グイン・サーガ
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『グイン・サーガ』は、栗本薫作のヒロイック・ファンタジーであるベストセラー小説シリーズ。豹頭の戦士であるグインを主人公に、彼と彼を取り巻く多数のキャラクターの生き様を描いた小説である。1979年に第1巻『豹頭の仮面』が刊行。初期から正編のみで全100巻という構想が明かされていたが、2005年4月に正編第100巻が刊行された。ここまででも単一の作家による小説としては世界最長と考えられるが(『宇宙英雄ペリー・ローダン』は複数作家の執筆)、100巻達成時点では物語の完結にまだ多くの展開を残しており、どこまで続くかは作者自身にも予想がついていない。2006年12月現在、正編が111巻、外伝が20巻(上下巻1編を含むため21冊)発売されている。100巻時点での発行部数は累計2600万部。
発表形態としては、ハヤカワ文庫から書き下ろしで発売される(外伝の一部は先行して雑誌掲載された)。カバーイラストは加藤直之、天野喜孝、末弥純、丹野忍が手がけている。2003年には、米vertical社より英語題Guin Sagaとして英語翻訳され、現在第4巻『ラゴンの虜囚』までが出版されている。2005年にはBlanvalet Taschenbuchverl社よりドイツ語題Die Guin Sagaとしてドイツ語訳され、同じく第4巻まで出版されている。
また、外伝『七人の魔道師』が柳澤一明の作画で漫画化されている(メディアファクトリー・月刊コミックフラッパー連載)。最長記録は「ギネスブック」には掲載されていない。詳しくはギネスブックへの申請を参照。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] あらすじ
モンゴール軍の奇襲により、中原の歴史ある国パロは滅亡の危機に瀕していた。国王が討ち取られる混乱の中、パロ王家に太古より伝わる物質転送装置を用いて、レムス王子とリンダ王女は友邦国へと逃がされようとしていた。が、座標設定に狂いが生じ、二人はあろうことか敵勢力のまっただ中、モンゴールの辺境へと転送されてしまった。
敵の一隊に追いつめられた二人の前に現れ、その窮地を救ったのは、豹頭人身の異形の超戦士であった。彼は、「グイン」という自分自身の名と「アウラ」「ランドック」という言葉を除き、全ての記憶を失っていた。
程なくして、一帯を支配するスタフォロス城に投降した三人。投獄されたグインらは、隣の牢にいた若き盗賊、後にゴーラの王となるイシュトヴァーンと出逢う。蛮族セムの襲撃に乗じてスタフォロス城から逃亡した三人にイシュトヴァーンが加わり、レムスとリンダのパロへの帰還の旅が始まる。
[編集] 主要な登場人物
この物語の主人公はグインに他ならないが、常にグインを中心に語られるわけではない。他に主役級とされる登場人物や、中原の三大国をはじめとした諸国の宮廷、ときには庶民や脇役の視点までをも交えながら物語が展開していく。
物語中、歴史はよく運命神ヤーンの織るタペストリーに例えられる。物語のカギを握る人物を糸とし、彼らがたぐり寄せられ愛憎や因縁を生みながら綴られていくのである。
[編集] 主人公
主役級とされる8人について以下に述べる。
- グイン
- 主人公。己の出自の記憶がない豹頭人身の男。後のケイロニア王。冷静沈着な性格。世界最強の戦士で巨大な生体エネルギーの塊。ノスフェラスの星船やカイサール転送機(パロの古代機械)からはマスターと認識される。この世界の外の文明圏(ランドック)からある目的の為に送り込まれたらしい。セム族・ラゴン族からは「リアード(豹)」と呼ばれる。ノスフェラスや黄昏の国の魔界の住人たちからも王として崇められている。後にケイロニア皇帝アキレウスに仕えるが、その究極の忠誠心は運命神ヤーンにあるという。アキレウスは彼をヤーンに道具として使われる「ヤーンの器」と呼んだ。
- レムス
- レムス・アル・ジェヌス・アルドロス、パロ王子、後にパロ聖王レムス一世。幼少の頃はおとなしい性格で、リンダの影に隠れ目立たない存在だった。リンダやナリスに対して強い劣等感を抱いており、それがカル=モルの怨霊やヤンダル・ゾッグなどにつけ込まれる隙となった。沿海州のアグラーヤの王女アルミナを妻に迎え、息子が誕生するが……。プラチナブロンド、紫色の瞳。
- リンダ
- リンダ・アルディナ・ジェイナ、パロ王女。レムスの双子の姉。幼少時は紫色の瞳でレムスと瓜二つの容貌で「パロの二粒の真珠」と呼ばれたが、レムスとは反対に活発な性格で、お転婆娘だった。予言の力を持つ巫女であり、その能力は劇中で幾度か発揮され、意味深長な言葉の数々を残している。イシュトヴァーンのことが好きだったが……
