ウバメガシ
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ウバメガシ | ||||||||||||
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ウバメガシ(姥目樫)とは、ブナ科ブナ属コナラ属の木。学名はQuercus phillyraeoides。
常緑広葉樹で、ごつごつした樹形になる。葉は倒卵形、周辺には鋸歯がある。葉が厚くて硬く、表面には照りがある。
暖かい地方の海岸~山の斜面に多い。特に海岸付近の乾燥した斜面に群落を作るのがよく見掛けられる。トベラやヒメユズリハとともに、海岸林を構成する。硬くて小柄の葉は乾燥への適応とも考えられ、日本における硬葉樹林的な植物であるとの見方もある。
紀伊半島南部では、内陸部の崖地にウバメガシの優占する森林があり、やや特殊な昆虫相を維持している。この、内陸部にあるウバメガシ林は、紀伊半島に独特の例外的存在であるかのように言われることがあるが、実際には、西日本各地に内陸のウバメガシ林が点在し、それぞれの地域で「ここは例外である」と言われている。
また、紀伊半島南部のでは、あちこちの低山斜面に、備長炭の用材としてウバメガシが優占するように育成された森林があったが、最近の需要の増加のため、減少が目立つ。かつては山にある状態で炭焼き師の手に売られた後は、伐採後の樹木の生長に気配りしつつ伐採され、たとえばウバメガシの伐採の後、ひこばえの成長に配慮して、鋸は絶対に使わず、斧のみを使って伐採したとの伝承がある。鋸を使うとひこばえが多数出過ぎて、後の成長が良くないのだと言われる。
落葉が少なく常緑で病気に強いことから、最近では、街路樹や生垣としても利用されている。よく見られるのは低木で、大木や古木は珍しい。良質の炭で有名な備長炭の原料。
和歌山県の県木に指定されている。
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