ショタコン
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正太郎コンプレックス(しょうたろうこんぷれっくす)とは、少年を対象に抱く愛情・執着のことである。また、そのような愛情・執着を持つ者のことを指す。造語。略語のほうが広く知られている。以下、ショタコンと略して記述する。(略語:ショタコン、ショタ)
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[編集] 概要
日本国内のオタク文化の中で、1990年代半ば頃から広く使用されるようになった造語で、当初使われていた意味からは、様々な変遷を遂げている。少年に対して抱く愛情、および愛情を抱く者という以外では、明確な定義はされていない。同人誌と呼ばれる、オタク文化の中で多用される。なお類似の用語・事象として扱われる言葉としてボーイズラブ、やおいがあるが、それらは青年~成人男性のホモセクシャルで、ショタは主に小中学生の男子を対象にしている点が異なる。またショタコンの殆どが男性である事からも、性別層も180度違う。
[編集] 起源
1981年、アニメ雑誌『ふぁんろーど』(現『ファンロード』)の編集長イニシャルビスケットのK氏が読者からの質問に答えるコーナーで、「美少女好きはロリコンと呼ばれるが、では美少年好きは何と呼ぶのか?」という内容の問いに対し、当時放映中だった『太陽の使者 鉄人28号』(日本テレビ系 '80~'81年放映)の主人公・金田正太郎から取って「ショタコン」と回答したのが始まりである。このコーナーは真面目に回答する場合もあれば適当に返すこともあり、もちろんこの場合は後者であった(正確にはこれを考えたのは他の人物であった)のだが、他に適当な呼び方も無かったせいか、いつのまにか「ショタコン」は本当に少年愛者を指す言葉として広く定着していった。
[編集] ショタコンの層
ショタコンは、女性のみが持つ性癖と思われがちだが、ショタケットの様な同人イベントの利用者の9割は男性であり、同じくショタアンソロジー「少年嗜好」「好色少年のススメ」といったショタコン向け雑誌の作家の殆どは男性である。これは少年愛が公に存在した古代ギリシア、オスマントルコ、中世日本といった文化においても、少年愛は男性のみの性嗜好であった事から頷ける傾向である。
[編集] 歴史上のショタコン
- 詳しくは少年愛を参照。
インドのムガル帝国のスルタンであるシャー・ジャハーンはハレムに1000人もの美少年と美女を擁し毎晩の相手をさせていた。歴代スルタンにも男色の傾向は多く見られ、トルコ帝国だけに留まらず中世のイスラム圏では男色、特に少年愛は一般的なものだった。古代ギリシャでも少年愛は一般化しており、軍隊の中に「同性愛隊」が存在した。ギリシャ人の哲学者であるプラトンは著書「餐宴」の中で「高尚な友情とは、愛された少年が美しき仕方で意に従おうとしと欲することである。これは、愛する少年のためには、自ら進んでいかなる奴隷的服従に甘んじるのと同様にして、徳のなす自発的服従であり屈辱ではない。」と記述を残している。同じく哲学者であるソクラテスも少年愛者であり「少年愛は美しい」と言葉を残している。[1]
[編集] 歴史と変遷
- 1981年
- 『正太郎コンプレックス』(ショタコン)誕生。
- 1984年
- ショタコンの「少年探偵団コンプレックス」説がふぁんろーどにより否定される。
- 1995年~
- 半ズボンと白い靴下を履いた少年に抱く愛情、または愛情を持つ者(主に女性)に対して、ショタコンという呼び方が広まり始めた。(別名:半ズボンコンプレックスとも呼ばれた。)
- 服装に限定されず、二次元(アニメや漫画など)の少年に抱く愛情および、そのような愛情を持つ者(主に女性)も含めてショタコンと呼ばれた。
名称の誕生から十数年を経て、広く流布した背景には、同人誌などの限定された分野以外に、サブカル誌などで取り上げられたことが大きいとされる。当時の若者のサブカルブームも相まって、一般の認知度が増していった。また当時は、性的な意味合いは少なく、ショタコンの女性にとって、少年は癒しやほのぼのとした感情をもたらす対象とみなされていた。1990年代後半には、萌え属性の概念の発達により、ネット上でショタ萌えの用語も使われ始めた。
- 1998年、1999年
- 「現代用語の基礎知識」で「ショートアイズコンプレックス」説が掲載される。
ショートアイズとは「目と目の間が狭い少年」という意味であったが、同時にミゲル・マイキー・ピニェイロの1975年の小説名でもあり、児童暴行犯を指し示す隠語でもあった。だが、現代用語の基礎知識であっても、1996年発売の1997年度版においては単にロリコンの正反対のものとして扱われていた。突然出現した説であったため、この頃話題となっていた児童ポルノ法に関係しているのではないかという説もある。
- 1999年
- ROMEOをはじめとする、多くの成年向けショタ系アンソロジーコミックが休刊・廃刊。
同年公布、施行された児童ポルノ法では、当初漫画も規制される方針であった。後にこの方針は撤回されたが、万が一のリスクをおそれた出版社側が、自主的に休刊・廃刊をしていった。
- 2000年~
- 性的指向の強い同人誌が、多くの割合を占めるようになり、その中でも更に細分化された。
- 三次元(実写)の少年を扱った写真やビデオの存在が、広く知られるようになり、それらも含めてショタコンと呼ばれる場合がある。
ミレニアム前後から、直接的な表現を用いた性的指向の強い同人誌が増え始め、対象となる少年の年齢や、アニメーションや、カップリングなど、嗜好が細分化されていった。また、ショタコンの同人イベントなどの参加者は、その大半を男性が占めるようになる。本来は女性の異性愛を指し示す用語であったはずのものが、この頃から男女双方に対して用いられる現象が現れだす。
[編集] 主なショタキャラ
人気作品の殆どにそれらは存在する。作品自体に人気はないのにショタキャラだけが有名な作品もある。
- 月野コン太 (クラッシュビーダマン)
- 小暮駆 (おねがいマイメロディ)
- 李小狼 (カードキャプターさくら)
- 埴乃塚 光邦 (桜蘭高校ホスト部)
- ブリジット (ギルティギア)
- ネギ・スプリングフィールド (魔法先生ネギま!)
- 翆藍 (旋光の輪舞)
- 渡良瀬 準 (はぴねす!)
- 宮小路瑞穂 (処女はお姉さまに恋してる)
- 伊集院炎山 (ロックマンエグゼ)
- 日向 冬樹 (ケロロ軍曹)
- 三船 伝助 (エイケン)
- 綾崎 ハヤテ (ハヤテのごとく!)
- 進藤 ヒカル (ヒカルの碁) etc...
[編集] ショタ系漫画雑誌
- 好色少年のススメ 1~11巻
- 少年嗜好シリーズ 1~6巻
- 余・少年嗜好
- 終・少年嗜好
- 魁・少年嗜好
- 愛・少年嗜好
- 極・少年嗜好
- 真・少年嗜好
- ミルクキッズ
- 真・ショタ嫐り
- 少年嗜好SS
- 少年嗜好S
- 少年嗜好 女装スペシャル
- 少年嗜好R
[編集] 過去の漫画雑誌
- 少年愛の美学 1~17巻
- 少年浪漫 1~3巻
- ぷち→D
- ROMEO
- U.C.BOYS
- PET BOYS