- イシュトヴァーン
- ヴァラキアの娼婦の子。父は不明。掌中に珠を握って生まれた。生後占い師に、「将来『光の公女』と出会い、王になる」と予言され、古の王の名をつけられた。伝説の賭博師コルドに育てられ、博打の腕前は超一流である。自己流ながら剣の腕もかなりのもの。チンピラ、海賊、傭兵、盗賊、後に騎士から将軍、そしてゴーラ王へ。「災いを呼ぶ男」「紅の戦士」と呼ばれる。黒髪、黒曜石のような瞳。
- アルド・ナリス
- パロの王子。クリスタル公。レムスとリンダの従兄で、王位継承権はリンダに次ぐ。黒髪と黒い瞳の美貌の麗人で「典雅の裁決者」と呼ばれ、レイピアの達人、キタラの名手、その他にも多芸多才な文武両道の天才だが、実は努力の人である。先王の長男であった父親が、弟と王位を争って破れたことが、彼とディーン(マリウス)を日陰者の身分とする原因となるが、実力で宮廷に自らの地位を築き上げる事に成功した。
- モンゴール軍の奇襲に際しては、軍司令官として陣頭指揮を取ったが、緒戦で負傷し、身を隠す。その後、モンゴール占領下のパロでヴァレリウスらと謀略を巡らせ、見事パロ解放の立役者となる。その途上でイシュトヴァーンを部下とし、互いに共感を持つが、リンダを巡る行き違いからイシュトヴァーンは旅立ってしまう。
- その後、レムス国王派から反逆の嫌疑をかけられて拷問され、健康を害する。これはキタイの竜王ヤンダル・ゾッグの陰謀によるものであった。キタイの傀儡と化したレムスに反旗を翻し、神聖パロの独立を宣言し王となるも、イシュトヴァーン率いるゴーラ軍に囚われる。その後、念願であったグインとの会談を果たした直後に急逝。
- なお、情報の収集・分析に長けた彼が、黒竜戦役の折のモンゴール軍の動向に気づかず奇襲を受けたというのはいかにも不自然である。作品中にはこのとき既にモンゴール軍にはヤンダル・ゾッグの魔道師が潜入しているなど魔道が及んでおり、パロの魔道士を欺いたのでは?との疑惑がささやかれている。また、グラチウスがナリスに対して叔父である国王が彼の不遇の原因であると吹き込み、反逆を教唆している事実がある。(外伝「十六歳の肖像」)
- マリウス
- 美声の吟遊詩人。実はアルド・ナリスの異母弟アル・ディーン王子。極端な放浪癖の持ち主。キタラ(ギターやリュートに似た弦楽器)の弾き語りが得意で、その歌は地獄の番犬ガルムも眠らせてしまう。流浪の一族ヨウィスの民の血をひき、父の愛妾であった母をもつとはいえ、とても王家の出とは思えない庶民派である。とてつもない早口のおしゃべりでもあるが、これは幼少時にナリスやリギアに言いたい事を全て先回りして言われてしまっていた反動でもあるらしい。一時期モンゴール宮廷に入り込み、アムネリスの弟ミアイル公子と心を通わせるが、ナリスが彼を暗殺させた事に衝撃を受け、兄やパロとの決別を決意する。ミアイルが特に好きだった「白鳥の歌」は、今なお彼の歌う事のできない唯一のレパートリーである。後にケイロニアの皇女であるオクタヴィアと結婚し、娘マリニアを儲けるが、やはり宮廷生活にはなじめず出奔し、離婚同様の状態になっている。
- アムネリス
- アムネリス・ヴラド・モンゴール、モンゴールの公女将軍。後にモンゴール大公。金髪と緑色の瞳を持ち、ナリスから「光の公女」と呼ばれるほど美しいが、世間知らずで幸薄き女性。イシュトヴァーンと結婚し、ゴーラ王妃となるが裏切られ、イシュトヴァーンとの間に生まれた息子にドリアン(悪魔王ドールの子の意味)と名付け自害。
- スカール
- 草原の国アルゴスの王弟で元王太子。黒を基調とした衣服を身にまとい、王太子時代には“黒太子”と呼ばれていた(廃嫡後も通称として使用する事を許可されている)。草原の戦士(騎馬民族)を率いる。窮屈な王都の暮らしを嫌い、彼らとともに草原で暮らしている。グル族の族長グル・シンの娘リー・ファを愛人としていたが、イシュトヴァーンに殺害され、以後彼を仇敵として太子の地位も投げ捨てつけ狙う。その後、リギアと相思相愛になるが、リギアはナリスの許に留まった為、同行はしなかった。ロカンドラスに案内されてノスフェラスの星船を訪れた際に放射線障害を患い、さらにグラチウスの無理な延命治療の悪影響を受け、余命は僅かと思われたが…。
[編集] パロ陣営
三千年の歴史をもつ、中原随一の文明国。同時に、多数の魔道士を仕官として抱える魔道大国でもある。王宮の地下には、いにしえの超文明によって作られた転送機械(“パロの古代機械”と俗称される)が眠っており、究極の秘宝として王族によって代々管理されてきた。この物語は、決して侵略されることのないと思われていたパロが、新興国モンゴールに急襲された(黒竜戦役)ところから始まる。
