アラスカ級大型巡洋艦
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アラスカ級大型巡洋艦 | |
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艦級概観 | |
艦種: | 大型巡洋艦 |
艦名: | 準州、海外領名 一番艦はアラスカ準州に因む |
性能諸元 | |
排水量 | 基準:27,000トン、 常備:25,086トン |
全長 | 246.46m、水線長:241.25m |
全幅 | 27.7m |
吃水 | 9.72m |
機関 | バブコック&ウィルコックス 重油専焼缶8基 +ジェネラルエレクトリック 高速タービン4基 4軸推進 150,000hp |
速力 | 最大31.5ノット |
航続距離 | 12,000海里(15ノット時) |
乗員 | 1,800名 |
武装 | 30.5cm(50口径)3連装砲3基 12.7cm(38口径)連装砲6基 40mm(56口径)ボフォース 4連装機関砲18基 エリコン20mm(70口径)機関銃34門 |
艦載機 | 4 |
アラスカ級大型巡洋艦(Alaska Class Large Cruiser)は、アメリカ海軍の大型巡洋艦。
本級はアメリカ海軍が日本が秘かに開発していると伝えられていたB65型大型巡洋艦「超甲巡(現実には存在しなかった)」やドイツの装甲艦「ドイッチュラント級」、巡洋戦艦「シャルンホルスト級」などに対抗するため、重巡洋艦よりも大型で条約型巡洋艦を火力で凌駕し、戦艦よりも安価に調達の出来る「ラージ・クルーザー」として建造を計画した。
美しさよりも生産性、実用性を重視するアメリカらしく、すっきりとしたデザインにまとめられている(デザイン元は同時期に建造された「ノースカロライナ級」であると言われる)。船体は中央楼型で、伸び上がったシアが際立つ艦首から新設計の「1939年式 Mark8型30.5cm(50口径)3連装砲」を1、2番主砲塔を背負い式に2基、その背後に「1934年型12.7cm(38口径)連装両用砲」が1基、二段甲板の上に司令塔を組み込んだ箱型操舵艦橋とその両舷に両用砲を1基ずつ、二段式の見張り台を備える戦闘艦橋の頂部には 7.2m 測距儀を持つ。直立した煙突は T字型のアンテナが付くもののフランスの「リシュリュー級」の MAC型煙突のように後檣の役割は持たなかった。艦橋と煙突の間には艦載機を運用するスペースが設けられ、短いカタパルトが並列に2基装備された。艦載機は煙突下部の格納庫から煙突両脇に腕のように伸びたクレーンによりカタパルトに載せられた。後檣を中心に逆三角形型に両用砲を3基、3番主砲塔を後向きに配置した。船体は縦横比率が7:1と、異常に細長い。そのために荒天時の操舵性・凌波性は同クラスの軍艦の中で最も悪く、直進安定性が良すぎて舵の効きがタンカー並に悪く、在籍時は艦隊行動を乱す問題児であった。これは元々の設計が巡洋艦で高速を出し易い船体形状にする為なので、純粋に砲撃時の安定性も考慮される戦艦と比べるべきではないかもしれない(両用砲の配置も重巡洋艦と酷似しており、中央配置の砲が被弾火災発生した際には主砲塔に何らかの障害が発生する為に主力艦では余り採用されない。例外は日本の「大和型」くらいである)。
本級の主砲は「ワイオミング級」の「1912年式 Mark7型30.5cm(50口径)砲」を改良した「1939年式 Mark8型30.5cm(50口径)砲」で14インチ砲弾並の砲弾重量(SHS:517kg)が砲撃可能で、射距離32,000mでは甲板への貫通値は182mmで中々の高性能砲といえる。発射速度は毎分2.4発~3発である。副砲の代わりに「1934年型12.7cm(38口径)連装両用砲」を6基装備し、首尾線方向に6門、左右方向に8門が指向できた。その他に両用砲の補助として「40mm(56口径)ボフォース機関砲」を4連装で14基56門、「エリコン20mm(70口径)機関銃」を34門装備した。
[編集] 同型艦
以下は計画艦
- フィリピン(USS Philippines, CB-4)
- プエルトリコ(USS Puerto Rico, CB-5)
- サモア(USS Samoa, CB-6)