アインシュタイン (単位)
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アインシュタイン(einstein) | |
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記号 | E |
系 | 非SI単位 |
量 | エネルギー |
定義 | 1 molの分子数に等しい個数の光子が持つエネルギー |
アインシュタイン(einstein, 記号:E)は、光化学で用いられるエネルギーの単位である。
1アインシュタインは、1モルの分子数に等しい個数(アボガドロ定数)の光子が持つエネルギーと定義されている。光のエネルギーはその周波数によって変わるので、アインシュタインの値が同じであっても、実際のエネルギー(国際単位系ではジュール(J)で表わされる)は周波数によって異なることになる。プランク定数とアボガドロ定数の積とも解釈でき、SI単位系で表すと約399.0ピコジュール秒毎モルとなる。
アインシュタインは光合成の研究に用いられる。それは、酸素の生産量が与えられているとき、それに必要な光の条件は、光の周波数ではなく光子の量であるからである。例えば、1モルの酸素を生産するためには約9アインシュタインの光子が必要である。
放射照度は、アインシュタイン毎秒毎平方メートルとして計測することができる。なお、SIにおける放射照度の単位はワット毎平方メートル(ジュール毎秒毎平方メートル)である。光合成有効放射(PAR)はアインシュタインの10-6倍のマイクロアインシュタインを用いて、マイクロアインシュタイン毎秒毎平方メートルという単位で報告されることが多い。
アインシュタインという単位名称は、1905年の論文において光電効果の原因を解明し、光量子(現在は光子と呼ばれる)という考えを示したアルベルト・アインシュタインに因むものである。