- ヴァレリウス
- パロの上級魔道師。後にパロ宰相となる。苦労人でやや根暗だが意外にひょうきんでもある。リギアに想いを寄せる。孤児であった自分を拾い世話してくれたリーナスと、その父で宰相のリヤ大臣には忠誠を捧げていたが……。神聖パロ王国宰相。
- リギア
- 聖騎士侯ルナンの息女で、女性ながら聖騎士で、武人らしくさっぱりした性格である。アルド・ナリスとアル・ディーンの乳兄弟で、幼少時は彼ら兄弟とともにマルガの湖畔で育った。奔放な女性で、スカールと相愛。
- ヨナ・ハンゼ
- 王立学問所の学生、後に教授。暴力を否定するミロク教徒。イシュトヴァーンとは幼馴染で、その馴れ初めは外伝「ヴァラキアの少年」に描かれている。神聖パロ王国軍参謀長。
- アモン
- レムスの息子。人では考えられない速度で成長し、クリスタルを魔都に変えた。キタイの竜王の単なる傀儡かと思われていたのだが……。
- ロルカ、ディラン、ヤルー、アルノー、ギール、他
- パロの魔道士達。一説によると魔道士部隊はタマネギ部隊がイメージモデルであるとか。
- なお、魔道「士」は魔道をもって国に使える一兵卒であり、魔道「師」は魔道師ギルドから認められ免状を与えられた資格である(ヴァレリウス談)。従って、魔道士のほとんどは魔道師であるが、魔道師はかならずしも魔道士とは限らない。
- リーナス
- パロの聖騎士。名家の坊っちゃん。幼少時は賢い良い子であり、ヴァレリウスに親切にして彼が身を立てる助けとなったりもしたが、成人した後は見事にただの人となる。クリスタル公の懐刀などと呼ばれた事もあるが全てはヴァレリウスの功績で、本人はお人好しのぼんぼんである。パロ内乱に際して、キタイの竜王によって非業の死を遂げ傀儡とされる。
- リヤ
- パロの大臣であり宰相。リーナスの父。ヴァレリウスとヨナを引き取り養育した。黒竜戦役の際、レムスとリンダを古代機械で草原の盟邦アルゴスへ転送しようとして座標を誤り、モンゴール辺境のルードの森へと転送してしまった。その直後にモンゴール兵に殺害される。
- 後のナリスの推論によれば、実は彼もまたキタイの竜王に操られており(外交使節としてキタイへ赴いた際に“魔の胞子”の類の術を植えつけられたのではないかという。なお、ヨナを拾ったのはその帰途)、双子をキタイへと転送しようとして失敗したのだという。そもそも古代機械は彼に操作できたはずがない、との事。
- フェリシア
- 傾国の美女。アルシス(ナリスとディーンの父)、アル・リース(リンダとレムスの父)の両王子が争うが、ケイロニアの大使と結婚。その後、十数回の離婚と結婚をするが、未だに美しさは衰えない。一時はアルド・ナリスとも付き合っており、彼の初めての相手でもあった。 サラミス公の妹。
- アドリアン
- カラヴィア公アドロンの息子。リンダに恋をする。魔都と化したクリスタルの虜囚とされ、リンダと共にグインに救出されるが、古代機械で脱出する機会をスニに譲り、自らは再び囚われの身となる。未熟ではあるが善良な好青年。
- ルナン
- パロの聖騎士伯にしてリギアの父。うるさ型の頑固親父。アルド・ナリスの父アルシス王子が弟と王位を争った時、有力な武将の中ではただ一人アルシス王子に組した。忘れ形見であるナリスとディーンの兄弟の養育を引き受け、娘リギアとともに武骨ながらも愛情と忠誠の全てをナリスに捧げる。パロ内乱に際してはナリスの最も有力な味方となる。ナリスを追って殉死。
- アルミナ
- 沿海州のアグラーヤ国王ボルゴ・ヴァレンの娘。レムスの妃となる。アモンの母。
- ファーン
- ベック公。アルドロスIII世(アル・リース)の甥(王位継承権所有者)でパロの大将軍。パロ内乱の際ヤンダル・ゾックの魔道にかかり操られてしまう。
[編集] ゴーラ陣営
ユラニア、クム、モンゴールの三公国に分かれる。ゴーラ皇帝によって治められていたが、既にその権威は失墜している。
- サウル
- (サウル・メンデクス・ブロス・モンゴーラIII世)ゴーラ帝国最後の皇帝サウル130世。ユラニア大公によりバルヴィナ市城に半ば幽閉され、傀儡とされてきたが、グインのおかげでその鼻を明かす事ができ、満足のうちに程なくみまかる。
- ヴラド・モンゴール
- モンゴール公国初代大公。元々はサウル皇帝の騎士長だったが、功績をあげモンゴール公爵となる。その後領土を広げついには独立宣言しモンゴール公国を建国。娘アムネリスのパロ遠征中に病死。
- ミアイル
