ザナドゥ (ゲーム)
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ザナドゥ | |
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ジャンル | アクションロールプレイングゲーム |
対応機種 | PC-8001 PC-8801 PC-9801 X1 FM-7 MSX/2 Windows |
開発元 | 日本ファルコム |
発売元 | 日本ファルコム |
人数 | 1人 |
メディア | [PC-8001] 5'FD [PC-8801] 5'FD [PC-9801] 5/3.5'FD [X1] 5'FD/TAPE [FM-7/77] 5/3.5'FD [MSX] ROMカセット [MSX2] 3.5'FD [Win] CD-ROM |
発売日 | [PC-8001/8801] 1985年10月28日 [X1] 1985年11月15日 [PC-9801] 1985年11月21日 [FM-7/77] 1986年1月7日 [MSX2] 1987年8月 [MSX] 1987年11月6日 [win(アンバランス)]1998年12月4日 [Win] 2002年8月30日 |
価格 | [PC-8001/8801] 7800円 [X1] 6800円 [PC-9801] 7800円 [FM-7/77] 7800円 [MSX/2] 7800円 [win(アンバランス)]3980円 [Win] OPEN |
売上本数 | 約40万本 |
その他 | 続編として「XANADU SCENARIO II」がある |
『ザナドゥ』(XANADU)は、1985年に日本ファルコムが発売した、パズルゲーム的要素を強く持つアクションロールプレイングゲーム。8ビットパソコン向けに多く発売された。
目次 |
概要
サイドビューのブロック単位移動によるジャンプアクションを基調とする。敵キャラクターとのエンカウント(接触)によって戦闘画面に切り替わり、トップビューのドット単位の移動によるアクションゲームを行なう。
熟練度
戦闘を繰り返す事による経験値の蓄積によって主人公が徐々に強くなる他、装備品の熟練度も用意されている。
- 敵を武器(魔法)で攻撃することで攻撃に使った武器(魔法)の熟練度が上昇し、敵に与えるダメージが大きくなる。
- 敵の攻撃を正面から受け止めることで盾の熟練度が上昇し、敵から受けるダメージが減少する。
- 敵の攻撃を横もしくは背中で受け止めることで鎧の熟練度が上昇し、同じく敵からのダメージが減少する。
- 敵の魔法を受ける事によって、盾および鎧の熟練度が同時に上昇する。
- アイテムを使用することでアイテムの熟練度が上昇し、ポーションは回復量が増加し、一定時間効果が持続するタイプのアイテムについては持続時間が長くなるなどの効果がある。
限られた敵の数
ゲームデザイン用語としてのリソース管理、すなわちゲームに登場する有限な物品の利用方法は敵の数にも及ぶ。フィールドで出現する敵モンスターについては、通常4回倒すとその後は二度と出現しなくなるほか、4回目に出現するモンスターはそれまでのモンスターと能力値や持っているアイテムが異なるなどの特性があり、プレイヤーにはその点を把握した戦闘が要求された。
経験値を蓄積するためには敵を倒す必要があるが、後に入手する武器防具の育成のために敵を残しておく必要がある。しかし序盤に敵を倒さなければ高価な武器防具は購入することができない。またボスキャラや重要アイテムなどが置かれている塔の中を探検するには鍵(1回使うとなくなる)が必要になるのだが、鍵の値段はレベルアップするとそれに伴い上昇するため、できればレベルが低いうちに買いだめしておきたいところ。しかし、レベルが低いと敵を倒すことが難しく資金が集まらないため、購入資金を集めるためにある程度レベルを上げざるを得ない。このように相反する要素の管理能力が問われるゲームであり、極めて特異な難易度要素を持つ。
また、アイテムを入手するためには最後の1匹を必ず白兵戦で倒さなければならないなど、戦闘には様々な条件が絡み合っている。
カルマ
さらにザナドゥ独特の概念としてカルマがある。これはある特定の「本来倒すべきではない敵」を倒してしまった場合や、セーブ時に十分な金額を持っていない場合などについてしまうパラメータで、これが0でないと寺院に入ることができなくなり事実上レベルアップが困難になるほか、最終面の塔に入れなくなる。
ただし、ステージ移動時やボスキャラ挑戦時などの自動セーブは対象外となる。そのため、これらをセーブポイントとして利用するのが普通だった。
カルマはブラックポーション(自分のHPを半減させる毒)を取ることで5ずつ下げることができるが、当然のごとくこのブラックポーションの数も限られているため、下げるにも限界がある。さらに、シナリオIIではカルマの下がらないブラックポーションも多数配置されていたため、当時のゲーム雑誌では「カルマを下げるブラックポーションの見分け方」といったネタが頻繁に取り上げられていたほどだった。なお、カルマの下がるブラックポーションは白いハイライトが5ドットで描かれているのに対し、カルマの下がらないものは4ドットで描かれている。
何も知らずにカルマをあげつつレベルアップし、最後の局面で取り返しのつかないことに気づき、全てを失う感を与えられるゲームは今でもそう多くないのでは。
重量の概念
続編の『ザナドゥ・シナリオII』では持ち物の総量によって重量の概念が生じる。鍵や食料、薬品などの消耗品を無駄に多く持っていると落下によるダメージが増えるほか、逆さつららの上に乗ることでもダメージを受ける。この重量の概念の追加により管理要素が更に多元化している。
