間・連邦はもとより、時に他の公国軍残党の船舶までもが略奪の対象となった。
その一方で生き残る術として、また将来の安住地獲得の布石として、連邦やアナハイム社との独自のパイプ作りに奔走した。大義の為に生きたエギーユ・デラーズやアナベル・ガトーとは正反対の人物だと言えるが、大義の狭間で翻弄され続けた彼女が、その大義を憎んだとしても、それはやむを得ないことであろう。現に、デラーズとガトーが(シーマにとって)妄想ともとれる理想主義であったのに対し、シーマは徹底した現実主義だった。
モビルスーツパイロットとしても非常に優秀な腕を持っており、一年戦争時の撃墜スコアは56機。終戦時の乗機はMS-14Fsゲルググ・マリーネ(ゲルググの海兵指揮官仕様)で、デラーズ紛争終盤でガーベラ・テトラに乗換えるまで使用した。
「機動戦士Vガンダム」のカテジナ・ルースと併せ「宇宙世紀二大毒婦」として称される事がある。そのため一部ではカルト的に人気が高く、劇中の部下の如くシーマ様と、様付けで表記される事もある。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
デラーズ紛争の時、デラーズ・フリートに参加してコロニージャック等の仕事をするが、連邦への帰順・赦免を求めて地球連邦軍との裏取引を進める。デラーズの乗艦であり作戦旗艦であるグワデンの制圧に成功するも、デラーズとガトーの殉教的行為により失敗する。
紛争最終局面において、アナハイム社との裏取引によって得たガーベラ・テトラで出撃、コウ・ウラキに戦いを挑むが、ガンダム試作3号機のメガビームキャノンで乗機を串刺しにされ、さらにその砲撃をゼロ距離で浴び、機体ごと文字通り「消滅」した。
ちなみに、PS2『機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙』のエースパイロットモードでは、彼女の生存後のifが語られることになる。それによると、シーマとその海兵隊はデラーズ紛争後、連邦軍のタカ派との公約通り、ジャミトフ・ハイマンが結成するティターンズの特殊部隊入隊への誘いがかけられるも、これを拒否。理由は、シーマがまたしても汚れ仕事を背負わされるかもしれないということを考えてのことであった。この時既に、ティターンズの本質を見抜いていたともいえよう。その後のシーマと、その海兵隊の行方は不明となっている。
また、ニンテンドーDS『SDガンダム GGENERATION DS』では、「軍への不信を振り切ったシーマ」というifを見ることが出来る。原作に比べかなり前向きになっており、キャラクター図鑑には、「上層部の心ない仕打ちがなければ、名指揮官になれたかもしれない人物」との人物評が記されている。