- モンゴールの公子。ヴラド大公の息子、アムネリスの弟。内気でおとなしい性格。ケイロニアのシルヴィア皇女との縁談が進められていた。守役のユナス伯爵が連れてきた吟遊詩人マリウスに懐いて、特に「白鳥の歌」がお気に入りだったが、ナリスの命を受けた魔道師ロルカに暗殺されてしまう。マリウスはその死に衝撃を受け、ナリスと決別する。
- アストリアス
- マルクス・アストリアス子爵。アムネリスに心酔する勇猛な若き騎士で「ゴーラの赤獅子」の名で呼ばれる。ヴァレリウスによって「死の婚礼」に際しての偽アルド・ナリスへの刺客とされた。クリスタルを奪還されたおり幽閉され、消息不明となっていたが……。
- マルス伯爵、マリウス
- マルス伯はモンゴールの将軍でアムネリスの後見人だったが、ノスフェラス遠征で戦死する。マリウス(マリウス・オーリウス)はその息子で、後のモンゴール再興の際には父の跡を継いでマルス伯を名乗る。
- グインに授けられた作戦により、「アルゴンのエル」という偽名を使ってマルス伯を欺き、部下もろとも焼き殺した事がイシュトヴァーンのトラウマのひとつとなっている。また、後にこの件が発覚して旧モンゴール勢力がイシュトヴァーン・ゴーラに反旗を翻す原因ともなる。
- フロリー
- アムネリスの侍女。イシュトヴァーンのお手つきとなり、宮廷に嫌気が差したイシュトヴァーンに半ば強要されて駆け落ちするはずだったが、土壇場でイシュトヴァーンが変心(ちょうどその日にカメロンがトーラスを訪れた為)。待ちぼうけを食わされたフロリーは、主を裏切った事への呵責から姿をくらます。後にミロク教徒となり、イシュトヴァーンの子どもを密かに出産。スーティと呼ばれるその男児は、ドリアンの腹違いの兄である。
- オル・カン
- ユラニア公国大公。三醜女の父。狡猾な面もあるが、統治者としてはどちらかといえば凡庸。「紅玉宮の惨劇」で殺される。
- オー・ラン
- ユラニアの将軍。中原最強の戦士の一人として“青髭”の異名を轟かす。グインの「正体」ではないか、と真っ先に名を挙げられる一人でもあった。実際的なユラニア政府の中心であったが、グインとの御前試合で敗れて腰に重傷を負い、体調を崩す。その後も祖国の危機に尽力するが病死。
- ネリイ
- ユラニア公女。世に名高い「ユラニアの三醜女」の次女。大柄で筋肉質、いかついイノシシのような風体だが、よりにもよって最も似合わない少女趣味のドレスを好んで身にまとう。武人としてはそこそこ有能である。
- エイミア
- 「ユラニアの三醜女」の長女。ひょろ長く、墓場の糸杉に例えられる。強欲で吝嗇、いつもみすぼらしい感じのなりをしている。クム三公子との婚礼の席で毒殺される。
- ルビニア
- 「ユラニアの三醜女」の三女。人呼んで「人間鯨(ガトゥー)」。巨大な肥満体で、自力では歩く事も立つ事もできない。砂糖菓子などをひっきりなしに食べ、外部の事に一切関心を持つ様子が無い。常人並みの知能があるか否かさえ不明である。やはりクム三公子との婚礼の席で毒殺される。
- タリオ・サン・ドーサン
- クム公国大公。タルー、タル・サン、タリクの三人の息子を持つ。どんぐりの背比べである息子たちを平等に育てようとしたが、これは結果的には失敗で、三人は事あるごとにいがみあう様になってしまった。彼自身は、自分に似て乱暴者のタルーと金にうるさいタル・サンを嫌い、タリクを贔屓している。アムネリスを手中にした時は、三人の誰かに与えて争いになるよりはと自分の愛妾にしてしまったあたりに苦労が偲ばれる。「紅玉宮の惨劇」において次男と三男を襲った長男タルーを倒すため兵を率いたが、ユラニア・モンゴール軍のカメロンに討たれる。
- タルー
- クムの三公子の長男。三馬鹿の中では最もがさつな乱暴者。何故かネリィと相思相愛となり、その婚礼の際にイシュトヴァーンやアリと謀ってユラニア大公家を皆殺しにし、父大公に反逆してユラニアとクムの支配者を名乗る。だが、所詮アリの陰謀に踊らされていたに過ぎなかった。
- タル・サン
- クムの三公子の次男。金勘定が趣味のネズミのような男で、タルーに殺害される。
- タリク
- クムの三公子の末弟。甘やかされたお坊ちゃん。やはり殺害されたはずだったが……。
- アリ
- モルダニアのアリストートス。醜い小男で、性格も相当歪んでいる。そこそこ頭は良く、イシュトヴァーンの軍師気取りで様々な謀略を巡らす。新生モンゴールの実質的な宰相となるが、嫉妬心からイシュトヴァーンのお気に入りだった子供を密かに惨殺した事などが逆鱗に触れ、カメロンらによって殺される。実はキタイの竜王の手先に操られていた。
- マルコ
- イシュトヴァーンの側近。以前はヴァラキア海軍所属だったがカメロンに従いモンゴールへ。カメロンが密かに組織した「ドライドン騎士団」の一員だったが、イシュトヴァーンのお気に入りとなってからはカメロンよりもイシュトヴァーン寄りの言動が目立つ。イシュトヴァーンがナリスに会う為に密かにパロへ赴いた時もただ一人同行した。ゴーラ王国建国後には近衛長官に任命される。
