エヴァンス事件
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エヴァンス事件(エヴァンスじけん、Christie Evans)は、1949年にイギリスのロンドンで起こった冤罪事件。イギリスの死刑制度廃止の発端となった。
1949年11月30日、ロンドンのノッティング・ヒル・ゲートにあるアパートの裏庭で、最上階の住人ベリル・エヴァンス夫人と娘ジェラルディンの絞殺死体が発見された。第一発見者は夫のティモシー・エヴァンス。
エヴァンスは警察に通報するが、アパートの住人であるジョン・レジナルド・ハリディ・クリスティの目撃証言により逮捕された。裁判でのクリスティの証言、エヴァンスに虚言癖のあったことが影響し、1950年3月9日に絞首刑が執行された。
事件はこれで解決したと思われた。
1953年3月24日、異様な臭気に気づいたアパートの住人が警察に通報。クリスティの部屋の壁から女性の遺体が発見される。捜査の結果、クリスティの妻を含む6人の女性の遺体が発見され、クリスティは逮捕される。彼はこの6つの殺人の他にエヴァンスの妻と子供を殺したことも自供した。
その後、無実のエヴァンスを冤罪により死刑にしたという反省から、イギリスでの死刑廃止論が興った。