シャー・ナーメ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『シャー・ナーメ』 (شاهنامه, Šāh nāmah)とは、叙事詩人フェルドウスィーがペルシア語で作詩したイラン最大の民族叙事詩。約6万対句にも及ぶ大作である。『王書』とも訳される。
980年頃より作詩に着手、30年以上の年月をかけて作詩され1010年に完成する。その内容は、古代ペルシアの神話、伝説、歴史の集大成であり、最初の王カユーマルスからサーサーン朝滅亡に至る4王朝歴代50人の王の治世が述べられている。
特に聖王ジャムシード(アヴェスターのイマ王)や、暴君ザッハーク (アヴェスターのアジ・ダハーカ) 、英雄ロスタムとその息子ソホラーブの悲劇などは良く知られている。
ただし、イランがイスラム化された以後に作詩された叙事詩なので、ゾロアスター教やそれ以前に由来する神話に関しては、一神教の教義に抵触しない様な改変がなされている。