- アリサ
- イシュトヴァーンを反逆の疑いで告発し、逆に斬殺された元アムネリス親衛隊長フェルドリックの娘。父の仇であるはずのイシュトヴァーンに仕える。ミロク教徒。
- ドリアン
- イシュトヴァーンとアムネリスの子。イシュトヴァーン・ゴーラの第一王子。その名は悪魔王ドールに由来し、イシュトヴァーンへの恨みと呪いを込めてアムネリスが名づけたもの。黒髪は父親、色白の肌と緑色の瞳は母親譲り。
- オロ
- モンゴールの公都トーラスにある居酒屋「煙とパイプ亭」の主人夫婦の長男。兵役で軍人となり、辺境のスタフォロス城に配属される。曲がった事を嫌い、城主の意に反してグインを助ける。城がセム族の襲撃を受けた際、グインを庇って壮絶な戦死を遂げる。
- ゴダロ一家
- トーラスの下町・アレナ通り十番地で大衆酒場「煙とパイプ亭」を経営する、亭主ゴダロとっつあんとオリーおっかさん、次男のダン。後にダンは恋人アリスと結婚し、男女の双子を儲ける。店の名の由来はとっつあんの吹かす大きな水パイプ。名物はオリーおっかさん特性の肉まんじゅうで、カメロンも密かなファンである。マリウスとは縁があり、彼らはマリウスを三番目の息子と呼ぶ。出征したまま帰らぬ長男オロの行方が唯一の気がかりだったが……。
[編集] ケイロニア陣営
尚武の誉れ高い北の大国。ケイロン王国を中心に十三の王国が統合されて成立した、パロ、ゴーラとともに長い歴史を誇る国家。皇帝家と十二選帝侯によって、磐石の体制をしいている。十二選帝侯と十二神将そしてその騎士団を頂点とする強大な武力をもつが、他国への非干渉主義を貫き、平和を謳歌している。 首都サイロンの中心部にある「タリッドのまじない小路」には、世界中から魔道師が集まり、住処としている。そこは一種の異空間と化しており、「魔道師の数だけまじない小路が存在する」とも言われる。
- アキレウス・ケイロニウス
- 第64代ケイロニア皇帝。獅子心皇帝と呼ばれ、重臣や国民からの崇拝と信頼を集め、敬愛されている。娘オクタヴィアと孫マリニアを溺愛している。
- シルヴィア
- ケイロニア皇女。本来は単なる無邪気な我がまま娘であったが、周囲に翻弄されて心身を病んでしまっている。
- オクタヴィア
- ケイロニア皇女。アキレウス帝が愛し、マライア妃らによって奪われたユラニア女性ユリア・ユーフェミアの娘で、シルヴィアの異母姉。かつてはダリウス大公の陰謀の駒として利用され、イリスと名乗り男装していた。女性としては大柄で、剣の腕も立つ。後にマリウスと結婚、娘マリニアを儲ける。グインとキスした(解毒剤を口移しにしたのだが)数少ない女性でもある。
- マリニア
- マリウスとオクタヴィアの娘。つまりケイロニアとパロ両王家の血を引く。生来耳が聞こえない。祖父アキレウスは「マリちゃん」と呼んで溺愛し、この時ばかりは獅子心皇帝も好々爺と化す。
- マライア・タル・クラディン
- ケイロニア皇后。シルヴィアの母。クム大公タリオの異母姉。骨太であまり美人ではない(サウル皇帝とその側近にも「クムでまだ良かったがパロなら見世物小屋だ」と陰口を叩かれた)。非常に嫉妬深い性格。ユラニアの軍師ユディトー伯ユディウスと謀り、夫アキレウスを亡き者にしようとするが……。
- ダリウス・ケイロニウス
- アキレウスの弟。大公。兄を亡き者にして自ら帝位に就くか、傀儡の皇帝をたてようともくろむが……。
- ダルシウス
- 十二神将の一人、黒竜将軍。ケイロニアを訪れたグインを最初に傭兵として迎え入れた。グインの最もよき理解者だったが、老齢を押しての出陣の無理から病没。グインはその後継者として黒竜将軍に任ぜられた。
- ハゾス・アンタイオス
- ケイロニア宰相。十二選帝侯の一人、ランゴバルド侯。武人の多いケイロニアにあっては文人肌で知恵が回り、皇帝の右腕と称される。グインのよき友であり、股肱となる。
- アウルス
- 十二選帝侯の一人、アンテーヌ侯。選帝侯の長老格でケイロニア宮廷の実力者の一人。アキレウス帝とも気心の知れた仲である。
- ディモス
- 十二選帝侯の一人、ワルスタット侯。妻子持ちだが、ケイロニア宮廷では一番の美青年(ヴァレリウスの陰口によれば、ワルスタットはパロ国境に近く、パロの血が入っているから、だとか)で、面食いのシルヴィアに悩まされていた。妻アクテはアンテーヌ侯アウルスの娘。純朴で家庭を愛する善良な人物である。ハゾスの親友でもある。
- ゼノン
- 十二神将の一人、金犬将軍。戦車競争の達人で、若年ながら近衛部隊を指揮する。北方のヴァイキング・タルーアン人との混血で、燃え立つ赤毛と巨大な体躯を持つ。グインの崇拝者。