これは初代ザナドゥのキャラクタメイキング時に、特定のキャラクター名で開始した場合にすべてのアイテムを255個持った状態でスタート出来たり、ある特定のカリスマ値に設定した場合、隠し要素である「謎のアイテムショップ」を利用することで、大量のアイテムを持った状態でゲームをスタートすることが可能になっていたことの反省から生まれたものと言われている(特定のカリスマ値でゲームを有利に展開出来るのはFM-7版のみ)。特にシナリオIIの1面はスタート地点の両脇にいきなり逆さつららが配置されており、これは事実上の「アイテムショップ封じ」と言われている。
難易度上昇の功罪
こうしたシステマティックな難易度構造によるゲームの高度化を提唱した本作の功罪に対する答えとして同社はゲームはやさしさの時代へをキャッチコピーとした『イース』シリーズを着手。同社のダブルスタンダード構造を作り出し、コンピュータゲーム市場における地位を絶対的なものとすることに成功している。
テープ版
ザナドゥ発売当時は、すでにフロッピーディスクドライブが普及しており、媒体はフロッピーディスク2枚組みであったが、唯一X1版にはフロッピー版の他にテープ版も用意されていた。これは、X1のデータレコーダが他機種に比べ2~3倍の読み取り速度性能であったことと、コンピュータ側からデータレコーダの動作を制御して擬似ランダムアクセスが出来たことによる。とはいえ、テープはフロッピーディスクに比べればはるかに遅いため、ユーザディスク(ユーザテープ)の作成に1時間近い時間を要した。また、装備を変えるだけでもキャラクタグラフィックを読みに行くなど、プレイには相当の忍耐力を要した。しかし、グラフィックがやや簡略化されているものの、内容はディスク版と完全に同じであり、カセットテープ媒体のソフトウェアとしては最高峰の作品であると言える。
ROMカートリッジ版
MSX(1)版はROMカートリッジを使用しており、単一BGMのみの他のパソコン版とは異なって、複数のBGMがPSGで奏でられる。この曲はファルコム・スペシャルBOX'91のDISC3にも収録された。またパッケージはイラストが描かれた物となっている(先行して発売されたMSX2版はフロッピー版で、内容は他のパソコン版と同様)。
セールス記録
国内のパーソナルコンピュータ用のセールスソフトとしては、流通出荷調べで売り上げ本数40万本を記録し、2005年現在もこれを越える記録は無いとされている。
シリーズ
『ドラゴンスレイヤー』シリーズの2作目に当たる。
- オリジナル発売の翌1986年には大幅改修した『ザナドゥ・シナリオII』が発表された(機種によっては発売されていない)。
- 古代祐三のデビュー作でもある。
- 後のファザナドゥ(ファミリーコンピュータ版、ハドソン発売)、風の伝説ザナドゥ(PCエンジン版)は名前が共通だがゲーム内容は全くの別物。
- 1995年にはPC-9801シリーズ向けにリメイクされた『リバイバルザナドゥ』が発売される。内容は完全に初代『ザナドゥ』のリメイクとなっていた。
- 同年には続いて『リバイバルザナドゥ2』も発売されるが、こちらは『ザナドゥ・シナリオII』のリメイクではなく、マップを新規に書き起こしている他、モンスターも半数以上が入れ替えられるなど、ザナドゥのゲームシステムを使った事実上の新作となっている。
- 1997年11月6日には、セガサターン用ソフト、ファルコムクラシックとしてドラゴンスレイヤー、イースと共に収録された。サターン版の内容はリバイバルザナドゥの移植に近い。
- 1998年にはアンバランス社よりWindows版「ザナドゥ」が発売される。こちらはXPに非対応である。
- 2002年には『完全復刻版ザナドゥ』がWindows版で発売されている。
- 同年にはプロジェクトEGGにより『ザナドゥ/ザナドゥ・シナリオII』『リバイバルザナドゥ』『リバイバルザナドゥ2』がオンライン販売の形で発売されたが、2005年6月より「WindowsXP保障バージョンの一斉メンテナンスの為」として販売が停止されている(現在のところ販売再開の時期は不明)。
- 2005年10月27日に、3Dポリゴン画像による完全新作のWindows用ソフト『ザナドゥ・ネクスト』が発売された。
関連商品
アニメ
コミック
ザナドゥ ドラゴンスレイヤー伝説 1 (角川書店ドラゴンコミックス/1987年) 都築和彦/著 ISBN 4-04-926002-6
- 上記アニメの原作。近未来SF世界の兵士が突如ファンタジー世界に飛ばされてきて、国を巡る邪悪な魔法使いとの戦いに巻き込まれるというストーリー。「ドラゴンスレイヤー」という名の剣が出てくるくらいで、内容は全く本ゲームに関係ない。ちなみに一巻ラストは「ドラゴンスレイヤー伝説は始まったばかり……」といういわゆる少年ジャンプ打ち切り漫画的なアオリで終結する。二巻以降は刊行されていない。リバイバルザナドゥ発売時にひっそりと再販されたりもした。ちなみにMSX版ザナドゥのパッケージイラストにはこのコミックスの表紙イラストが流用されている。
関連項目
- ザナドゥ・ネクスト
- 風の伝説ザナドゥ
- 風の伝説ザナドゥII
- ドラゴンスレイヤー
外部リンク
- ザナドゥ・ネクスト公式サイト
- XANADU SERIES -ザナドゥ シリーズ- - 発売機種・メディア一覧
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