キョウチクトウ科
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キョウチクトウ科 | ||||||||||||
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セイヨウキョウチクトウ |
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分類 | ||||||||||||
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キョウチクトウ科(Apocynaceae)は双子葉植物の科で、高木から草本まで含みつる性のものも多い。大部分は熱帯から亜熱帯に分布し、特に熱帯雨林に分布する高木が多いが、乾燥地に生育し茎が太くなった多肉植物もある。温帯にも主に多年草が分布する。
多くは乳液を含み、種々のアルカロイドまたは強心配糖体を含むので有毒種が多いが、一部は薬用に用いられる。葉は単葉で対生またはらせん状に配列する。花は両性、放射相称で、大きく目立つものが多く、多くは総状または集散花序をなす。花弁は筒状に合生し、先は5裂するが縁が重なって回旋状になるものが多い。雄蕊は花筒の内側につく。子房上位で、果実は袋果や液果など。袋果を形成する種の種子には毛あるいは翼があり、風によって種子散布が行われるものが多いが、ニチニチソウのように単純な形態のものもある。液果を形成する種の果実は動物に食べられて種子散布が行われ、なかには極めて甘く、主として霊長類によって種子散布が行われるものもある。
160属1800種ほどを含む。日本には5属が自生。キョウチクトウ、ニチニチソウ、ツルニチニチソウ、カリッサ、アラマンダ、プルメリア、マンデヴィラ、テイカカズラなどは花が美しい(香りのよいものもある)ので園芸用に栽培される。カリッサは果樹としても利用される。
インドジャボク(蛇木)はレセルピン(降圧剤)などのアルカロイドを含む。キョウチクトウ属、バシクルモン属、ミフクラギ属などに強心配糖体を含む種があり(急性毒性が強い)、そのうちストロファントゥス属に含まれるG-ストロファンチン(ウワバイン)は医薬品としても用いられる。またニチニチソウは抗がん剤(ビンクリスチン、ビンブラスチン)の原料とされる。
バシクルモン属はアメリカや中国で繊維を利用した。そのうち同属のラフマ(羅布麻;北日本にも変種のバシクルモンがある)は中国の一部で「羅布麻茶」としても飲用される。
一部の種はかつてゴム原料として用いられ、また急性毒性のある種は矢毒として用いられた。
[編集] 分類
2亜科に分類される:
Rauvolfioideae インドジャボク亜科
- Allamanda アリアケカズラ(アラマンダ)属
- Amsonia チョウジソウ属
- Carissa カリッサ属
- Catharanthus ニチニチソウ属
- Cerbera ミフクラギ属
- Ochrosia シマソケイ(ヤロード)属
- Plumeria インドソケイ(プルメリア)属
- Rauvolfia インドジャボク属
- Tabernaemontana サンユウカ属
- Thevetia キバナキョウチクトウ属
- Vinca ツルニチニチソウ属
Apocynoideae キョウチクトウ亜科