- トール
- アトキア選帝侯領の出身で「アトキアのトール」と名乗る。黒竜騎士団の傭兵。グインの副官となり、後にグインの後任として黒竜将軍に。陽気で世事に長けた軍人である。要領もよくそれなりに知恵も回り、ヴァレリウスにも一定の評価を受けている(ゼノンなどの単純な武人よりは、という程度だが)
- パルドゥール
- 赤毛の子爵。皇帝家の一族と自称している(一応証拠もある)が、タルーアンの血をひいている為、蔑視される。その為に歪んでしまったものか生来のものか、赤毛の蛇と陰口を叩かれるほどに嫉妬深い性格である。ダリウス大公に駒として利用され、シルヴィアの婿がねにと陰謀を巡らすが、グインやイリスによってことごとく阻止される。最期はグインを襲撃して返り討ちにあい、真っ二つにされた(痺れ薬で身体の自由を奪われていたグインは手加減できなかった)。
- ガウス
- グイン王直属の精鋭部隊「竜の歯部隊」の隊長。
[編集] その他の地域
草原、沿海州、ノスフェラス、キタイなど。
- カメロン
- ヴァラキアの海軍提督、オルニウス号船長。幼少時からイシュトヴァーンと懇意だった。陽気な海の漢であり、部下からはおやっさんと慕われる。ひげの苦労人。後にヴァラキアを棄ててイシュトヴァーンの部下となる。知恵も回り弁舌も爽やかで、イシュトヴァーンが反逆の容疑で告発された際には弁護人として堂々と法廷闘争を繰り広げて見せた。船乗りながら剣の腕も立ち、陸戦の指揮もそこそここなす。ゴーラ王国初代宰相。
- スニ
- ノスフェラスの矮人族セムのラク族の大族長ロトーの孫娘。リンダに同行してその侍女となる(とは言っても半ばペット扱いではある)。
- ドードー
- ノスフェラスの巨人族ラゴンの勇者。「ドードー」は一族随一の勇者の称号であり、一族の指導者である賢者「カー」とともに代々受け継がれてきた名前。グインよりも大きく、力も強い。
- ヤン・ゲラール
- キタイの暗殺教団と噂される「望星教団」の教主。ヤンダル・ゾッグとは対立している。グインと知り合い、リー・リン・レンの後見となる事を引き受ける。
- ホーリーチャイルド
- 巨大なひとつ目を持ち、手も足もない奇怪な胎児。ロカンドラスによれば高い知性を持つという。グインの前身に深い関わりがあるらしい。紅蓮の島などに登場。
- リーロ
- ユラニア人。イシュトヴァーンの寵愛を受けた少年。嫉妬したアリにより殺される。ミロク教徒。
- スーティ
- 小イシュトヴァーン。フロリーの息子。イシュトヴァーンの落とし子でドリアンには異母兄に当たる。父の通称であるイシュティ(あるいはシューティ)からスーティと呼ばれるようになった。グインやマリウスがひと目見て確信を抱くほど、外見も性格も父親にそっくりである。
- オリー・トレヴァーン
- ヴァラキアの公弟。飽食の神バスにも例えられる肥満体。男色家で、アルド・ナリスやワルスタット侯ディモスにまで色目を使っていた(ただし純朴なディモスには何の事か全くわからなかったが)。少年時代のイシュトヴァーンにも目をつけて強引に手に入れようとし、彼がヴァラキアから出て行くきっかけともなった。為政者としては完全な無能で、カメロンはじめヴァラキア公の家臣の多くからも見放されている。
- リー・ファ
- スカールの愛妾。草原の民グル族の族長グル・シンの娘。ノスフェラスからの帰途の途中、病のスカールを庇い、当時は赤い街道の盗賊団を率いていたイシュトヴァーンに斬られ絶命。その死は両人にとってのトラウマとなり、確執の元となる。
- スタック
- アルゴスの英雄王、スカールの兄。妻にパロのアルドロス二世の末娘エマを持つ。母はパロの出で、子供にエルシウス王子がいる。グラチウスによれば、彼が王妃に不妊治療を施して懐妊させ、スカールがアルゴスに居場所を失って出奔するべく企てたものであるらしい。
- リー・リン・レン
- キタイ人。ホータンにおいて、ヤンダル・ゾックの支配に抵抗するグループ「青鱶団」のリーダー。肢体が不自由だが知力・胆力ともに秀でており、多くの若者達が心酔している。グインにも将来を見込まれ、ヤン・ゲラールの協力を得る。
- ユリウス
- 淫魔。グラチウスの手下。ケイロニアの王宮にエウリュピデスと言う偽名でシルヴィアのダンス教師として忍び込んでいた。シルヴィアを誘拐した張本人。非常に下品な性格で猥褻な用語をよく言う。人の精気を吸う事(インキュバスの淫獣攻め)ができるがそれでグインに殺されかけたこともある。(外伝・魔王の国の戦士)また、夢魔としての力も持っている。
[編集] 魔道師
