キョウチクトウ
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キョウチクトウ | ||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||
Nerium indicum | ||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||
キョウチクトウ | ||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||
Oleander |
キョウチクトウ(夾竹桃)はインド原産のキョウチクトウ科キョウチクトウ属の常緑低木もしくは常緑小高木である。葉が竹に似ていること、花が桃に似ていることからこの名がついた。学名はNerium indicum 。
葉は長楕円形で両端がとがった形 。やや薄くて固い。葉の裏面には細かいくぼみがあり、気孔はその内側に開く。 花は、およそ6月より残暑の頃である9月まで開花する。花弁は基部が筒状、その先端で平らに開いて五弁に分かれ、それぞれがややプロペラ状に曲がる。 日本では適切な花粉媒介者がいなかったり、挿し木で繁殖したクローンばかりということもあって受粉に成功して果実が実ることはあまりないが、ごくまれに果実が実る。果実は細長いツノ状で、熟すると縦に割れ、中からは長い褐色の綿毛を持った種子が出てくる。
有毒な防御物質を持つため、食害する昆虫は少ないが、日本では鮮やかな黄色のキョウチクトウアブラムシが新しく伸びた枝に寄生し、また新芽やつぼみをシロマダラノメイガの幼虫が糸で綴って内部を食べる。九州の一部や南西諸島では、スズメガ科のキョウチクトウスズメの幼虫が葉を食べて育つ。
乾燥や大気汚染に強いため街路樹などに利用される。日本へはインドより中国を経て江戸時代中期に伝来したという。また類似のセイヨウキョウチクトウNerium oleander も栽培される。有毒植物。
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[編集] 生薬
オレアンドリンなど様々な強心配糖体が含まれており、強心作用がある。ほかに利尿作用もある。毒性が強いため、素人が処方する行為は好ましくない。
[編集] オレアンドリン
オレアンドリン(oleandrin C32H48O9)とはキョウチクトウに含まれる強心配糖体で、分子量576.73、融点250℃、CAS登録番号は465-16-7である。ジキタリスに類似の作用を持つ。 |
[編集] 毒性
中毒症状としては、疝痛、下痢、頻脈、運動失調、食欲不振などがある。致死量は乾燥葉で50mg/kg(牛,経口)という報告がある。
家畜がキョウチクトウを食べることで中毒症が問題になる。また、フランスで木を串焼きの串にして死者が出た例がある。日本でも、かつて広島で木を箸代わりにして死者が出ている。広島はキョウチクトウを県花に指定しているが、学校ではキョウチクトウの利尿効果や毒性についてほとんど教育がなされていない。
[編集] 花言葉
用心、危険、油断しない。
8月14日の花。