サラ金カード
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- 金融機関やクレジットカード会社・信販が発行する融資カードはローンカードを参照。
サラ金カード(さらきんかーど)とは、ここでは「消費者金融」(通称「サラ金」)に分類されている会社が、その利用客に発行している融資カードのことを指す。
1970年に銀行等でCDの設置が浸透し始めたことから、同時期にマルイト(現アコム)や信販会社(→ローンカード)が、1980年代には専業会社が次々にCDの設置とキャッシングカード開始した。これにより、借入の都度店頭窓口に出向く手間が省けるようになる他、1990年代に登場した自動契約機とCD・返済も受け付けるATMとの2点セットで、消費者金融全体の無人店舗の大量出店にも繋ることとなる。
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[編集] カード提携先
前記と同じく1990年代になると、消費者金融と信販会社のCD間で相互にカード利用提携が盛んに行われ、1990年代後半、特に2000年の銀行系消費者金融の参入によって銀行・信用金庫などの金融機関でのATM、近年はゆうちょATMやコンビニATM、ビューアルッテなどのステーションATMでも利用出来るように広がっている。
それまで自分の発行会社でしか利用できなかったカードが、銀行やコンビニ・郵便局のATMにおいてキャッシュカード感覚で手軽に引き出す事が出来るようになり、サラ金に出入りすることに抵抗感を持つ層(主に若者や女性)の呼び込みに成功するものの、自分の預金・資産と錯覚してしまうことで、自己の返済能力を超える借入に陥りやすいことも懸念されている。(→クレサラ問題)
[編集] クレジットカード
近年ではJCB・MasterCardのクレジットカード機能が付加されたカードの発行を行っている大手専業会社もある。クレジットカードとして日常のショッピングや公共料金などの支払いに使える他、海外のショッピングや提携CDを用いたキャッシングに活用出来る。 また、定職に就いている者(或いは、先の扶養者)や学生でないと、銀行系カード会社等では書類上で判断するためクレジットカードの発行が難しいとされるが、この消費者金融のクレジットカードは対面与信要素が有るので、フリーターでも継続的な収入があれば発行され易い様である。
しかしながら、文頭の様にキャッシングカードにクレジットのショッピング機能を付けたという印象が濃く、キャッシング利用枠の他にショッピングの利用枠を付加したり、キャッシング利用枠の中にショッピングの利用枠を付けるなど、あくまでキャッシング利用主体の様である。
また、支払い方法がリボルビング払い専用の場合は、消費者金融の借入と同じく指定の約定弁済(返済)日までにミニマムペイメント(最低支払額)以上をカード発行元の消費者金融のATMや窓口で入金、または振込・口座引落するとその月の支払は完了する。ジェーシービーの「アルバラ」などのリボルビング払い専用カードと同じく、ミニマムペイメントだけ支払い、残高があれば余裕資金を都度返済することが可能である。
ちなみに、消費者金融で初めてプリンシパルメンバー (MasterCard) 獲得とクレジットカードの発行を始めたのはアコムで、発行が開始されたのは1999年4月からである。
なお、VISAブランドのカードを発行しているサラ金は現在のところ無い。(※レイクを展開するGEコンシューマー・ファイナンスは、別事業でGE (VISA/JCB) カードを発行しているためここでは除外する。)
- 主な発行会社についてはクレジットカード (日本)を参照の事。
[編集] 専業会社発行のMasterCardについて
MasterCardの加盟店開拓・発行権(プリンシパルメンバー)を保有する会社は、自社でMasterCardの発行とMasterCard加盟店の開拓を行う事が出来るが、個人経営などの小規模な店舗を中心に積極的に加盟店開拓を行っているのは武富士のみで、それ以外の会社はカードの発行と会員管理を中心に展開している。
一方、日本でのMasterCardに限って、カード所持者(ホルダー)の発行会社と加盟店が契約しているクレジットカード・信販会社(アクワイヤー)との組み合わせによってはCAT端末でカードを識別出来ずに、昔ながらの複写式伝票とインプリンタを用いたり、電話で承認を行うなどのことが稀にあるが、特に消費者金融が発行するMasterCardは発行枚数や実績などが多くないためか、それに遭遇し易い様である。
[編集] 広告などの注意点
ヤミ金や保証金・貸します詐欺など悪徳業者が作成した広告やチラシなどで、「当社ご利用の方にはコンビニATMで引き出せる(借りられる)キャッシングカードを発行します」や、VISAなどのクレジットブランドのロゴマーク・意匠を合成して「当社ご利用の方にクレジットカードを発行します」などと宣伝する所も多いが、明らかにガセであるため充分注意されたい。(※注)
なお国際クレジットブランド意匠の侵害でも有る為か、明らかに騙す為なのか定かではないが「VIZA」などと表記する業者もある。
※実際に使えるキャッシングカードを発行している中規模の消費者金融も幾つかある。
[編集] 関連項目
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