精神的な修業を積み、常人を超える存在となったもの。世界の秘密を解き明かすことに興味をもち、そのカギと目される瘴気の砂漠ノスフェラスと、強大な力を秘める存在であるグインを注視している。
- グラチウス
- ドールの最高祭司にして、世界の三大魔道師に数えられる黒魔道師。「闇の司祭」の称号を持つ。自称800歳以上。ひょうきんだが、本質的に邪悪な性悪爺いである。グインの秘めたる力を欲しており、しつこく付け狙っている。手下に淫魔ユリウスがいる。かなりの力を持つ魔導師である。また、言語分野にも精通している。唯一、恐れている人物はアグリッパ。
- ロカンドラス
- 三大魔道師の一人。「北の賢者」と呼ばれる。ノスフェラスの中心部に結界を張って居を構える。中立だが、スカールやグインには好意的だった。少なくともグラチウスを凌ぐ実力を持つ。彼の技は他の魔道師たちよりもやや科学技術的な描写がされている。
- アグリッパ
- 三大魔道師の一人。世界で最大最強の魔力を誇る大魔道師で「大導師」と呼ばれる。グラチウスと戦った事もあるがアグリッパの完全勝利に終わっている。現在はこの世界の外にあって世界を観察している。外伝には、かつて彼が創造した人造生命が登場する。
- ヤンダル・ゾッグ
- キタイ国王。前キタイ国王を殺し王になった者。キタイの竜王と呼ばれる。竜頭を持つ怪人で同じ姿の同属を部下にしている。強力な魔道師。グイン同様、この世界の外の世界からやって来た存在、またはその末裔。帰還の手段として星船とカイサール転送機(古代機械)を欲していた。
- イェライシャ
- 三大魔道師に次ぐ伝説の白魔道師。「ドールに追われる男」と呼ばれる。元々は黒魔道師でグラチウスの兄弟子だったがドール教団に背いた。年齢は1000歳以上。グラチウスに550年にわたり幽閉されていたがグインに救われ、以後グインの良き味方となる。
- カル=モル
- キタイの魔道師。ノスフェラスの秘密を解こうという野心を抱き、ノスフェラスを横断してその中心部「グル・ヌー」の近くに至ったらしいが、強烈な瘴気(放射能)の影響を受けて骸骨のごとき姿となる(この時点で既に死亡しており、以後は妄執に動かされていたのかも知れない)。モンゴールに拾われ、ヴラド大公にノスフェラス遠征を決意させる。アムネリスの遠征隊に同行するが、ラゴン族との戦闘の際に死亡。しかしその魂は悪霊となってレムスに憑依する。レムスの悪政を唆し、ナリスを拷問で再起不能にしたパロの王立学問所所長カル=ファンと、ホータンの「さかさまの塔」の案内人の僧カル=カンは同じ一族の出であるらしい。
- ルカ
- サイロンのまじない小路の魔道師。「世捨て人」と呼ばれる。予言の力は抜きん出ているが、他の力は魔道師としては弱い。グインがケイロニア王となる事を予言。
[編集] 作品一覧
2006年10月時点における既刊一覧。
[編集] 正編
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[編集] 外伝
- 七人の魔道師
- THE SEVEN SORCERERS
- イリスの石
- AMULET OF AERIS
- 幽霊船
- A VESSEL THAT VANISHED
- 氷雪の女王
- FEMME FROST
- 時の封土
- THE TERRAIN OF TIME
- ヴァラキアの少年
- VENTURER OF VALACHIA
- 十六歳の肖像
- SILHOUETTES AT SIXTEEN
- 星の船、風の翼
- STARRY SHIP, WINDY WINGS
- マグノリアの海賊
- MUTINEERS OF MAGNOLIA
- 幽霊島の戦士
- THE WARRIOR IN THE WORLD OF WRAITH
- フェラーラの魔女
- THE FASCINATOR OF FERAH-LA
- 魔王の国の戦士
- THE WORRIOR IN THE WORLD OF THE WIZARD
- 鬼面の塔
- THE TOWER OF THEURGY
- 夢魔の四つの扉
- THE MOUTH OF THE MORBID MARES
- ホータン最後の戦い
- THE HORRENDOUS HAVOC OF HOTAN
- 蜃気楼の少女
- THE MAIDEN OF MIRAGE
- 宝島 (上)・(下)
- THE THREATENIG TREASURE
- <アルド・ナリスの事件簿 1> 消えた女官 -マルガ離宮殺人事件-
- THE CASEBOOK OF ALD NALIS DISAPPEARING DAMES D' HONNEUR
- 初恋
- Affaire D'amour
- <アルド・ナリスの事件簿 2> ふりむかない男
