イズミル
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イズミル(Izmir)はエーゲ海に面するトルコの都市。古くはスミルナ(Smyrna, ギリシア語でΣμυρνη)とも呼ばれた。イスタンブルに次いでトルコ第2の規模の港湾施設を持ち、人口ではトルコ第3の都市である。2000年の人口は2,409,000人。イズミル県の県都。NATOの司令部が置かれている。その美しさは「エーゲ海の真珠」と称えられる。付近にはエフェソス、ベルガマ(ペルガモン)、などの古代遺跡もあり、多くの観光客を集める。
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[編集] 歴史
ヘロドトスによれば、紀元前1000年ごろにアイオリス人によって建設され、その後、イオニア人たちの手に渡り、文化的・商業的中心地として大きく発展した。イオニア同盟の主要な都市の一つとなる。ホメロスが暮らしていたのもここであったと言われる。リディアの攻撃(紀元前600年ごろ)によって破壊された。その後、リディアやアケメネス朝ペルシアの支配を経て、アレクサンダー大王の治世下で都市が再建された。紀元前1世紀よりローマ帝国、また、4世紀以降はビザンティン帝国の支配下で繁栄を謳歌する。1415年、オスマン帝国に占領された。
17世紀から19世紀にかけては、さまざまな出自の商人たちが集まり、国際商業都市として栄えた。
第一次世界大戦においてオスマン帝国が協商国側に降伏すると、1919年5月15日ギリシア軍はアナトリアに上陸し、イズミルを含む一帯を占領した。その後、1920年8月のセーヴル条約で、ギリシアによるイズミル地方の領有が期限つきで認められたが、1922年9月にはケマル・アタチュルクの率いたトルコ軍が奪還した。この際、アルメニア人居住区で大火が発生し多数のアルメニア人が死亡した。1923年7月のローザンヌ条約によってトルコの主権が回復された。
[編集] 姉妹都市
[編集] イズミル出身の人物
- セゼン・アクス:歌手
- エドアール・バラデュール:前フランス首相
- アレック・イシゴニス:カーデザイナー
- マノリス・カロミリス:作曲家
- アルパイ・オザラン:サッカー選手
- アリストテレス・オナシス:実業家
- ギオルギオス・セフェリス:作家・詩人