クエチアピン
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クエチアピン(Quetiapin、商品名:セロクエル)は非定型抗精神病薬のひとつ。クエチアピンは日本国内では統合失調症治療薬として承認、アメリカでは統合失調症に加え、急性躁病、双極性障害におけるうつ病においてもFDAから承認を受けている。日本でも統合失調症のほか、うつ病や睡眠障害など様々な精神症状に対して処方されることのある薬剤である。
クエチアピンはゼネカ社(現アストラゼネカ社)が開発し、日本国内においてはアステラス製薬(2005年4月までは藤沢薬品工業)によって製造販売されている。商品名はセロクエル(Seroquel)である。
- 化学名:11-[4-[2-(2-hydroxyethoxy)ethyl]-1-piperazinyl]dibenzo[b,f][1,4]thiazepine
- 分子式:C21H25N3O2S
- 分子量:383.5099
- CAS登録番号:111974-69-7
目次 |
[編集] 種類
- 錠剤:25mg, 100mgの錠剤
- 細粒50%
[編集] 薬理
クエチアピンはジベンゾチアゼピン系に分類される非定型抗精神病薬であり、ドパミンD2受容体に比較して、セロトニン5-HT2受容体拮抗作用が強いのが特徴である。クエチアピンはドパミンD2受容体・セロトニン5-HT2受容体に対し高い親和性を有している。ヒスタミンH1受容体・アドレナリンα1、α2・セロトニン5-HT1A・ドパミンD1受容体に対しても低い親和性を有している。ムスカリン受容体・ベンゾジアゼピン受容体にはほとんど親和性がない。
クエチアピンの抗精神病薬作用はドパミンD2受容体への拮抗作用に因るものと考えられている。セロトニン5HT2受容体拮抗作用もまたクエチアピンの有効性に影響している可能性がある。
[編集] 日本での経緯
セロクエル錠は、2000年12月に承認され、2001年2月に発売された。
[編集] 副作用
主な副作用は不眠、神経過敏、眠気、倦怠感、不安、めまい、起立性低血圧など。本剤の特徴に、一般的なドパミン遮断作用性の副作用(錐体外路症状、パーキンソン症候群、アカシジアやプロラクチン上昇など)がほとんどみられないことがあげられる。
[編集] 禁忌
- 糖尿病患者