サブラクセーション
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サブラクセーション(subluxation)とは、カイロプラクティックにおいて関節面の接触が保たれつつ、運動分節の配列、動きの一貫性さらには生理学的機能が変化している状態を指す。英語ではsubluxationと綴るが、これは医学的な直訳の意味である亜脱臼とは異なり、カイロプラクティック独特の用語である。
神経、筋肉、人体、血管および結合組織の複雑な作用によって起こる運動分節機能異常の理論を「複合サブラクセーション」という。またこれらの病理学的もしくは機能異常的な徴候や症状を一まとまりに、「サブラクセーション症候群」と呼ぶ。
まだ科学がそれほど発展していなかった20世紀初頭のカイロプラクターの間では、「サブラクセーションは、一つの椎骨が上下の関係において正常な位置より変位しているために神経圧迫を起こし、脳からの神経エネルギーの伝達を妨害し病気が起こる」と考えられていた。現在の研究では神経圧迫論よりも体性体性反射、体性内臓反射、内臓体性反射など反射を基軸とした生理学的な解明が進んでいる。