- THE CASEBOOK OF ALD NALIS THE FACELESS FANTASM
[編集] 関連出版物他
- 愛蔵版グイン・サーガI~IV(早川書房)
- 限定版グイン・サーガI(早川書房)
- グイン・サーガ クロニクル(トイズワークス)
[編集] 解説本
- グイン・サーガ・ハンドブック1(早川書房)
- 旧『グイン・サーガ・ハンドブック』(早川書房)の改訂版
- グイン・サーガ・ハンドブック2(早川書房)
- グイン・サーガ・ハンドブック3(早川書房)
- グイン・サーガ読本(早川書房)
- 別冊宝島「グイン・サーガ PERFECT BOOK 剣と魔法と愛の世界のすべてがわかる!!」(宝島社)
[編集] 関連作品
グイン・サーガとは異なる時代を扱っている。
- トワイライトサーガ(角川文庫)
- 『カローンの蜘蛛』
- 『カナンの試練』
- 『パロスの剣』(いがらしゆみこ画 / あすかコミックス)
- 『パロスの剣』小説(角川文庫)
グイン・サーガと関係のある作品
- 魔境遊撃隊 上・下
- 魔界水滸伝シリーズ
栗本薫個人誌(同人誌)
- ローデスサーガ
- 「南から来た男」 上・下
- 「眠り姫の夜」風が丘恋唄1
- マルガ・サーガ 「凶星」
- FULLHOUSE 1
- FULLHOUSE 2
- FULLHOUSE 3
- FULLHOUSE 4
- FULLHOUSE Special 2中島梓脚本集
[編集] 画集
- グイン・サーガ画集 天野喜孝(早川書房)
- グイン・サーガ画集 末弥純(早川書房)
- 永遠の残照(グイン・サーガ画多数)丹野忍(朝日ソノラマ)
[編集] イメージアルバム
全て日本コロムビアより発売。
淡海悟郎作曲・編曲。「グラフィティ」の一曲は栗本薫作詞。ミュージカルCDは中島梓作詞、一部作曲。
- 辺境篇
- 陰謀篇
- 戦乱篇
- グラフィティ
- 七人の魔道師
- 氷雪の女王、時の封土~グイン・サーガに寄せるピアノの為の10のバラード~
- イリスの石
- ノスフェラスの嵐
- ケイロニア篇
- ミュージカルCD「グイン・サーガ 炎の群像」
- 光の公女
- 幽霊船
[編集] ゲームブック
- 『グイン・サーガ 1 ラルハスの戦い』(ハヤカワ文庫GB)
[編集] コンピュータゲーム
- PCゲーム「グイン・サーガ」(JAST)
[編集] シミュレーションゲーム
- 『グイン・サーガ』(ツクダ)
[編集] テーブルトークRPG
- 『ローズ・トゥ・ロード』のサプリメント「グイン・ワールド」(ツクダ)
[編集] ミュージカル
過去に二度、舞台化されている。
[編集] マグノリアの海賊
1990年に外伝9巻マグノリアの海賊を舞台用に同時作成。1991年1月にシアターアプルで公演。
[編集] 主要キャスト
- イシュトヴァーン:後藤宏行
- カラヴィアのラン:川平慈英
- ナナ:春風ひとみ
[編集] グイン・サーガ炎の群像
オリジナル脚本でミュージカル化。内容は人間では演ずることの不可能なグインを除いたモンゴールのパロ占領、レジスタンス等によるモンゴール敗退までを描く。
- 1995年11月9日~26日:東京のシアターアプル
- 1995年12月1日~10日:大阪のシアタードラマシティ
[編集] 主要スタッフ
- 原作脚本(作曲、作詞、演出):栗本薫
- 作曲兼音楽監督:淡海悟郎
- 美術監督:天野喜孝
[編集] 主要キャスト
- アルド・ナリス:宮内良
- アムネリス:朝香じゅん
- レムス:大沢健
- リンダ:鈴木ほのか
- イシュトヴァーン:岡幸二郎
- ヴァレリウス:駒田はじめ
- マリウス:加藤雅也
- リギア:福麻むつ美
- カースロン:大谷美智浩
- アムブラのミーナ:華村りこ
- アムブラのレティシア:上月真琴
[編集] 話題
[編集] 癩伯爵事件
文庫版第1巻が〔改訂版〕となっている事情。
「癩病」→「黒死病」、「癩伯爵」→「黒伯爵」等の書き換えが行われた。
[編集] ギネスブックへの申請
正編第93巻が発行された2004年4月、早川書房が米国の英語版を元に算出した3022万5000文字で「世界最長の小説」としてギネスブックに申請したが、一冊ものではないという理由で却下された。早川書房は複数冊にわたるカテゴリーの新設を求めたが、これも拒否されたという。
なお、ギネスブック認定の「世界最長の小説」は、2004年版まではマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』の960万9000文字、2005年版ではサイモン・ロバーツの『ニカーズ』(ISBN 0954460502)の1415万6074文字である。