ウパニシャッド
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ヒンドゥー教 |
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基本教義 |
三神一体、輪廻、解脱 |
カースト |
神々 |
ブラフマー、シヴァ |
ヴィシュヌ |
インドラ、アグニ |
聖典 |
ヴェーダ |
マハーバーラタ |
ウパニシャッド |
ラーマーヤナ |
地域 |
インド、ネパール |
バリ島 |
ウパニシャッド (upaniSad उपनिषद्) は、サンスクリット語で書かれた一連の書物で、一般には奥義書と訳される。約200以上ある書物の総称である。各ウパニシャッドは仏教以前から存在したものから、16世紀に作られたものまであり、成立時期もまちまちである。
ウパニシャッドの語源について、「近くに座す」ととるのが一般的である。それが秘儀、秘説といった意味になり、現在のような文献の総称として用いられるようになったと広く考えられている。
後世の作であるムクティカー・ウパニシャッドにおいて108のウパニシャッドが列記されていることから、108のウパニシャッドが伝統的に認められてきた。その中でも十数点の古い時代に成立したものを特に古ウパニシャッドと呼ぶ。多くの古ウパニシャッドは紀元前500年前後に成立し、ゴータマ・ブッダ以前に成立したものと、ゴータマ・ブッダ以後に成立したものとある。古ウパニシャッドはバラモン教の教典ヴェーダの最後の部分に属し、ヴェーダーンタとも言われる。
[編集] 古ウパニシャッド
- ブリハッド・アーラニヤカ・ウパニシャッド:白ヤジュル・ヴェーダ:初期 第1期
- チャーンドーギア・ウパニシャッド:サーマ・ヴェーダ:初期 第1期
- ケーナ・ウパニシャッド:サーマ・ヴェーダ:初期 第3期
- イーシャー・ウパニシャッド:白ヤジュル・ヴェーダ:初期 第3期
- カタ・ウパニシャッド(カータカ・ウパニシャッド):黒ヤジュル・ヴェーダ:中期(紀元前350年から紀元前300年頃)
- ムンダカ・ウパニシャッド:アタルヴァ・ヴェーダ:中期
- ブラシュナ・ウパニシャッド:黒ヤジュル・ヴェーダ:中期
- シュヴェーターシュヴァタラ・ウパニシャッド:黒ヤジュル・ヴェーダ:中期(紀元前300年から紀元前200年頃)
- マイトリ・ウパニシャッド(マイトラーヤナ・ウパニシャッド):黒ヤジュル・ヴェーダ:後期(紀元前200年頃)
- マーンドゥーキヤ・ウパニシャッド:アタルヴァ・ヴェーダ:後期(1年から200年頃)
- マハーナーラーヤナ・ウパニシャッド:黒ヤジュル・ヴェーダ:後期
[編集] 参考文献
- 『ウパニシャッド』辻直四郎 講談社学術文庫934 ISBN 4-06-158934-2
- 『インド哲学へのいざない』前田專學 NHKライブラリー126 ISBN 4-14-084126-5