グローバル資本主義
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グローバル資本主義(グローバルしほんしゅぎ)は、国家間の障壁を取り除き、自由化を推し進めた資本主義のグローバル化のこと。新自由主義を世界規模へ適用したとも言われる。
[編集] 概要
20世紀後半に主にアメリカ合衆国主導の市場原理主義に基づく新自由主義経済政策が世界各国へと導入された。冷戦時代からその兆候は既に見られていたが冷戦終結はその流れを加速させた。それは世界の市場経済の一極化、単一化を計り、国際通貨基金 (IMF) などを通じて推し進められた。
その経済の特徴のひとつは、財やサービスの取引とは無関係な巨額な投機的資金の存在である。瞬間的利益を求めて世界中を駆け巡り、一国の経済を左右するまでになっている。もうひとつは、国民国家の国内総生産 (GDP) をゆうに凌駕する巨大多国籍企業の存在である。非先進国で生産を行うことにより人件費を極限まで抑制し、市場を獲得するために、国境を超えてカネ、モノを自由に動かしている。
[編集] グローバル資本主義への反発
批判側は、このような弱肉強食の市場原理の経済が、人々の福祉や基本的人権を保障する民主主義的諸機関ならびに主権国家をも従属させながら世界を席巻しているのが問題とする。(→反グローバリゼーション) 米国はコンピューターOS (Microsoft Windows) やWeb検索システム (Google)、金融業(ゴールドマン・サックス)、鉱工業、農業、技術標準などあらゆる面で世界の市場の支配と一極化を指向している。そのためアメリカ式の政治・経済政策を他国に無理矢理押し付け、結果的に貧富の拡大や環境破壊など様々な問題を引き起こしたのではないかと言われている。世界中どこでもマクドナルドやケンタッキー、ウィンドウズが見られる光景はけっきょくアメリカ国内で見られる文化を他国に輸出しているに過ぎず、「グローバリズム」ではなく「アメリカリズム」にしか過ぎないと考えられている。
近年は世界のグローバル資本主義化の反動で南米では反新自由主義の左派政権の誕生が相次いでいる。また、技術面でも非アメリカとオープン・リベラルへの指向が高まり、欧州やアジア・南米各国での相次ぐ政府のLinuxOSの推進や、ESA(欧州宇宙機関)と日本を含む各国による新GPS「ガリレオ計画」の推進などがある。
[編集] 関連項目
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