カラータイマー
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カラータイマーとは、特撮ドラマウルトラシリーズでウルトラ戦士が胸に付けている発光体である。生命源「ウルトラ心臓」に繋がったバロメーター。ウルトラ戦士のエネルギー残量を意味していて、通常は青色だが、エネルギーが少ないと赤色に点滅する。
シリーズによっては「ビームランプ」や「ライフゲージ」「エナジーコア」、「パワータイマー」とも呼ばれるが、機能的にはほとんど変わらず、総称として「カラータイマー」と呼ばれることが多い。カラータイマーは、宇宙警備隊に入隊する際手術によって取り付けられる人工物として解釈される場合と、生誕時からある生来の身体の一部という二通りの解釈があり、円谷プロの監修による著作物でも二通りの描写が見られる。
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[編集] 昭和ウルトラマンシリーズのカラータイマー
ウルトラマンの胸に存在する半球状の発光体。通常は青く発光しているが、ウルトラマンの地球での活動時間が残り少なくなると、発光色が青から赤に変わって点滅を始めると同時に警告音を発する。カラータイマーの形や点滅・変色までの時間はシリーズごとに設定が異なる。たとえば、新マン(ウルトラマンジャック)ではエネルギーの消費量によって点滅開始が早まる。また、可動時間の限界も通常は3分だが、ウルトラマンレオは2分40秒で、体長が小さいとその時間はずっと長くなる。
カラータイマーはウルトラマンのエネルギーを司る重要な器官であると同時に弱点である。カラータイマーの光が消えるとウルトラマンは活動不能になり、破壊されるとウルトラマンは死亡する。しかしながら実際には、カラータイマーはウルトラマンの生命を表すと言うより、消費するエネルギーの残量を示す燃料計に類似した機能を果たしている。カラータイマーの発光が停止してもエネルギーが補給されればウルトラマンはしばしば生き返るからである。
児童書ではウルトラマンは死ぬと光となって消えると記されているものがあるが、実際の劇中ではこのような描写はあまり見られず、カラータイマーが停止してもウルトラマンの遺体は消えずに残る。
いずれにも該当しない例外は『ウルトラマンタロウ』第52話における描写である。怪獣ドロボンにカラータイマーを奪われた、新マンは、エネルギーを失って体がぺちゃんこになってしまう描写が見られる。
番組制作の裏話だが、ウルトラマン(初代)のデザインを行った成田亨の最初の案には、カラータイマーは存在していなかったと言われる。しかし作劇上、ウルトラマンに弱点を持たせる必要があるとして、成田のデザイン案に後からカラータイマーが付加されたらしい。“究極の人体”としてウルトラマンをデザインした成田は、カラータイマーを付加されたことに不満だったという説がある。
[編集] ウルトラセブン
『ウルトラセブン』は元々ウルトラマンとは繋がりのない作品だったため、セブンにはカラータイマーは存在しない。当初は地球上での活動時間の制限時間の設定もなかったが、途中からエネルギーが消耗すると額部にあるビームランプが点滅するようになった。 また、後の雑誌等では、カラータイマーは戦闘員に手術によって取り付けられるものであり、ウルトラセブンは非戦闘員である恒点観測員であったため、カラータイマーを持っていないという解説がなされている。
[編集] ザ☆ウルトラマンのカラータイマー
ウルトラマンジョーニアスや、彼の故郷U40に住むウルトラ戦士たちの胸にあるカラータイマーは、星型をしている。
ウルトラマンジョーニアスのエネルギーが消耗すると、青から黄を経て赤に変化し、点滅して警告音を発する。ただし、劇中でカラータイマーが黄色になるのは青から赤に変化する際の一瞬だけであり、3段階に色が変わる必然性はあまりなかった。活動時間は4分間。
[編集] ULTRA N PROJECT
ウルトラマンの基本デザインを一新したULTRA N PROJECTのシリーズで登場するウルトラマン(ウルトラマンノア、ウルトラマン・ザ・ネクスト、ウルトラマンネクサス)には胸にY字状の赤い発光体エナジーコアが存在する。
また、ウルトラマンノアと敵対する闇の巨人ダークザギにも同形のエナジーコアが存在する。これはダークザギがウルトラマンノアを模して作られたためである。
[編集] ウルトラマンネクサス
変身直後の第一形態アンファンスの状態だと、Y字をかたどった赤色のエナジーコアが胸部に装備されている。作品中でも名称が呼称され、吉良沢が命名した。エネルギーが限界域に入る(明確な制限時間は存在しない)と、エナジーコア全体が点滅する。
第二形態ジュネッスに変身すると、エナジーコアの真ん中に青色のコアゲージが出現する。メタフィールド内で3分間戦闘可能であり、時間が残り少なくなると、コアゲージの色が赤色に変わって点滅する(形状、機能ともに昭和ウルトラマンのカラータイマーとほぼ同様である)。
[編集] 上記以外の平成期のウルトラマン
平成ウルトラマンシリーズのウルトラマンは、昭和のウルトラマンのカラータイマーと同様(但し形状は昭和シリーズが全て円形の付属物だったのに対し、平成シリーズでは円形とは限らない。また、ウルトラマンメビウスはカラータイマーが内蔵されており、付属物状にはなっていない)だが、ウルトラマンナイスだけは、左胸についている。またウルトラマンガイアとウルトラマンアグルのものは「ライフゲージ」と呼称され、明確な変身制限時間は存在しない。なお、ウルトラマンに属する「ハンターナイト ツルギ(ウルトラマンヒカリ)」は一見するとカラータイマーは付いてない様に見えるが、鎧「アーブギア」にカバーされており、アーブギア消滅後は水滴型のカラータイマーが現れている。