オーストラリアン・メジャーリーグ
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オーストラリアンメジャーリーグ Australian Major League Baseball (AMLB)は、オーストラリアのプロ野球リーグ、International Baseball League of Australia (IBLA)の通称。オーストラリアにはプロ野球リーグがないとされているが、多くの選手が兼職であることから来る誤解である(少なくともIBLA側はプロであることを公言している)。
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[編集] 概説
- オーストラリアで野球が行われたのは100年以上前と言われており、アメリカの鉱夫によって紹介されたのがはじまりだとされている。1897年にはオーストラリア人だけで組織されたナショナルチームがアメリカ遠征を行い、14試合で10勝を挙げたという記録が残っている。国内のアマチュアリーグ自体は1930年代から存在していたが、南半球にあるため野球が盛んな国のメインシーズンと合うことができず、国際試合に再び顔を出したのは1971年の韓国で開かれたアジア野球選手権大会からであった。その上、オーストラリアで野球というスポーツが一般に認知されはじめたのは、1987年のデービッド・ニルソンのミルウォーキー・ブリュワーズ入団からであり、その後徐々に選手数を増やしていくことになるのである。
- オーストラリアでは1980年代に様々な国内プロスポーツ組織が結成され、そんな中で野球も1989年にAustralian Baseball League (ABL) が8チームの加盟により発足。しかし、財政難により10年後にリーグごと買収され、現在のIBLAが発足するに至っている。
- リーグ戦は夏である1月前後で開催され、実力のある選手はその後アメリカ、日本、台湾、イタリアなどのプロリーグでプレーするというパターンが多く、中南米のウィンターリーグに近い形であると言える。このため日本やアメリカ、台湾などからも冬季の調整を兼ねて参加する選手がいる。
[編集] 試合システム
- 主に12月~1月(オーストラリアでは夏)の間にリーグ戦を行うことが基本とされているが、毎年チーム数が変動するために試合数などははっきりと決まっていない。この10年あまりでリーグ戦に参加するチーム数は6~9の間で推移しており、試合数もそれに応じて42~62と変動。最も多く開催されたのは8チーム・48試合制だと言われているが定かではない。リーグ戦の上位4チーム(これも年ごとのチーム数によって変動)によるプレーオフが行われ、最終的な勝者がABLチャンピオンとなる。
- ルールなども国際野球のルールから見るとかなり変則的で、初期はラグビー場を使った変則グラウンドが使用されたほか、試合は7イニングのダブルヘッダーの日と9イニング1試合の2つのパターンがある、国外リーグに参加していない選手には金属バットの使用を認める、などユニークと見るべきか非常識と見るべきか分からないものとなっている。
[編集] オーストラリア野球の今後
- オリンピックや国際試合の代表メンバーはその殆んどが国外のプロリーグで活躍する選手である。メジャーリーグやマイナーリーグ(AAAリーグ)の主力選手のほかに、日本では元中日ドラゴンズのディンゴ、アテネ五輪では日本代表を完璧に封じ込めた阪神タイガースのウィリアムスなどが有名だろう。これらは「将来有望な選手は積極的に国外プロリーグへ送り出す」という海外戦略の結果であり、トップの実力はもはや日本やキューバ、アメリカなどの強豪国と大差がないまでに成長している。
- 一方で、未だに過渡期にある国内リーグの充実と、殆んど知られていない野球というスポーツの浸透が急務であろう。そのためにはオーストラリア国内で圧倒的な人気を誇るラグビーとクリケットに対抗しなければならない。試合のTV中継もプレーオフなどの数試合しかされておらず、まだまだ道のりは険しそうである。
[編集] 関連項目
- 野球
- 野球オセアニア地区選手権
- IBAFワールドカップ
- アテネオリンピック (2004年)
[編集] 外部リンク
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