オニヒトデ
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オニヒトデ Acanthaster planci(オニヒトデ科):輻長約15cm。
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[編集] 生態
大型のヒトデの仲間でサンゴ礁に生息し、成体が珊瑚を餌とする。幼生は植物プランクトンを摂取して成長し、定着した幼体は石灰藻を食べるが、ある程度の大きさまで成長すると珊瑚を捕食するようになる。石灰藻、珊瑚とも摂食するときは口から胃を裏返して広げて餌生物に押し付け、消化吸収を行う。
[編集] 大発生について
オニヒトデは、時をおいて大発生することがあるため、珊瑚礁環境の保全上有害とされている。この大発生に関して、自然の長期サイクルによるとする説と、人間の環境破壊に要因を求める説があるが、長い研究史にもかかわらず現状ではほとんど解明されていない。かつて大発生時には対症療法的に駆除作業が多大の予算をつぎ込んで行われることが多かったが、すべてのオニヒトデを駆除することは不可能であること、また漫然とした駆除がかえって間引きによるオニヒトデの生長を助長しオニヒトデの再生産に荷担する可能性があることなどから、近年、状態の良いサンゴ礁において徹底的に駆除を行い、それらのサンゴ礁を保全することで、将来的に、食害に遭ったサンゴ礁へのサンゴ幼生の供給源とする考えに基づいた駆除が行われている。オニヒトデの体表面には大量の有毒の棘が生えており、これに刺されると激しく痛む。天敵はホラガイで、これに対しては棘は防御の功を成さないが、もともと生息密度が低く食物摂取量もそれほど多い貝ではないので、個体群抑制に対して効果のある天敵ではない。しかもこのヒトデによる死亡例が出ているようである。
[編集] 関連項目
- ヒトデ
- アカヒトデ:ertonardoa semiregularis(ホウキボシ科)
- イトマキヒトデ:Asterina pectinifera(イトマキヒトデ科)
- マヒトデ:sterias amurensis (ヒトデ科)
- スナヒトデ:Luidia quinaria(スナヒトデ科)
- コブヒトデ:Oreaster nodosus(オレアステル科)
- ヤツデヒトデ:Coscinasterias acutispina:(ヒトデ科)
[編集] 外部リンク
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