ウェスターマーク効果
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ウェスターマーク効果(うぇすたーまーくこうか)とは幼少期から一緒の生活環境で育った相手に対しては、次第に性的興味を持つ事は少なくなるという現象である。これは刷り込みの一種であると考えられている。
これは19世紀にエドワード・ウェスターマークによって提唱された考えである。シェーファーの調査(1972)によると、イスラエルではキブツ(共同保育施設)において皆が幼馴染のような状況にあるが、転校生の追跡調査によると、ある年齢まで一緒に生活していた仲間とは結婚を避ける傾向が見られたとされる。
また、同様の現象は台湾の夫婦にも見られた。貧しい家の娘は裕福な家に身売りされたのであるが、その娘は若かったためにそのうち夫はほとんどその娘に興味を持たなくなってしまったのである。なお、この現象は1970年代以降多くの家庭がだんだん裕福になり解消された。
この現象はジークムント・フロイトのエディプス・コンプレックスの概念に対する反証としてよく用いられる。なぜなら、オイディプス王は母親と引き離されて育ったが、これこそが近親相姦を煽る最もよい方法で通常の状況下ではそんな事はまず起こらないという事を反証するためである。ただ、これに関してはフロイトの言っているのは幼児性欲であり性器的結合ではないという精神分析家らによる反論も同時に存在する。ただ、もしこの反論が正しいとしても多くの人がエディプス・コンプレックスを性行為と誤解しているならばそれは間違いとなる。